自称経営者系インフルエンサーへの違和感を説明する

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twitterやyoutubeなど、何らかの情報を発信する場所でやたらと「経営者」であることを強調するインフルエンサーを見かけることがある。

私はこの手の経営者を自称するインフルエンサーについては、率直に言って「胡散臭いな」と感じる。もっと具体的にいうのなら「経営者の肩書きをちらつかせて自分を大きく見せたいのだろうか」とか「事業よりも経営者であることが先に出るのは、ちょっとどうなの?」という感想を抱く。

今回は、この手の自称経営者に関する個人的な見解を述べようと思う。

 

経営者を名乗るインフルエンサーの実態

たいていの人は「経営者=会社の社長(代表取締役)」と考えるだろうが、経営者と言っても色々なタイプの人がいるものだ。(なお、ここでいう会社は株式会社を指す)

私が調べた範囲では、

  • 株式会社ではなく、(主に融資の面での)信用力が劣る合同会社の代表。ちなみに、合同会社は株式会社より低コストで設立できるので、インフルエンサーのように信用力の乏しい職種の権威付けとしては合理的な手段である(手放しで賞賛できるものではないが。)
  • そもそも法人ではなく個人で店舗経営している自称経営者。フリーランス、自営業者となんら変わりはないのだが…。
  • ある事業の共同経営者の一人に過ぎなかった。「事業に参加している=経営している」と拡大解釈しているものと思われる。

と、多くの人が抱いているイメージとは違う自称経営者なインフルエンサーが割と多く確認できた

ちなみに、会社経営をしていると主張している自称ウェブ・IT系の経営者が自社の公式ホームページを持っていないケースや、そもそも帝国データバンクで法人登記を調べても公表している会社名含む登記情報が出てこないケースも確認できた。

こうした嘘を交えて自分を大きく見せるために経営者系インフルエンサーを見ていると、嘘や誇張を使わなければいけない商売をしている時点で、経営者としての資質に問題があると思われてならなかった。

 

「経営者だから偉い、優れている」わけではない

かつて私がベンチャー企業に勤務していた時に、仕事の都合上多くの経営者(=会社の社長)と関わることが多々あった。

もちろん、事業の拡大や人材採用&教育に力を入れている立派な経営者もいたが、中には…

  • 見栄っ張りな二代目社長。業績は今ひとつだが、それほど危機意識がなさそうで今いる従業員に呆れられている経営者。
  • 経営者セミナーに入り浸っている経営者。売っている商品が自己啓発&スピリチュアル&似非科学色が強いために、まっとうな神経をしている経営者からは距離を置かれていた。
  • 学生ベンチャーのまま新卒で法人設立した社長。自分自身を経営者だと若気の至りで主張するが、正直言ってなんの仕事をしているのか調べてもまるで分からない。やることと人間関係がコロコロ変わり続けて、不穏なナニかを感じた。ネットワークビジネスにハマりやすい学生がそのまま起業したタイプの経営者。

というような、反面教師にふさわしい偉大な経営者達と出くわすことがあった。

このような経験もあってか、自称経営者系インフルエンサーの活動は「経営者=すごい存在」という社会知識のなさゆえに抱くぼんやりとしたイメージを持つような情弱層に狙いを絞るための、マーケティング戦略なのだろうと私は考えている。

おそらくだが、「経営者 → 社長 → すごい・賢い・偉い → スティーブジョブズや孫正義と同等の持つ存在」というように考えてしまうような人を狙っている。学力や対人能力などの社会人としての基礎的な能力は低いのに、自己啓発書などで生半可な知識だけに身について中途半端に小賢しくなっている意識だけ高い人こそ、自称経営者系インフルエンサーが狙っている客層なのだろう。

現に経営者系インフルエンサーは、経営者が書いたビジネス書や自己啓発書に関する情報発信をすると同時に「自分も経営者である」と、隙あらばしつこく自己紹介をする。

こうすることで、経営者である自分を神格化させ、社会を知らない情報弱者…もとい顧客を、より優良な信者…でなくて優良な顧客に仕上げるという目論見があるのだろう。

 

事業ではなく経営者であることを語る違和感

自称経営者系インフルエンサーは、自分がやっている事業について語ることが極めて少ない。にも関わらず「自分は経営者で~」と頻繁に主張する点に、私は強い違和感を覚えるのだ。

事業について言及しない理由は、私の憶測ではあるが…

  • 事業そのものが社会的に見て良い印象を持たれるものではないケース。(例:悪徳商法、誰かを泣かせて利益を上げる色合いが強いグレーな商売など)
  • 事業そのものの認知度が低い、社会的な信用がない。(例:アフィリエイト、マイナー業種のコンサルタント業など)
  • 事業よりも自分を見て欲しい。経営者という肩書きでブランディングを図り、自分の知名度と信用度アップを狙っている。
  • 想定顧客が事業に対する情報を求めていない。経営者という肩書き(誇張気味だが)のある自分に関する有益な情報を求めているからこそ、経営者の権威をこれでもかというぐらい利用している。

などではないかと見ている。

 

最後に、経営者である以上事業についての説明がないのは、あまりにも不自然だと思う。

もちろん、私のようにひねくれた懐疑的に見れるような人は、自称経営者系インフルエンサーの想定顧客ではないだろう。

ただし、経営者であることを主張して逆に不信感を持たれているようでは、重ねて言うように経営者としての資質に問題があると言わざるを得ない。