ビジネスターゲットとしてのメンヘラ層についての考察・見解

メンヘラ
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率直に述べるが、私は今いわゆる精神的に不安定な人を相手にした商売は、今後を成長する市場と見ている。なお、ここでは医療や治療といったものではなく、いわゆるメンヘラな人が好みそうな娯楽、書籍や動画などの各種商品、コンテンツ、サービスの市場を指している。

ここ数年の自己肯定感やHSPに関する(胡散臭さが拭えない)書籍やサービスが続々と出ていることや、先行きの見えない世の中で気分が滅入って何か救いとなるものを求めている人が今後も増える可能性は皮肉にも高い。従って、将来的にもビジネスターゲットとしてメンヘラ層に焦点を当てた商売を始める人は増加すると見ている。

今回は、そんなビジネスターゲットとしてのメンヘラ層についての個人的な見解と考察を述べるとしよう。

 

客層としてのメンヘラ層の利点

可処分時間が豊富で、多くの時間を商品・サービスに費やす

まず客層としてメンヘラ層の強みは、可処分時間の多さにある。

普段から自分のメンタルをストレスから守るために、極力人付き合いを避けてプライベートの時間を確保したがる傾向がある。また、既に不調で働けない状態にあるため、労働分の時間を持て余している人が多いのも特徴的だ。

そのため、メンヘラ層にはSNSやyoutube、ゲームのように多くの時間や労力を費やせる商売に結びつけるのが効果的だと見ている。

とくに、視聴回数やPV数の増加が広告収入に直結するようなビジネスとの相性が良いのは明白だ。金はなくとも時間はあるので、暇さえあれば何度もPV数&視聴回数を稼げる点が客層としてのメンヘラ層の最たる特徴である。

 

ネット上で自分語りが激しいので無料で広告・宣伝効果が期待できる

率直に言えばメンヘラ層は自分語りが激しい。これは、普段の生活で豊かな人間関係が構築できておらず、人恋しさを求めているために起きる行動だと思われる。

そして、自分語りの激しさをうまく利用すれば、メンヘラ層は無料で宣伝・広告をしてくれる優良顧客に変えることができるのだ。

たとえば、メンヘラ層が響きそうな漫画・動画・音楽などの娯楽コンテンツの場合、メンヘラ層は自分が以下にその娯楽に夢中であるかを延々と語る傾向がある。

ブログやSNS、場合によってはyoutubeへの動画投稿やリアルの人間関係へのクチコミなどにより、自分が今はまっているメンヘラ向けのコンテンツを自分語りのついでに語るので、ある程度の広告費の節約が見込める。なお、性質上同じメンヘラコミュニティへの宣伝力が強い。

 

収入面に問題がない場合に限り、濃いファンになる可能性が高い

後述するがメンヘラ層は収入面や生活基盤が脆弱であることが多い。しかし、中にはある程度の貯蓄があり消費意欲が高いメンヘラ層の場合は、時間だけでなく大量に金銭も費やす。つまり、濃いファンになることが見込める。

ただし、この場合はカウンセリングや占い、自己啓発セミナーのような高額な商品やサービスであることが重要になる。

 

客層としてのメンヘラ層の問題点

客とやり取りをする場面ではトラブルが起きやすい

メンヘラ層の最大の問題点は、コミュニケーションが円滑に進まずトラブルに発展する可能性の高さである。

精神が不安定であるため、常識的な反応が返ってくるとは限らない。そもそも会話が成立しない。文章が読めず思い込みと妄想でコミュニケーションを取る。音信不通&急な顧客対応の要求など、商品・サービスを提供する側のメンタルを容赦なく削ってくることは容易に想像できよう。

また、接客時の対応を間違えれば粘着質なクレーマーになり、ネガティブキャンペーンなどの問題行動を起こしやすい。そのため、なるべく顧客対応をしなくてもよいビジネスモデルを構築することが無難である。(もちろん、最初からメンヘラ層を相手にしない商売を選んでも良いが…)

 

収入面が不安定であり薄利多売になりがち

メンヘラ層は精神の不調故に、仕事が続きにくいorそもそも働けない状態にある人が多い。そのため、顧客単価は低く薄利多売になることが予想できる。

また、そもそも生活するだけで手一杯になるため、最初は無料でも使えるサービスから集客する。ある程度集客ができれば、次第にオンラインサロンなどの少額でも可能な有料コンテンツに移行する…という形を取るため、すぐ金に結びつきにくいビジネスモデルにならざるを得ない側面がある。

 

生活基盤が脆弱であるので長期の顧客になりづらい

メンヘラ層は精神面と経済面の不安定さ故に生活基盤が脆弱になりやすい。そのため、一時的なリピーターになっても長期に渡って定着する可能性が低い。

 

メンヘラが改善してしまえば客層から外れる

また、(本人にとってはとても良いことだが)時間が経つことでメンヘラが改善され、メンヘラ向けの商売から自然と遠ざかる人も多い。

嫌な言い方になるが、商売としては客がいつまでもメンヘラのままでい続けるよう仕向ける売り方(例:共依存など)であれば、長期の利益の確保はそれなりに可能になるだろう。しかし、その場合は商売としてのモラル、品格を問われる危険性がある。(例:情弱ビジネス、信者ビジネスなど)

そのほかにも、常に新規顧客の開拓をするためにメンヘラ向けのコンテンツを発信する姿を見て「胡散臭い」というイメージが、商品やサービス、そして企業・事業・代表者に付く問題も出てくるだろう。

 

まとめ

重度のメンヘラであれば、この手の娯楽色の強い商売は難しい。しかし「ちょっと気分が沈んだなぁ」程度の、軽度のメンヘラ層であれば、想定できる客数も多くなり商売はしやすくなるだろう。

また、露骨にメンヘラらしい重々しい雰囲気ではなく、最近話題のHSP、自己肯定感のような、人生への希望を感じさせるものや、自分の成長や自己改善が期待できそうなものであれば、商売をする側へのイメージの悪化はある程度は防げるだろう。

 

…なお、個人的な意見をぶっちゃけるとすれば、メンヘラ層に焦点を当てた商売は、心が弱っている人を騙している、時間や労力を搾取しているという印象がどうしても拭えず、気軽におすすめできるものではないと強く思う。

もちろん、買った本人が満足していれば問題無いとは思うが、個人的には眉をひそめたくなる商売だという気持ちも強い。