自爆営業は人間関係を利用した巧みな手法 だからタチが悪い

仕事・ビジネス
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昨日のクリスマスイブで一人で食べきれる量でもないのに、ノルマとして売りさばけなかったケーキを渋々自腹を切って買わされた人がいると思う。

自爆営業といえばクリスマスケーキに限らず、恵方巻き、土用の丑の日のうなぎ、旅行やイベントなどのチケット、そして買わない人も多くなった年賀状などでも同じく問題になっている。ものにより形だが、自爆営業は数千円から多ければ数十万円もの出費になることもあるとか。

新卒のひと月の給料以上のお金が、自分で使いもしない物に消えていくのは実に虚しくなる話だ。一体何のために働いているのか…。

 

 

自爆営業に関する法律の話

自爆営業に関する法律で、無理やり従業員に商品を買わせるように命じたり、給料の代わりに現物支給にするのは労働法違反となっている。悪質な場合は刑法の強要罪になる可能性もある。

自腹で買うように強要されたと分かる確たる証拠が取れればもちろんアウト。

しかし、年賀状に関する自爆営業を調べていると、年賀状の自腹購入を目標や期待値など呼ぶなどして誤魔化している。

 

またシャープでは「シャープ製品愛用運動」と銘打って、自社製品の購入の呼びかけを行い、買った金額の2%をキャッシュバックする運動も行われていた。

何事も物は言いようだが、これだけ見れば自爆営業を命じているとは決め難いだけに非常に厄介である…。まぁ、どう見ても自分の給料で自社製品を買っているという事になるのだが、必要なものも買っているのであればそれは命令ではなく、自分の意思と買ったとなるだろう。

 

 

自爆営業は人間関係を利用するからタチが悪い

普段から店長や職場の人にお世話になっていると思うからこそ、(お情けもあるが)自爆営業を受け入れてしまうこともあるだろう。

普段お世話になっているだけに、自爆営業が断り辛い。もしここできっぱりと断ってしまったら、職場の雰囲気が悪くなってしまうし、もしかしたらそれが原因で陰湿ないじめや理不尽な仕打ちを受けてしまうかもしれない。ひょっとしたら、職場にいられなくなるかもしれない。

みんな我慢して自爆営業を受け入れている状態であればなおさら、自分だけ異を唱えるのは難しいであろう。

…そもそもで言えば、法律のことをよく知らない学生バイトなら、自爆営業に関しての知識がない場合も多く、ノルマが達成できなければ自腹で買うのが当たり前。世の中そういうものと自分が搾取されていることに気がつかない可能性もある。

…まぁ、現実は自分の雇用主に自爆営業に対して反論するのは非常に勇気のいることだし、そんな気骨のある人が自爆営業を強いるような組織に長く居続けること自体難しいと思う。

 

 

自爆営業でも仕事があるだけマシという殺伐な世の中…

内心自爆営業は嫌だと思っていても、自分が養っている家族や自分自身の生活がかかっていれば、一旦仕事を辞めて自爆営業の無い仕事に移るよりも、自爆営業を受け入れてしまう。

仕事を辞めて再就職するのにもお金や時間はかかる、その間の生活費はどうするのか?

そもそも、自爆営業を強いる職場を辞めて簡単に次の職場が見つかるのか?

仮に次の職場が見つかったとして、前の職場よりも労働環境がひどかったらどうするのか?

そういった不安やリスクを考えればこそ、自爆営業で数万円の出費をとるか、仕事を辞めて数十万円のお金が入ってこなくなる可能性をとるかという損得で考えれば、新しい職場に移るよりも自爆営業を受け入れる方がまだマシに思えてくる場合もある。

 

鎌倉幕府でないが奉公はするものの、それに見合った御恩は貰えず、なんとしてでも売り上げノルマを達成するために一方的に奉公するような職場であっても、無いよりはマシ。そう思わせられたら経営者としてはしめたものなのだろうか。

どう考えても、ノルマの見積もりがおかしかったり、自爆営業前提のノルマを計算している事が問題なのだが、そんなわかりきった事をご立派に主張したところで、自分の仕事がなくなるのであれば、みんなで一緒に我慢、全員で痛み分けするほうがまだ損失は少ない。

そう思えてしまう世の中が変だとは思うが、実利に加え、空気を読みはっきりと自己主張をしない日本人の国民性を考えれば、声を上げずにみんなで我慢するという方法を選んでしまうのがなんとも皮肉である。