ビジネス系・教養系youtuberを鵜呑みにすることの危険性

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youtubeを見ていると、自己啓発や社会人としての成功を目的としている人向けのチャンネル。つまり、ビジネス系youtuber(あるいは教養系youtuber)と呼ばれる人たちの動画が数多くアップされているのを見かけると同時に、その動画がたくさんの視聴回数を稼ぎ、多くのコメントで賑わっている光景をよく見かけるものだ。

 

しかし、その動画をみているとどうも違和感が残る。

なんというか、動画としての体裁は整っているし、確からしい情報であると伝えるどこか芝居じみた「演出」はたいへんよくできている…が、それゆえに動画の演出に飲まれて、何も考えず鵜呑みにしてしまいかねない。

そんな、インテリの仮面をかぶった反知性の色を感じるyoutuberについて、今回は語らせて頂こう。

 

 

どこかマルチ商法やねずみこうの勧誘を彷彿とさせる雰囲気がある

彼らの動画の中には、一見すると事実らしい事を言ってるように見えるけど、実は意見や思想の極端な偏りがあったり、一部にデマやガセを含んでおり、信ぴょう性に思しいと感じることが多々ある。

更には、そういった不確かさをあえて餌にして、いたずらに不安を煽り視聴者を恐怖させると同時に、自分のやっているビジネスへと勧誘しようとする…

そう、かつてのマルチ商法やねずみ講、ネットワークビジネスの勧誘を彷彿とさせる妙な雰囲気を、見ている中で強く感じずにはいられないのだ。

もちろん、不安を煽るような内容ばかりではない。

とくに自己啓発色の強い動画だと、平凡な自分が動画を見聞きするだけで、誰もがうらやむようなエリートの社会人、好きを仕事にしているエネルギッシュなフリーランスやクリエイター、たくさんの人から感謝され認められている経営者になれる…という錯覚をしてしまいそうになる。

歯を食いしばっていないと、動画の内容に引きずられて感情が大きく揺らいでしまい、ついyoutuberが言っている事を、まるで新興宗教にハマった信者みたいに、盲信してしまいそうになる。ビジネス系youtuberのビジネスとは、信者ビジネスの事を指しているのではないか…と思うぐらいに。

 

 

有名人の話であっても「疑いの姿勢」を持つべき

ビジネス系youtuberの中には、もともとテレビに出ていた有名人や、ある学問・研究・職業におけるその道のベテランの人が、直接情報発信しているものも多い。

もとより知名度もあり、おおくのファンや支持者がいるであろうことが、登録者数、コメント数、高評価の数と割合からも見て取れる。

そうした確固たる数字を持っている人だからこそ「これだけ多くの人が支持or賛同をしているのだから、この人は正しく役に立つ情報を発信しているに違いない」と、判断をしてしまいがちになりがちだ。

 

つまり、動画の内容で真偽を判断せず、動画についた数字の多さで真偽を判断しがちになるのだ。これのどこがビジネスや教養で重要な知性的で客観的で判断であろうか?

おかしい内容が含まれていても「有名人だから」という根拠で、その人の動画の内容を全て正しいものとして判断していい理由にはならない。

もし仮に、そんな根拠で内容を鵜呑みにしようものなら、貴方はデマやガセを含んだ情報を肯定し、拡散してしまう側の社会に仇なす人間になってしまってもおかしくない。

そうならないためにも、たとえ有名人であろうと、その道のプロや経験者であろうと、まずは「本当にこの人の言っていることは、全て正しいものとして理解して良いのか?」と疑う姿勢を持つべきだ。無論、この疑う姿勢はこのブログも例外ではない。

 

 

ビジネス系youtuberが「わかりやすい話」をする理由

(これは持論になるが)ビジネス系youtuberが「わかりやすい話」をする理由は、再生数とチャンネル登録者数&リピーターが稼ぎやすいからである。

さらに言えば、自分のビジネスと収益に繋げるために、わかりやすい話で視聴者を集める意図があるといっていい。

 

仮に、ある分野の初心者やビジネスに疎い若者に対して、専門用語が多く出る内容の動画や、ある程度キャリアを詰まないと理解できない本格的な内容の動画を投稿しようものなら、内容の複雑さが災いし(それなりの視聴者は獲得できるかもしれないが)大量の視聴者を獲得することは難しい。

なので、ビジネス系youtuberは

  • 自己啓発に関するネタ。
  • 人間関係に関するアドバイス。
  • 恋愛に関するネタ。
  • 心と体の健康に関するネタ。
  • 簡単にできる(←ここがポイント)仕事術、お金儲け、副業のネタ。

など

多くの人が興味を持ちやすく、且つそれほど知識を持たなくても理解できるような「わかりやすい」内容に偏るのだ。

ただし、ここでいう「わかりやすい」は褒め言葉ではなく、むしろ嫌味である。

  • わかりやすいけれども中味らしい中味がない。
  • どこかで聞いたことがあるような、没個性的な内容。
  • ごく当たり前のことを当たり前に説明しているだけ。
  • どうとでも解釈ができてしまうぐらいに、浅く深みが無い。
  • 超初心者レベルの容易すぎる内容

という意味合いである。

それゆえに、気を抜くと「あぁ、この人の言っていることは疑問を差し挟むことなくスーっと理解できるからこそ、ほかの動画でも正しいことを言っているに違いない」と、視聴者…もとい情報弱者を誘導してしまいかねない。ビジネス系youtuberは役に立っている風なことを口にするからこそ、注意して視聴しなければいけないのだ。

…ということを述べて、今回はお開きにさせていただく。