追い込まれないと努力できない人が社会人で苦労する理由

仕事・ビジネス
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私の経験上の話だが「自分は追い込まれた方が頑張れるタイプだ」と言って来た人は、えてして追い込まれる状況になってもそれほど頑張れないし、むしろ余計に焦燥感が募ったせいか、勉学でも仕事でもあまり良い結果を出せないままの人が多かった。

もちろん、追い込まれて頑張れる人はゼロである、と断定するわけではないが、少なくとも「追い込まれた方が頑張れる」という自己認識を持っている人は、社会人になると苦労すると私は考えている。(まぁ、社会人になれたらの話だが…)

その理由について、個人的に解説したいと思う。

 

計画性がないので信用されにくい、大きな仕事を任せられない

まず第一に、追い込まれるような状況を自ら作り出すような性格なり言動をしている時点で、「この人には責任の重い仕事を任せるのは厳しいなぁ」と他人から思われてしまう。

つまり、信用ならない人間だとみなされてしまうので、職場での居場所を確保しづらい。結果、責任の軽い仕事(というか単純作業)ばかりを任せられてしまい、キャリア形成が難しくなるのだ。

もちろん、会社員をやめて独立なりフリーランスなりで食っていく方法もあるにはあるが、その場合は会社の後ろ盾がないため、余計に自分が信用に足る人物であるかをシビアに見られることになる。

なお、フリーランスや独立・起業当初のように規模が小さいところには、そもそも規模が大きい仕事を任せるだけの人材、労力、資金が万全に整っている事は珍しいので、どうしても会社組織と比較すると多くの人や組織を巻き込んだ仕事がしづらいという特徴がある。

初めから自分は追い込まれないと頑張れないと感じている人は、下手に脱サラして一発逆転を狙おうとせず、なるべく今いる職場で自己改善したほうがいいし、改善できたら会社に留まるなり独立するなりするのが無難というのが私の考えである。

 

「今ここで努力しなくてもいい理由」を探す癖がある

追い込まれないと頑張れない人のメンタル面にも、社会人として苦労する思考の癖がある。それは「今ここで努力しなくてもいい理由」を探す癖があることだ。

そもそも、面倒事を先送りにしている時点で「自分は後半追い込み型だから、今頑張らなくてもいいよね」と、努力しなくてもいい理由を探している。

そして、追い込まれる状況になったら一応努力はするものの「こんなに不利な状況なのだから、そこまで頑張ってもいい結果は出ない。だから手を抜いてもいいよね」と、自分で自分を甘やかしてしまうのだ。

更に、案の定中途半端な結果になったら「まぁ、今回は状況が悪かったから仕方ないよね」今ここで自分の先送り癖を改善する努力をせず、また同じようなことを繰り返す。

どんな状況になっても、根本的に今ここで努力しなくてもいい理由を探すことには妙にエネルギッシュである。

こうした姿勢はなるべく学生時代のうちに改善することを私は推奨している。その理由について次は触れていこう。

 

追い込まれて成功した経験は学生時代は通用しても受験、就職では通用しない

自分で自分を不利な状況に追い込んだ結果として成功することは、学生時代の定期テストぐらいであれば割とよくあるものだ。

本格的な受験とは違って、定期テストなら範囲は狭いので一夜漬けでも割とどうにかなる。また、赤点回避ぐらいの限りなく低い目標であれば、前日に基礎をさらっとおさらいするなり、ヤマを張ってテスト直前に頭に叩き込めば、簡単に達成できる。

しかし、大学受験や就職活動のように、普段の積み重ねや入念な準備と対策が強く求められるものだと、定期テストのように短期集中で突破できる可能性は低くなる。

つまり、社会人になることすら叶わず、就職浪人はおろか大学浪人になってしまい、そのまま社会からドロップアウトする可能性が高まるのだ。

 

なお、Fラン大学のように定員割れの大学や、とにかく日本人であればOKのような誰でも働けるような企業に入社するのなら話は別だが、ほとんどの人はより条件のいい大学や企業を目指すだろう。

誰でも簡単に入れるような大学に入れば、ほぼ何も学んでいない高校生みたいな学生と思われて就活時に苦労する。

また、努力しなくても入れるような大学に入学してしまうような無気力な学生に囲まれて過ごす。結果、ますます先送り癖が強まり負の習慣が強固なものになれば、将来苦労するのは目に見えている。

 

追い込まれても大して努力できないタイプの人たちについて

最後に余談だが、この記事では「追い込まれれば一応は努力できる人」を想定して書いているが、自分で自分を追い込んでもなお、一応の努力すら出来ずに逃げ出す人がいることを忘れてはいけない。

世の中には、追い込まれれば追い込まれるほど目の前のすべきことから逃げてしまい、ますます自分を窮地へと追いやるような、どうしようもない癖を持っている人がいるものだ。

 

なお「追い込まれれば一応は努力できる人」の中には時間が経つにつれて「追い込まれても努力できずに逃げる人」に移行してしまう人が少なくない。

自分は追い込まれて頑張れるタイプだと自覚している人は、自分は追い込まれても努力できないどうしようもない人に、いつ進化してもおかしくない状況にいる事を自覚をすべきだろう。