「本質」が口癖の人に要注意すべき理由を説明する

人間関係・コミュニケーション
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近頃「本質的には~」「本質を見るべき~」「それは本質ではない」というように「本質」という単語を、リアルでもネットでも見聞きする機会が増えたように感じる。

なお、この記事でいう「本質」とは、物事の根幹や真理というような辞書的な意味から、話の本筋、悩みの根本原因、建前ではなく本音…というように、身近なものまでを含めたものと考えていただければ幸いだ。

私個人的な意見になるが、やたらと「本質」という言葉を使う人には、いろんな意味で要注意すべきだと考えている。その理由について、以下で詳しく触れていこうと思う。

 

 

具体的に「本質」が何であるかを説明できないほどに、国語力、基礎学力に問題がある

本質を多用する人にありがちなのが、具体的にその本質がなんなのか、一体何を本質と言っているのかについて、具体的に言葉や文章にして説明できないということだ。

もちろん、説明できないのであれば下手に喋らなければいいのだが、どうもこの手のタイプの人は黙っておくができない。自分の影響力を誇示したい欲求(≒自己顕示欲)が人よりも強いために、いきなり話題をかっさらって「本質的には~」と切り出しては、その場をかき乱しがちな存在になりがちなのだ。

なお、ここでの発言は他人と和やかに話し合うというような穏やかなものではなく、正論で相手をねじ伏せるような好戦的なものである。

ただ好戦的な割には、

  • 正論でぶつけるほど論理的に物事を組み立てる能力
  • 説明にふさわしい適切な単語や文章を選ぶ能
  • 深く考えたことをある程度周囲に理解できるよう言葉にする能力

などのあらゆる能力が乏しい。率直に言えば、国語力、基礎学力に問題があるためなのか、条件反射のように「本質」という言葉を口にするしか術がない…というのが、本質を多用する人には目立つのだ。

なお、いわゆるビジネス系youtuberやインフルエンサーに心酔して、断定口調で話したがる煽り屋の芸風に染まるような知的水準の人も同様の行動が見られる。

「本質」という単語は一種のパワーワード。頭が悪くても何か賢そうで周囲の人をあっと言わせられる…ようなパワーがあると感じられる魔法のような言葉である。だからこそ、自制心も無く自分の発言を振り返らない人達が、ついつい多用してしまうのだろうと推察している。

 

関わる人に対して不要な誤解を招きがちな話し方が染み付いている

上からの続きになるが「本質」という言葉のパワーに惹かれてか、自分を実物以上に賢く見せるために、やたらと「本質」を多用する人がいる。

つまり、必要以上に盛る癖があり、関わる人に対して不要な誤解を招きがちな話し方が染み付いている。言い方は悪いが、自分自身を優良誤認させる誇大表現であるからこそ、注意すべきだと私は考えているのだ。

もちろん、世の中は広いので誇大表現を誇大表現だと見抜けない人が「あの人は本質がわかっているから、きっと見る目を持っているすごい人に違いない」と感じることもあるだろう。

また、ネット上では派手でキャッチーな表現の方がウケがよく拡散されやすくい。おまけにいいねの数のように、客観的な数字も獲得しやすい傾向もあってか、「本質」のようになんか凄そうな雰囲気を漂わせている強い言葉を投稿する人が多いものだ。

しかし、一方で某匿名掲示板の管理人が言っていた「嘘を嘘と見抜ける人でないとネットを使うのは難しい」という言葉を忘れてはいけない。

 

「本質」を多用する人は、気が付けば話を盛るレベルを通り越して、平気で嘘をついて人を騙したり、煽ったり、心の弱っている人を誑かし唆すような胡散臭い喋り方になっていることがある。

そのような、胡散臭い話し方をする人だからこそ、もしも関わる場面が出てきたときは、細心の注意を払うべきなのだ。

 

やましさを隠すために「本質」という言葉を多用する

解説系のyoutuberや有益(って言い方はチープで好きになれないが)な情報を発信する人に見られるのものだ。

彼らは自分の影響力や説得力・信用の無さ、知識の稚拙さや学問的権威のなさを自覚しているためか、つい「本質」のように断定的に主張する側面がつよく、且つ説得力を伴う強い言葉を使いたがる傾向がある。

つまり、自分が発信している情報に疑いの目を向けられるのを嫌がっているからこそ、強い言葉を盾にしているのだ。

ちなみにだが「科学的に証明された」「有名人が言っていた」「~大学の論文には」というような権威を盾にして話を展開する人も同様である。

この手の人は、情報発信を行う自分というキャラクターの説得力・影響力をとにかく強くしたいという願望が強い。つまり、独善的・自己中心的な部分が人より強く、人間関係を上手に渡り歩く上でのバランス感覚を失いやすいからこそ、要注意すべき人物なのだ。

 

最後に

もちろん、あくまでも傾向の話であり「本質」が口癖の人全てが要注意と断定するものではない。

他の要素(態度、思考力の有無、身振り手振りなど)を含めて、総合的に判断するのに役立つ一つの指標として、利用するのが賢明である。