妥協できない性格の人が仕事できなくなる理由を語る

仕事・ビジネス
この記事は約5分で読めます。

クリエイエティブ職で普段から職人気質な人と仕事をしている中で常々思うのが、妥協できない性格の人は「ちょっとこの人、仕事ができないタイプなのだろうかなぁ」と感じる場面が多いということだ。

もちろん立派な実績がある人もいるし、そういった技術に対してリスペクトする姿勢は持っている。しかし、技術はあるけど妥協できない頑固な性格であるがゆえに、あまり一緒に働きたくないタイプの人である…と感じてしまうのが正直な感想である。

また、この手の妥協できない人は(私の感覚ではあるが)いわゆる新人、若手の人に目立つ。そして、この傾向はクリエイティブ職ではなかった前職でも同様であった。

今回は、妥協できない性格と仕事のできなさについて語ろうと思う。

 

妥協できない性格の人が仕事でつまづきやすい理由

妥協できない性格の人には

  • 完璧主義や理想の高さのせいで後に引けなくなってしまっている。
  • 妥協して折れることを負けだと感じている

という、極端な考えを持っている人が目立った。

もちろん、自分一人でできる範囲の仕事なら、高いパフォーマンスを求めることは問題ない。しかし、組織の一員として仕事をしたり、締切までに間に合わせる必要がある仕事の場合は、妥協できない性格の弊害が如実に出てすいのだ。

具体的に言えば

  • クオリティを重要視しすぎて締切を破ってしまう。そのせいで関係者各位に迷惑をかけてしまう。
  • 妥協せざるを得ない状況を作った相手に対して逆恨みに近い感情を持ってしまう。不穏でピリピリとした雰囲気を職場で作ってしまい迷惑がられる。
  • (新人の場合は)自分が思い描いているクオリティに到達できないことを察知して、仕事を先送りにさせてしまう。当然その尻拭いを誰かがすることになる。

などの問題が出てきてしまうのだ。

クリエイティブ職は自分の技術や得意を存分に生かせる職場だと思われがちだが、実際はクライアントとよく話しあって、時には自分の主張を抑える妥協や、最高のクオリティよりも及第点のクオリティで仕事をこなすことが求められる場面が出てくることが多々ある。

つまりクリエイターとのしての自身のプライドや美学、ポリシーよりも、まずは仕事をこなす事を第一に優先できる柔軟性が求められるのだ。

そのため、他人との交渉や妥協ができない性格の人は、いくら技術があったとしても一緒に仕事をしたい人とは思われにくいのだ。

 

誰かと一緒に働くのなら、妥協を恐れてはいけない

クリエイティブ職に限った事ではないが、誰かと一緒に働くのであれば妥協することを恐れてはいけないと思う。

むしろ、妥協をすることは社会の一員として、他人と協力して生きていくためには、仕事に限らず重要なスキルであると私は考えている。

自分の主張や要求を訴えてばかりで、他人と折り合う事ができなければ、それこそ何もかも自分一人でこなしていかなければいけなくなる…これが現実的ではないことは、読者の皆様には容易に理解できると思う。

 

「妥協が嫌だからフリーランスで働く!」がハードモードな理由

と言っても、「仕事ならフリーランス(個人事業主)で自分一人やっていけば問題ないでしょ」と言う意見がくるかもしれない。

しかし、フリーランスは他人との妥協点を探る交渉術が強く求められる働き方であると強く主張したい。

とくに、なんの実績もないのなら、自分の要望を相手が全て聞き入れてくれることはまずない。むしろ、実績がないからこそしっかりこちらが話を聞いて、妥協点を探る姿勢を見せていくことが欠かせないのだ。

そうは言っても「妥協するぐらいなら自分を受け入れてくれる人とだけ仕事していけばいい」と行ってくる頑固な人もいるかもしれない。しかし、それほど実績のないフリーランスが他人を自由に選べる立場にいるかといえば…正直そうではないと思う。

実績がないからこそ、こちらから相手の意見や考えに沿った提案や交渉をしていくことが大事だと感じているし、交渉術を身につけておけば回り回っていい仕事をもらいやすくなったり「一緒に安心して働ける人」と認知されて、働きやすさが増すのだ。

(まぁ、実績があったとしても全て自由にできるわけでもないが…)

 

妥協できない人よりも妥協できる人の方が「一緒に安心して働ける人」だと思われやすい

重ねていうが、妥協することは恐れることではない。むしろサラリーマン、フリーランス関係なく「一緒に安心して働ける人」だと思われやすくなるのが、何よりのメリットであると思う。

多少自分のスキルが拙くとも、要求を受け入れてくれたり交渉に応じてくれる人の方が、頑固一徹な人と比較しても親しみやすい。また「技術はないけど丁寧に対応してくれるので、誠実さ、真面目さを感じる人だ」という信頼も得られる。

 

しかし、この信頼を得られたらそこからは自分のスキルをしっかり磨いていくことも忘れてはいけないと同時に思う。

スキルを磨いて仕事で高いパフォーマンスを出せるようになれば、妥協によってできた仕事の質も底上げすることができる。

具体的に説明すると、自分の実力の6割が妥協点だったと

  • 自分の実力が100であれば、妥協の結果は60。
  • 成長して自分の実力が120になれば、妥協の結果は72。
  • さらに成長して自分の実力が140になれば、妥協の結果は84…

というように、妥協の結果のクオリティを上げることができる。こうして、妥協しつつも成長し続ける関係を構築できるようになることが、社会で生きていくためには大事だと強く思う。