白ハゲお気持ち漫画が嫌われる理由に関する考察

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主にtwitter上では、時折「白ハゲお気持ち漫画」という漫画が投稿され良くも悪くも話題になることがある。

白ハゲという名前にもあるように、白くてかろうじて人間だとわかるようなキャラクターが登場する。その多くは白ハゲが作者の気持ちを代弁したり、世間に対する問題提起などを行うことが多い漫画である。

なお、中には白ハゲではなく作者自身を漫画のキャラクターとして登場させるお気持ち漫画もあるが、そちらも賛否両論で荒れることがtwitter上では多々ある。

今回は、そんな白ハゲお気持ち漫画がどうしてtwitter上で荒れるのかについて、個人的な見解と考察を述べていく。

 

自分を悲劇のヒロインとして描きたい魂胆が見え見えで恥ずかしくなる

白ハゲ漫画の中には、自分を悲劇のヒロインにして共感や、いいね&リツイートを呼びバズりたい人が好んで描く傾向がある。つまり、うぬぼれと承認欲求が強い人が描きたがるのだ。

とはいえ、自分を漫画に登場させるのはさすがに自意識や自己愛の強さが露骨に出て作者自身にヘイトが向かう可能性がある。

そうならないためにも、白ハゲを自分の身代わりとして描く。そして、自分が経験した悩みや問題を白ハゲを主人公にして描く。結果「こんな悲劇に見舞われている白ハゲ(=作者自信)に共感して!」と訴えかけてくるストーリーになるのだ。

しかし、このストーリー構成や白ハゲ代弁構造こそ、見る人の羞恥心(=共感性周知)を呼び起こし、良くも悪くもバズる要因なのだ。

twitterで白ハゲ漫画に嫌悪感を示す人の中には、自分も過去に共感や反応欲しさに悲劇のヒロインを気取ったという黒歴史を持っている人が多い。そういう人からすれば、白ハゲ漫画は自分の古傷が嫌でも疼いてしまうコンテンツであるため、引用RTなりで何か一言言いたくなってしまいがちなのだ。

なお、悲劇のヒロインとして白ハゲではなく、作者本人をマンガの中に登場させるエッセイテイストのお気持ち漫画もある。しかし、その場合も同じく共感性周知を呼び起こし、良くも悪くもバズるのには変わりはない。

 

 

意図的に共感を呼ぶため、過剰な脚色や表現が施されている

白ハゲ漫画では自分悲劇のヒロインぶる過程で、誇張した表現を描くことが多い。

つまり、自分(=白ハゲ)を悲劇のヒロインとして際立たせるために、意図的に自分が差別や偏見、無理解を受けていたり、我慢や理不尽に強いられているかわいそうな存在であると強く印象づけるシーンが多いのだ。

そうした過剰な演出が上でも触れたように、共感性周知を呼び起こし、良くも悪くもバズる要因なのだ。

多くの人は中学生の頃に、自分が世界の中心ではないと薄々悟ると同時に、親や社会や世間や時代を恨み、自分を呪いたくなるような鬱屈した時期を味わってきたことだと思う。

でも、そうした時期を乗り越えて、等身大で且つ現実の自分を受け入れてなんとか社会人として生活できている人が大半だ。

そうした中二病を克服してきた人からすれば、白ハゲお気持ち漫画のような自己主張と自己憐憫の激しいお気持ち漫画は、まさに中二病でメンタルが不安定だった頃の自分を想起させるコンテンツであり、とうの昔に治まったはずの古傷が(…以下略)

 

自分をマイノリティに仕立て上げて、それとなくマジョリティ人を貶すテイストである

黒歴史を呼び起こすほかにも、白ハゲお気持ち漫画には、

  • 主人公の白ハゲ=マイノリティ(少数派)
  • 主人公以外の白ハゲ・キャラクター=マジョリティ(多数派)

という、対立構造を作った上で、マジョリティにそれとなく配慮や理解を求めるストーリー展開が多い。

しかし、ここで扱うテーマは、ジェンダー、貧困、恋愛、政治、思想信条、社会的弱者、人間関係の悩み、繊細さからくる悩み、自己啓発、人生論、学歴&働き方に関する優劣、影響力のある人への嫉妬…など、悪い意味でバスりやすい内容である。

誤解を恐れずに言えば、乱暴な口論が起こりやすい、可燃性の高いテーマを漫画内で扱うために、バズるというよりは炎上に近い形で拡散されてしまう。

そして、拡散された結果タイムラインが殺伐とした投稿で埋まったり、自分にも何かしらの共感なり、意見を言うことを求められているように思えてストレスになる。

結果「白ハゲお気持ち漫画=ストレス要因になる=嫌いな漫画」となり、嫌われてしまうのだ。

 

過度な思想の偏りや一方的な意見であるため、ツッコミを入れたくなる

白ハゲお気持ち漫画は、漫画である以上誇張表現がしやすい。それも絵と文章を使って、よりわかりやすく、そして見る人の印象に残るような画面を作ることで多くの人に刺さり、良くも悪くもバズりやすいコンテンツであり。

ただし、わかりやすくする過程で過度な思想の偏りが生じたり、一方的な意見になりやすくなる。つまり、センセーショナルな内容になるで見る人の神経を逆なでしたり、モヤっとした気持ちを抱かせるような漫画になってしまうのだ。

なお、これは私個人の意見だが、twitterユーザーは非常に気が短く且つ刺激を求めている人が影響力を持つ傾向がある。

短文投稿SNSである以上、思いついたことをよくも考えずつぶやいてしまう人や、自分が見た投稿に脊髄反射で食らいついてしまう習慣がある人が多いように思う。

そんな、(言い方は悪いが)血の気が多いユーザーに白ハゲお気持ち漫画が見つかってしまうと、すかさずツッコミが入り拡散される。そして、拡散された白ハゲ漫画を見たほかの血の気が多いユーザーが同様にツッコミ&拡散をして…という流れが、繰り返されることで白ハゲ漫画は炎上。

タイムラインは血の気が多い人がギスギスとした投稿と、白ハゲ漫画を描いた作者やそのファンによる弁明や補足解説があふれる…という、茶番じみた展開になる。

そんなアホらしい原因を生み出す白ハゲお気持ち漫画だからこそ、嫌われてしまうのではないかと考えている。