自称HSPについて調べていると、どうも「攻撃的」というワードが一緒になって出てくる事が多かった。
かつて書いた「HSP、繊細な人が繊細ヤクザ化するメカニズムについて語る」という記事でも触れたことだが、HSPを自称する人は優しいというイメージとは程遠く、まるで不良やチンピラのような厄介な行動が見られる傾向がある。
今回はこのことについて個人的な意見と考察をまとめていく。
自称HSPの攻撃は「自分が被害者であること」を盾にして攻撃をする
まずはじめに、自分で自分を繊細な人(HSP)だと自称する人の攻撃は、いわゆる暴力や暴言のような乱暴な態度に出るという、ある意味わかりやすい攻撃に出ることは少ない。
むしろ、弱々しさや「かわいそうな自分」を出して同情や共感を誘う、不機嫌になる、いじける、拗ねる、取り乱す…と言うようなものである。その行動はまさに、被害者のポジションに居座りつつ他人を困らせる、地味ながらも巻き込まれるとたいへん面倒なものである。
直接的な暴力や暴言のように攻撃する人が明確な加害者であると誰から見ても明らかなもの…ではなく、むしろ被害者を装いつつ相手を支配するかのような陰湿で狡猾な攻撃である。(余談だが、このような被害者のフリをして同情を誘う行動は、漫画「ちびまる子ちゃん」で火事に見舞われた事が有名な永沢君がわかりやすい例である。何かあるたびに「うちが火事になって…」と言い出して同情を誘うことで自分の要求を飲ませる交渉術は、藤木くん同様に卑怯である。)
そのためか、まともな常識・良識のある人からすれば「NO」と強い態度を出して拒絶する事が難しく、なるべく関係が自然消滅するような形で距離を取るなり相手にしないようにするといった方法でしか対処できなくなるのだ。
なお、実際に言って聞かせようとしても被害者意識が強いために「なんで被害者である自分の方が負担を強いられなければいけないの？」と不満を募らせてしまう。つまり自己改善や反省につながらないどころか、ますます陰湿な攻撃を強める要因になってしまう恐れがあるのだ。
精神的な余裕の無さと自己愛の妙な強さが攻撃的を招く土壌になる
自称HSPが地味ながらも他人やその場を支配するような攻撃に出るのは、私の推測になるが精神的な余裕のなさ、そして自己愛の妙な強さが根底にあると見ている。
自称HSPの持つ繊細さは、他人から評価されることに対する過度な恐怖や緊張の現れだと見ている。その証拠に自称HSPの人には「自分が他人から受ける刺激には敏感だが、自分が他人に与える刺激については恐ろしいほどに鈍感」という、君って本当に繊細なのかとツッコミを入れたくなる特徴が見られる。
また、妙な自己愛の強さは人間関係の中で「心が傷つけられた」という簡単に感じてしまう点にも出ていると思う。自称HSPは自分の傷つきやすさを気質だと思っている節があるが、私はどうも気質ではなく妙な自己愛の強さが原因ではないかと見ている。
この手の自己愛の強さは生活する上ではストレスになるのは言うまでもない。他人から評価されることに強い緊張を感じるので、学校や職場と言った社会生活に馴染むのに苦労する、あるいは馴染めずにドロップアウトする原因になりやすい。プライベートでも簡単に心が傷ついたと感じるので、孤独に悩まされやすい。
そして厄介なことに孤独な自分が周囲からどう見られているかについても強く思い悩むので、孤独にならないために人間関係になんとか入り込もうとしてストレスを抱える…そんな精神的な余裕のなさが募ってしまうことが、上で述べたような攻撃行動に走らせてしまうのだと考えている。
自称HSPは自己愛性人格障害の過敏型ではないかという疑念
ただの素人意見であることを最初に付け加えておくが、どうも自称HSPの攻撃行動には自己愛の強さが影響していると思うことがある。
ただ、その自己愛はいわゆる傲慢で露骨なナルシストとして語られがちな自己愛性パーソナリティ障害の無関心型 (無自覚型)ではなく、むし内気で目立つのを嫌がる過敏型 (過剰警戒型)に近いと私は考えている。
なお、無関心型も過敏型もその根底には強い自己愛、そしてその自己愛の傷つきを恐れているのは同じである。なので、自己愛が傷つくような場面になると、大人しかったのにやけに攻撃的な態度になったり繊細が聞いて呆れるような大胆な行動に出てしまう。
これが自称HSPの攻撃的な態度の正体なのではないか…思う。
最後に
最後に全然話は変わるしオチもないが、スポーツのような競争の世界では「攻撃こそ最大の防御」という格言がある。
自称HSPのように地味ながらも嫌な攻撃をしてくる人は、基本的にエンカウントしないように生活するのが賢明ではあるが、もし不幸にも出会ってしまって且つ逃げられない時には、こちらも同様の攻撃に出ることが最善手…なのだろうかと思う。
まぁ同じことをした結果、自称HSPの人に眠っている同族嫌悪の感情に火がつきかねないのでおすすめはできないとは思うが。
