私は在宅勤務(テレワークorリモートワーク)の導入が推奨されるようになる前から、ずっと在宅勤務をしているが、正直に申し上げると最初のうちは多少孤独を感じていたが、今はそれほど孤独を感じていない。
もちろん、不便さや寂しさを全く感じないとは言えば嘘になるが、それほど孤独が苦にならないしむしろ快適である…というのが、現在在宅中心の働き方に対する率直な感想である。
今回は、そんな私が在宅ワークの孤独感が苦にならないと感じる理由などについて、個人的な見解を述べていこうと思う。
前職の在宅ワークと独立後の在宅ワークとでは孤独感に差がある
まず私の場合は前職の在職中に在宅勤務を本格導入した。そして、退職してフリーランスとなった今も、在宅仕事一本で生活をしている…という具合である。
そんな働き方をしている中で感じるのは、一応でも組織に属して働く在宅で働くときの孤独感と、組織に属せずフリーで働くときの孤独感には、一種の差というか違いがあるということだ。
在職中の孤独感は今まで一緒に働いていた人と物理的に距離が出てしまうことや、仕事の進行が把握しづらいこと、コミュニケーションの頻度が下がることで感じる人恋しさであった。
ただし、それも次第に在宅勤務の働き方に慣れたり、少ないコミュニケーションでもしっかり連絡が取れるようになれば、人恋しさを感じにくくなった。
良くも悪くも、在宅で働くのが日常生活の一部になったからこそ「同じ職場の人に会えなくて孤独で仕方がない!」という考えが出てこなくなったのだろうと私は分析している。
一方独立してフリーランスになってからは、今後の生活に対する不安(主に収入・仕事の面)からくる「この先自分は仕事にあぶれてしまい、誰にも助けられないままひっそりと生きていくのだろうか」…という類の孤独感であった。
しかし、フリーとしてちゃんと生計が立てられるようになったり、あまり仕事に困らなくなってからは孤独感やそれから派生する不安を感じることは少なくなった。
むしろ「組織という後ろ盾がないからこそ、孤独や不安のせいでうじうじしている余裕などない!」という程よい緊張感のおかげで、孤独に悩まされている時間がなくなったといったほうがいいかもしれない。
プライベートを結構犠牲にしてしまうので孤独を感じていない
また、今の私は独身で恋人もいない、アラサーという年齢の都合上友達とも疎遠になったという、傍から見れば寂しい孤独なアラサー男性そのものであろう。
しかし、私自身は他人から見ればいわゆる寂しい男性の部類に入ることは承知しているが、どこか世間とずれているのかそこまで寂しさや孤独を感じることはない。
あまりプライベートを大事にすることもないし、恋人やパートナーが欲しいとか家庭や友達との時間を大切にしたいとう感覚もほぼない。
むしろ、そういった関係を持てばおそらく「労働力」として見てしまい、他人の人生を自分の仕事のために犠牲にさせてしまうであろう恐怖すら感じている。
私は仕事のためなら、短時間で作れる&食べられるという理由で晩ご飯をコーンフレークのみで済ませてしまうこともあるぐらいに、どこか世間とずれている人間である。
場合によっては食べないこともあるが、その場合は仕事の能率が下がるので少なくとも何か栄養のあるものを摂取している。
プライベートの楽しみという楽しみがあまり無いし、むしろ楽しむことに罪悪感を覚えるような性分である。そういったズレのある人間だからこそ、最初のうちは孤独を感じてはいたが、今ではあまり孤独を感じることはない。
重ねていうが「孤独や不安を感じている時間があれば働いて少しでも技術を磨くほうがよい」という考えをも持っている。もちろん、この思想をサラリーマンや経営者で持っていれば、職場をブラック化させてしまう恐れがあるので、たいへんよろしくない。
しかし、私の場合はフリーランスであり、かつプライベートな人間関係が自然消滅してしまったからこそ、この思想を持っても問題無いのだと思うし、プライベートでこの思想で他人を振り回すようなことが無いのだと思う。(まぁ、着実に自分の人生を削っているという自覚はあるが)
最初から一人の作業環境ならそもそも孤独を感じない
話は変わるが、孤独を感じる場面として多いのが「周囲にたくさん人がいるのに、自分はその中で浮いてしまっている」というものだろう。
学校のクラスで自分の周囲が当たり前のように談笑しているのに、自分だけはその輪に入れず一人ぼっちであるとか、SNSのタイムライン上で仲良くコメントが繰り広げられているのに、自分はその様子を外からぼんやりと眺めている…という状況だと、人間は強い孤独を感じるものだと思う。
しかし、在宅勤務の場合はまず周囲に人がいるという状況ではない。チャット画面を開いたり、画面越しにリアルタイムで会議をすることでもあれば話は別だが、基本的に最初から自分一人の作業環境で仕事をすることになるので「周囲に人がいるのに自分だけ浮いている」ときに感じる孤独を味あわずに済む。
私の普段の作業環境は自分の自宅(ワンルームの賃貸マンション)であり、他人がいる中で自分一人だけ…という感覚から来る孤独を味わうことはまずない。
そのため、この手の孤独とは無縁の快適な生活を送れている。むしろ学生時代や職場に出勤していた時よりも、遥かに快適な在宅勤務生活を送れているのではないかと推察している。
ただし、孤独に慣れてしまうことの弊害は熟知している
いくら孤独を苦に思わないからといって、孤独な生活になれてしまうことの弊害については、一応理解はしている。
人と関わることが少なくなれば、世間の移り変わりに疎くなってしまい、話せる話題が少なくなってしまう。話題が少なくなれば仕事で話す何気ない世間話で相手に苦労させてしまう恐れがある。
また、クリエイティブ職であるために、あまりに人と接しない生活を続けると自分の制作物が世間とズレてしまうリスクもあるので、あまり孤独の中に閉じこもろうとしないようにはしているのが実情である。
自分自身の世間とのズレは理解し、そのズレをどこまで許容していくか、あるいは正すべき場面で正していくかについては常日頃から重要だと感じている。