「勉強嫌いでもできる仕事=クリエイティブ職」で安心してはいけない理由を語る

クリエイター関連
この記事は約4分で読めます。

イラストレーターや漫画家、ミュージシャン、動画クリエイター(youtube)のような、いわゆるクリエイターと呼ばれる類の仕事は、えてして勉強嫌いな子供や大人が憧れる仕事の代表格である。

娯楽の延長線上にある仕事だけに「勉強が嫌だから娯楽の世界で生きていこう」という気持ちで選びやすい進路であることは、クリエイティブ職を志していない人であってもなんとなく想像できるだろう。

しかし、私自身が絵に関する仕事をしている身として思うのが、勉強が嫌いだからという理由でクリエイティブ職を選ぶことは、決して安心できる進路選択ではない。

むしろ、クリエイティブ系の仕事は日々勉強が必要である。もっと言えばちゃんと勉強できるようなちゃんとした人になった何かとお得である。今回はこのことについて語ろうと思う。

 

勉強嫌いでもクリエイティブ職になれなくはないが、他人に不要なストレスを与える存在になる

私が実際にクリエイティブ職として関わってきた人の中には、「勉強嫌いが原因なのでは?」と思える問題行動が目立つ人がいた。

その問題行動というのは、例えば

  • ビジネス文書なのにそもそも文面がめちゃくちゃ。(誤字脱字が多い、改行が無駄に多い、助詞(てにをは)の使い方が変、など取引先と文章でやり取りできないぐらいに国語力や文章力が備わってない、見直しをする習慣すらないと思われてしまう部分がある。
  • 算数(≠数学)ができない。もちろん計算機を使えばできるのだが、そもそも算数すら怪しい人に金を介した関係を築くことそのものに不安を覚える。
  • 手書きの文字が恐ろしく汚くて解読不可能。そのくせ妙に意固地で手書きの文字の代わりに文章をタイプして意思疎通するのを嫌がり、手書き文字でやり取りを続けようとする。
  • 技術面に関する知識が古いし、そもそも新しい知識を学ぼうとする気がない。新しい何かを学ぶことそのもの画億

などである。

なおこれを見て「勉強嫌いでも仕事にありつけているみたいだし、別によくね?」と思う人もいるかもしれない。

しかし、この手の人はまともな基礎学力すら有しておらず、一緒に仕事をする上で他人に余計な負担や不安を与える人とみなされるリスクがあるので決して安心してはいけないのだ。

 

学校の勉強をちゃんとするような”まともな人”はクリエイティブ職の人間の中で重宝される

上でも触れたが結構な問題行動を起こす人でもなんとかやっていけるのが、クリエイティブ職の懐の広さかもしれない。

しかし、そのことに甘んじていると、普通に勉強もできるような人が参入してきた時に信用面で負けてしまうことになる。

そう思うのは、私自身が進学校上がりである程度勉強もできる身であること。また、クリエイティブ職ではない社会人経験を数年経て、退社後にクリエイティブ職になって今まで生き延びているという経歴からくるものである。

なお現実的には技術的な自分よりも上の人はたくさんいる。しかし、そういう技術的な面以外で、例えばスケジュール管理ができないだとか、コミュニケーション能力に難があるだとか、そもそも文章力すら怪しい、忘れ物やうっかりミスが多い…という理由で「能力は確かにあるが一緒に仕事をしたい相手ではない」とみなされて苦労している人も見てきている。

そういう人を一応認知しつつも、「能力は及第点でコミュ力や基礎学力、常識的な振る舞いができるなどの安心感があるので一緒に仕事をしたい相手である」と思わせることができるようになることが、クリエイティブ職のような傾奇者が集まるような界隈では重要だと私は思う。

 

自慢と思われても仕方ないとは思うが、実際に働く中で「君はちゃんとコミュニケーションが取れるし、まともな人で助かっているよ」という感じの反応を頂くことが多かった

こういう当たり前と言えば当たり前のことを言われて「一緒に仕事をしたい相手である」と思わせるために大事なのが、(学校の)勉強がちゃんとできることだと私は強く思うのだ。

 

 

「バカと一緒に仕事をしたくない」と思う人は多いからこそ、勉強嫌いは克服する価値がある

最後に誤解を恐れずに言えば、バカと一緒に仕事をしたくないと思う人は多い。

それはまだ比較的傾奇者が集まりやすいクリエイティブ職も同様である。かくいう私もバカと一緒に仕事をしたくないという思いは非常に強いと自覚している。

 

話は変わるがいわゆる一般的な企業では採用試験や面接の段階で基礎学力や人格に問題のある人はお祈りされる。要するに、バカな人がちゃんと弾かれる仕組みが出来上がっている。

しかし、クリエイティブ職の場合はその仕組みがちゃんとあるとは言い難い部分がある。

私が絵に関する仕事をしていることもあると思うが、イラストレーターは名乗った時点でイラストレーターとして活動して問題ない。つまり、他人や集団から「あ、この人はイラストレーター以前に社会人としてやっていける器じゃないな」とジャッジされることすらなく、のうのうと活動できてしまう世界でもある。

そういう闇鍋みたいな世界を知って「勉強嫌いでバカな自分にピッタリな仕事だ」と低みを見て安心するのではなく「技術は並でも、至ってまともで常識的なクリエイターであることが自分の強みだ」という自負心を持ってクリエイティブな職業人になる人が増えて欲しいものである。