「趣味を上達させなきゃ」と考えたら趣味がつまらなくなった

クリエイター関連
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私自身がオタク系の趣味をしていて創作活動をしているのもあってか、タイトルにあるように「趣味は上達させるべき」という考えを持っている人に出会うことは少なくない。そういう意識を持つこと自体は否定はしないのだが、その意識のせいで避けられたはずのトラブルを起こしてしまった場面に何度か遭遇したことがあるので、今回はそれに関して述べていきたい。

 

ガチ勢とエンジョイ勢は相容れない

フェイクを交えて話すが、私は大学時代にサークルでオタ趣味の創作活動をしており、そこではいわゆるガチ勢(ガチで上達したいグループ)に分類されていた。一方、ガチ勢だけでなくゆるくまったり楽しみたいというエンジョイ勢も同じく存在しており、その数は後者のほうが過半数を占めていた。しかし、どちらもお互いの活動には干渉せず、それなりにサークルとしてはまとまっている方であった。

そんなサークルで急に下手ながらも趣味の上達に力を入れており、且つそれなりにサークル内でも権力のあったガチ勢の一人が、イベントへの出展を目指して勉強会なるものを企画して実行しはじめた。

最初のうちはエンジョイ勢も協力的であったが、次第に勉強会に参加しなくなりサークル内の雲行きが怪しくなった。そこでやめておけばよかったのだが、勉強会を企画したガチ勢のひとりがエンジョイ勢に対してやんわりと彼らの活動を否定した後に、協力してくれと願い出たのが不味かった。

それに対してエンジョイ勢は当然反発。もともとエンジョイ勢とガチ勢が互いがいたもののお互いに距離感をとっていた頃の方がいいという意見が多数上がり、勉強会はその場で中止されてしまった。その後一時的ではあるがサークル内に派閥が形成され冷戦状態となるが、夏休みを挟み派閥は自然消滅した。

ちなみに、勉強会を企画した人はまもなくして就職活動のためにサークルを去り、ちょうどサークル長が入れ替わる時期にさしかかったたのもあって、今度はエンジョイ勢がサークルの実質的な主導権を握ることになってしまい、私が卒業するまでは大学生らしくほんわかとしたサークルのままだった。

 

ガチ勢はエンジョイ勢に強く当たらないことも重要

上の文でエンジョイ勢に対して勉強会への協力をお願いした時に「創作活動がつまらなくなった。面白くなくなった」という声が上がっていたのを覚えている。彼らは元々何か作品を作りたい、どこかのイベントに出したいという明確な目標は無く、その日の気分で活動しなかったりとか、自由気ままでマイペースに作品を作っているような人たちだった。もちろん、「趣味は上達させるべき」という思想は無く、気ままに描いていたしそれなりに技術もあった。また、エンジョイ勢には初心者もいたが、とくに上達に関しては執着心がなく、とにかく好きなものを描いたり、書いたりしていた。

そういった人を見てガチ勢の人でよくあるのが、「そんなマイペースなやり方では勿体無い。もっと上達するようにこうすればいい」という具合のアドバイス…というか余計なお世話である。そして、エンジョイ勢が自分たちのやり方に反発すると「根性がない」「せっかくアドバイスしているのに…」という反応を示すし、エンジョイ勢にいる初心者たちの心を折れさせる原因にもなりうる。

志を高く持つこと自体は否定しないが、その志の高さのせいで趣味を嫌いになる人が出たり、その趣味自体がオワコンになってしまう可能性は否めない。

 

「趣味を上達させなきゃ」だと趣味が義務になる

また、私も初心者のころにガチ勢の人に感化されて「趣味を上達させなきゃ」と思い創作活動に打ち込んだが、次第に今まで楽しいという感覚よりも、労働に近い義務感が出てきてしまい、趣味が楽しめなくなってしまった。

趣味を純粋に楽しんでいた頃の方が、ペンは進むし(限りなく妄想に近い)アイデアも湧いてきて自然と技術が身につき上達していたのだが、趣味を義務として行うようになると、ただ数をこなす事ばかりに集中力を割かれてしまい、クオリティは下がる、ケアレスミスは増える、集中できる時間も回を重ねるごとに短くなる、結果として趣味そのものが嫌になりかけることがあった。

これが筋トレやランニングというような、いわゆる体育会系な趣味であったら話は変わるかもしれないが、それでも今まで楽しんでいたことが義務感になれば、やはりやる気を失い取り組むのが億劫になると思う。

 

 

…そう言えば、以前見た2chまとめサイトで、子供がゲームにのめり込んで困っているという状況を何とかするために、ゲームを禁止するという手段に出ず、あえてゲームをやりたい放題にする代わりに毎日ゲームに対してノルマを設定し、それを報告するようにするさせたという記事があった。その成果はというと、子供は見事にゲームをやめた、というかゲームをするのがしんどくなって自然とゲームから離れていったというものであった。