精神的に不安定な人を指す「メンヘラ」といっても、その特徴や言動は様々である。
その中でも、周囲の人に迷惑をかけることは少ない反面、自分一人で抱え込んでしまう癖があるタイプのメンヘラは自己完結型メンヘラと呼ばれている。
今回は、そんな自己完結型メンヘラについて語っていこう。
自己完結型メンヘラの特徴
他人に迷惑を与えず孤独を好む傾向がある
「自己完結型」と説明しているように、このタイプのメンヘラは精神的な不安定さのせいで周囲の人にかまってちゃんアピールをするとか、過度に依存して振り回そうとする迷惑な行動に出るような真似はしない。
どちらかといえば、一人でいることを好んだり、なるべく人と関わらないようにする傾向がある。交友関係も決して広くはない。ネットでもリアルでもごく限られた友人、知人、恋人とのみ付き合う傾向があり、人間関係は限定的である。
ただし、人間関係が少ないからといって気楽に暮らしているというわけではなく、その少ない関係の中でも他人に余計な気遣いや気苦労をしてしまう。精神的に疲れやすく不安定な部分は、他のメンヘラの人たちと同じである。
周囲に対してメンヘラアピールをしない
ファッションメンヘラな人に多い、「自分は病みやすい人ですよ」「病んでるから優しくして欲しい」というメンヘラアピールをしないのも、自己完結型メンヘラの特徴である。
周囲に対しては、ごく普通な人でいるよう努力している。他人を振り回して迷惑をかけることもなく、気を引こうとして奇行に走ることもなく、至って常識的で真面目な人物であると見られやすい。
しかし、その真面目さゆえにどこか近寄りがたさや、「見えない壁」を意図的に作ってしまうことも目立つ。
悩みを他人に打ち明けず自分で解決しようとする
何か悩むことがあったとしても、それを誰かに打ちあけようとせず、自分一人で解決しようとする傾向がある。
誰かの手を借りる事に対して「他人の迷惑になる」「相手に変に気を遣わせたくない」と、相手のことばかりを優先してしまう。その結果、「自分の悩みなのだから自分一人でなんとかしよう」と考えてしまう。
もちろん、自分一人でうまく解決できることもあるが、自分一人ではどうにもできない事態に発展してしまったときに、他人を頼れないことで精神的に追い詰められてしまいやすい。
とくに、何度か自分一人で自分の悩みを解決できた成功体験のある人の場合、その体験が仇となり問題自分の手に負えない状態になるまで、抱え込んでしまう傾向が見られる。
なお、こうした姿勢は一見すると真面目で努力家と映るが、見る人から見れば「あの人は他人を信用していないから、自分一人でなんでもやろうとする人だ」と、人間不信に陥っている人と見られてしまうことも多い。
自責感情が強い
数あるメンヘラの中でも、自分の身に起きた問題を他人や環境、運などのせいにせず「自分に原因がある」と自責でものごとを考えてしまう癖がある。
この自責思考こそ、自己完結型メンヘラが周囲に直接的な迷惑をかけない、実害が少ないメンヘラと言われる理由である。
ただし、自分に責任がないことまで抱え込んでしまう傾向があるため、気苦労の多さは他のメンヘラと同じである。そのうえ、他人を頼れないことも影響して、精神的に自分で自分を追い込みやすい思考パターンが身についているとも言える。
自己完結型メンヘラの問題点など
上でも触れたが、自己完結型メンヘラは他人に迷惑を振りまかない一方で、自分で自分を精神的に追い込みやすい思考の持ち主である。
また、自然と自分で自分を追い込む様子は、関わる人からすれば、
- 「何もしていないのに急に精神的に病んでしまった」
- 「いきなり落ち込んでしまって、何を考えているのかわからない」
- 「何か気に障るようなことを言ってしまたのではないか」
という類の、不安や驚き、罪悪感を抱かせてしまいやすい。
一応「自己完結型」とはあるが、実情は自己完結で済んでいない。相手を怒らせたり、不愉快にさせたりすることこそないが、無用な心配や不安をいだかせることで地味ではあるが他人との衝突を招いてしまう事が、自己完結型メンヘラの問題点である。
もしも、結果として他人に余計な心配をかけてしまうことになった場合は「あの時はお騒がせしてすみませんでした。」と、侘びをいれておくことが肝心である。
また、自分で自分の事をメンヘラだと感じておらず、ただ落ち込みやすい人、抱え込みやすい人であると認識していることも目立つ。
自分で自分のことをメンヘラだと気づいておらず、そしてかまってちゃん気質なメンヘラと比較すると良好な人間関係を築きやすいので、社会生活に溶け込みやすいメンヘラとも言える。
…というか、無理にメンヘラと名乗らず、ただ考えすぎてしまう人として自分を理解してもよいのではないかと、個人的には思う。
恋愛対象として見る自己完結型メンヘラ
恋愛対象として自己完結型メンヘラを見た場合、直接的に振り回すことはないが、何を考えているかわからない、あまり自分の事(とくに本音の部分)を話そうとしない。
あくまでも自己完結を重要視しているため、たとえ親密な間柄であっても、相手に対して変に気遣いしてしまい、なかなか距離が縮まらない傾向がある。
もちろん、無理に距離を縮めようとした結果、お互いになんとなく距離感に不慣れさを感じる可能性もあるので、慎重に関係を構築していくことが大事である。
…と、いうことを述べて、ここでお開きにさせて頂く。