在宅ワークは人間関係や通勤の煩わしさかた解放される…そんな、ストレスの少ない理想的な働き方だと思われがちだが、在宅ワーク歴6年程度の私からすれば、決してストレスフリーな働き方ではないと思う。
今回はそんな在宅ワークで抱えやすいストレス、悩みについて個人的な経験談や見解を語ろうと思う。
在宅ワークで抱えやすいストレス、悩み
ワークライフバランスの崩壊、仕事とプライベートの境目がなくなる
在宅ワークでは仕事の空間もプライベートの空間もどちらも自宅になってしまう。そのため、ワークライフバランスの境目が消滅してしまう事がある。
もちろん、自宅に複数の部屋があれば、仕事用の部屋とプライベート用の部屋とを作ることで、物理的な意味での境目を作ることはできる。
しかし、
- 「寝ても覚めて仕事のことが頭から離れない」
- 「朝目が覚めたら、仕事をしなければいけないという気分でナーバスになる」
という、精神面での仕事とプライベートの境目がなくなってしまい、気分転換がうまくできなくなる症状が出てしまうのだ。
もちろん、ノマドワークのようにカフェやファミレスなど自宅外で仕事をする方法であれば、この問題に悩まされることは抑えられる。しかし、どうしても自宅にある機材でしか仕事ができない職種であったり、情報漏えい対策や機密保持が求められる仕事ではノマドワークは不可能である。
なお、私自身は趣味としていたことが気が付けば仕事になった身ではあるので、そこまでワークラフバランスが崩れることに抵抗はなかった。しかし、実際に崩れてみるとこれはこれは結構厳しいものがあった。
いくら飽きないことを仕事にしているとはいえ、
- 気分転換ができない
- 体の疲労が抜けない
- 仕事のことばかりで日々の家事や雑務(とくに食事と掃除)が雑になる
などの精神衛生面、生活面での問題がどうしても出てくることがあった。ましてや独身なので、しえ活リズムの乱れを直してくれる人はいないため、一度乱れると悪化しやすかった。
睡眠と生活リズムが乱れて自堕落な生活になる
上からの続きであるが、精神面と生活面の乱れはまず睡眠の不調として自覚しやすい。
例えば、
- 神経質になって寝付きが悪くなる。
- 朝起きるのが次第に難しくなる&二度寝の増加。
- 夜型生活になるなど、生活リズムが崩れてしまう。
という自覚しやすい症状が出てくる。もちろん、これを放置していたら仕事に支障が出るだけでなく、自堕落な生活が定着してしまう。結果、在宅ワークから普通の出勤で働く事が難しくなるという問題が生じるリスクもあるのだ。
また、ライフワークバランスが崩れている事もあってか「この仕事は長引きそうだから、徹夜してでも仕上げればいいか」と、夜更かし込みでだらだらと仕事を進める癖がついてしまうこともある。
自宅という自分の働き方を見張る人がいない環境だからこそ起きる、あまり行儀の良くない働き方が身に付いてしまう事は、キャリアの面でも健康の面でも非常によろしくないのは言うまでもない。
仕事のコミュニケーションに対して恐怖心を感じやすくなる
以前書いた「在宅ワークで発生する「コミュニケーションが怖い」問題について語る」でも触れたが、メールやチャットなどの言葉のみのやりとりでは、業務上の言葉に対してどこか冷たさや厳しさ、キツさを感じやすいのが特徴的である。
そのため、報告・連絡・相談といった基本的なコミュニケーションですらも苦手意識に圧され、やりたがらなくなってしまうことが多い。
下手をすれば、苦手意識が強まりすぎてコミュニケーションを先送りに癖がついてしまう。そのせいで仕事の能率を下げてしまうこともある。とくに、チームで動くいている仕事であれば、連絡の遅れは仕事の質に直結しやすい。
運動不足による疲労の蓄積、腰痛・肩こりに悩まされる
歩く、階段を昇降する…という出勤の中で当たり前にやっている運動すらしないため、在宅ワークは運動不足に悩まされやすい。
わかりやすいところで言えば、脚のむくみ(とくに夕方以降)、消費カロリー減による肥満に悩まされる。また、デスクワークメインの在宅ワーカーなら腰痛、肩こりに悩まされることが多い。
もちろん、寝具を変えたり、腰や肩に負担の少ない椅子を利用するなどして乗り切る方法もあるが、運動不足そのものが根本から改善されたわけではない。出来る範囲で散歩をしたり、肩や腰周りのストレッチ、軽い体操をして普段から筋肉を動かし運動習慣を身につけておくことが欠かせない。
孤独感、疎外感に悩まされる
(孤独を好む人なら話は別だが)在宅ワークは基本的に他人と会うことがあまりないため、孤独感や疎外感を感じやすい働き方である。
私自身アラサーで働き盛りに分類される身ではあるが、ずっと自宅にこもって仕事をしていると、どこか自分が社会から取り残されている感が強くて、時折「こんな働き方をしている自分はどこかおかしいのではないか」という気分になることが多い。
もちろん、職場に出勤して働くことは多くの人が当たり前にやっている事ではあるが、そればかりがあるべき働き方ではないのは承知している。
しかし、世間で当たり前とされてる働き方ができていないことで感じる疎外感は、想像以上に心身に来るものがあると言うことは申し上げておきたい。
仕事ができない人がはっきり分かってしまい居心地の悪さを感じてしまう
誤解を恐れずに言えば、在宅ワークは人柄の良さやトークの上手さなどの小手先のテクニックで仕事が出来る人間っぽく見せるのが上手い人の実力の無さを露呈しやすい働き方であると私は考えている。つまり、仕事ができない人がはっきりと見える化してしまう働き方なのだ。
もちろん、自分は実務能力が高いとか、在宅でも十分成果を出せるだけのスキルがあるという自負している人なら問題ない。しかし、仕事ができない人の場合はごまかしが効かない分、非常に居心地のわるさを感じてしまう働き方になる。
また、チームで在宅の仕事をしている場合だと周囲の足を引っ張る人が明らかになる&その人の表情が見えないため、批判や不満が集中しやすいのも難点だ。
顔が見えないからこそ、ギスギスしてつ辛辣な言葉を相手にぶつけてしまいがちになるのが、在宅ワークならではの人間関係の悩みである。