口だけは上手い人の特徴を説明する

人間関係・コミュニケーション
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普段仕事をする中で気をつけているのが、妙に話が上手い人、トーク力がある人、それも理由はわからないけど説得力のある話し方をしたがる人の話(とくに、営業など金銭が関わる話)に対しては、即断即決をしないようにしていることだ。

確かに話すのは上手い…しかし、どこか口だけの人のように思えてきて胡散臭いと感じるために、たとえ美味しい話であったとしても、一旦冷静になって考え直すようにしている。

とくに、youtubeの台頭により、この手の口だけは上手い人が増えたように感じる。それもエンタメ系よりもビジネス系の動画。更に言えば、自己啓発や副業などの動画をする人の中には、口だけが妙に達者な人に通じる特徴が数多く見られる。

では、そんな口だけが上手い人の特徴について、説明していこう。

 

口だけは上手い人の特徴

聞く方が落ち着ける雰囲気作りが妙に上手い

口だけが上手い人は、話しをする前からの雰囲気作りからすでに違いがはっきりしている。

特徴的なのは、聞く方がリラックスできるように、笑顔でにこやかに登場してきたり、挨拶を欠かせない、場合によっては握手を求めてくるなど、とにかくリラックスできるようにという心配りに余年が無いことだ。

加えて、初対面なのに「○○さんですよね!今日はどうもありがとうございました~」と、ご丁寧に話す相手の名前と顔を事前にインプットしてきて、非常にフレンドリーに接してくることもある。

もちろん、こうした準備は普通に公私関係なく、身につけておいて損はない人心掌握術である。

しかし、この人心掌握術こそ「この人は素晴らしい対応をしてくれた人だから、きっといい話し合いになるに違いない」と、聞く方の心理をコントロールしてしまう危険性があるのだ。

本当は大した話でなかったとしても、第一印象がよかったことが影響して「今日話をした人はいい人だった」と甘い評価をしてしまう。つまり第一印象に引っ張られて、誤った判断を下してしまいがちになるのだ。

 

「私もそうだったんですよ」とすぐに共感を示してくる

口だけが上手い人に多いのは

  • 「昔の自分もあなたと同じ経験をしたことがありますよ…その気持ち、わかります」
  • 「いや~、今の自分も同じような気持ちなんですよね~」

と、共感を示す言葉を多用してくる傾向がある。とくに、人前では言いにくい恥ずかしい過去が出た場面や失敗談など、汚点とも言える話をした時にすかさず共感を示す傾向がある。

実際に共感を示された事で、「この人は私と同じ経験をしたことがあるんだ」と心を開きそうになるものだ。それが、恥ずかし過去であればなおさらだ。同じ境遇を経験してきた者同士として、親近感を覚えるものであろう。

しかし、それこそが危ない。簡単に共感を示すような時点で、相手の懐に入り込もうとする意図がある。簡単に共感の言葉を口にするのは、とにかく相手と素早く打ち解けたい気持ちがあるから…つまり、急いで打ち解けないといけない特別な事情(ノルマに追われているなど)からくる焦りから、簡単に共感を示している可能性があるのだ。

そもそもで言えば、初対面でそんなに打ち解けていない人に対して「わかりますよ~あなたの気持ち」と言われたところで「会って間もないのに、あなたは私の全てを知っているかのような口ぶりをしますね」と正直思ってしまうものだろう。

一般的に共感するといえば、人間関係においてポジティブに捉えられがちだが、一方で相手のことをよく知りもしないで共感しようものなら、相手を知った気になっていい気になっている、たいへん失礼な言動だと思われても無理はないだろう。

 

会話ではなく演説が上手い人

確かに会話をしているはずなのに、あんまり自分は話していない。むしろ、相手が話してばかりでその熱量に圧倒されている…というタイプの口だけの上手い人も、同様に要注意すべきである。

これは、会話という双方向のコミュニケーションではなく、演説や講演会といった一方通行のコミュニケーションが上手い人である。そして、話がうまいのではなく、相手を言いくるめるのがうまい人である。

聞く方に対しては、話す隙はおろか考えさせたり質問させる隙すら与えない。仮に質問をしても「待ってました」「いい質問ですね」と言わんばかりの態度をとって、話の主導権を渡そうとしない。そして、気が付けば口がうまい人の口車に乗せられてしまうことが多い。

だからこそ、一旦冷静になって考える時間を撮るのが重要になる。

なお、このタイプの人は、最近youtubeやSNSの浸透によりネット上で見かけることが目立つようになった。ネットの性質上、リアルタイムの双方向のコミュニケーションはまずできない。必然的に、話す人と聞く人の立場は固定されてしまう。

だからこそ、聞く人の立場であると自覚している場合は、今画面を通して見ている人が他人を言いくるめるのがうまい人ではないか…について、今一度考えてみるのが大事である。

 

「本質」「本能」「法則」「真理」など、反論の余地を与えさせない言葉で説明したがる

最後に、口だけの人がよく使う言葉についても触れておく。

彼らは「本質」「本能」「法則」「真理」などの相手に反論や疑問を出しにくくさせるような、パワーワードを多用する傾向がある。

これらの言葉は一見するとそれっぽい正解を言っているように思えるが、実は相手に深く考えさせないような言葉。つまり、口だけの人の話を信じ込むように仕向けるための、ダメ押しの言葉である。

そんなダメ押しの言葉を使って強引に納得させようとする人の話を、鵜呑みにするのは避けなくてはいけない。何か不都合なことに目を向けさせないために、強い言葉を使って気を逸らそうとしている…そういう疚しい意図が伺えてくるからこそ、聞く方は冷静にならなければいけないのだ。