つい先日テラスハウスに出演していた方がお亡くなりになったというニュースが世間を騒がせるという出来事があった。
それからというもの、主にSNSやyoutubeなどネット上で活動をしている方々(いわゆるインフルエンサーも含む)の中には、訴訟をちらつかせる人が目立つようになった。(なお、訴訟することそのものは止めはしないが応援する気もない。)
ネット上で情報発信を仕事としている方からすれば、誹謗中傷や事実無根のコメントのせいで仕事に支障が出るのは避けたいし、不利益になるコメントをする人に対して法的手段を検討するのは理解できる。
しかし、私はこの訴訟ブームに対して強く感じたのは「気軽に『訴えるぞ!』と主張してくる人とは一緒に仕事をするのは遠慮したいなぁ」というものだった。もちろん、仕事以外でもプレイベートでも何かと訴訟をちらつかせる人と一緒にいるのは遠慮したい。
今回はこのことについて、個人的な見解・意見を語ろうと思う。
すぐ訴訟をちらつかせる人は相手との交渉・妥協ができなさそうなので
私が思うに、すぐに訴訟をチラつかせる人に対しては、どこか話しあいを苦手としている印象が強い。
具体的に言えば、自分と相手との意見をかわしあい、交渉し、妥協点を探る…といった、双方の意見の落としどころを見つける行為そのものを強く苦手としている印象が強い。
そのため、自分の意見が全て通らないとなると「訴訟」という切り札をちらつかせて、相手に自分の意見を完全に飲ませるように仕向けたがるのではないかと思う。
つまり、相手の意見や要求などを無視して、自分の意見がいつでもどこでも通るようにしたがる。どこか独裁者のような気質の持ち主であるかのように感じるので、仕事でもプライベートでも、あまりお近づきになりたくない相手のように感じてならないのだ。
そもそも、仕事をしていれば自分の意見や要望が全て通ることもない。それはプライベートでも同じである。
ある程度自分の意見や要望を通したければ、例えば「損をして得を取れ」という言葉にもあるように一旦自分が譲歩し、次の機会は自分の意見をちゃんと飲んでもらえるように取引をする事が大事であるし、そのほうが相手も貸し借りを精算できるので気分がスッキリするものだ。
しかし、すぐ訴訟をチラつかせる人は、この譲歩する事そのものがまさに敗訴、敗北と言わんばかりに悪く捉えすぎている節がある。
そのため、「いつでも自分の意見が優先されるべきだし、もしも自分の意見が却下されるような場面があれば、法的手段の存在を仄めかして強引に相手を言いくるめる」という強引な手に出るのを厭わないのだと私は分析している。
独裁者気質と被害者意識の強さを感じるので、あまり近寄りたくない
上でも触れたが訴訟をチラつかせる人は「自分の意見や要望が常に通るべき、優先されるべきだ」という独裁者気質を匂わせる人が目立つ。
しかし、よくよく見ていくと当の本人は自分は独裁者であり多くの人を振り回し困らせている人…という認識はない。
むしろ、「自分は加害者ではなくアンチコメントや社会の不条理、貧困や周囲の無理解に苦しめられているかわいそうな被害者そのものである」という被害者意識の強さを感じた。
そして、この被害者意識の強さこそ、他人に対して横暴とも取れる訴訟のちらつかせという手法によって、他人を自分の思い通りにコントロールしようとする行動の心理を探るヒントだと私は考えている。
訴訟をチラつかせる人は、訴訟という強引な手法に対する心理的抵抗感が少ない。この抵抗の少なさは自分はかわいそうな被害者であると考えていることに起因する。
つまり、自分が被害者だと思っているからこそ、法的手段をチラつかせても何ら問題ない、お咎めもされない。むしろ被害者だから堂々と行使していい権利の一種であると考えている。
だから、いきなり訴訟をチラつかせるという大胆なコミュニケーションを取ってしまうのだと私は分析している。
被害者意識と独裁者気質のせいで、非常にコミュニケーションコストの高い人になるので距離を置きたくなる
被害者意識と独裁者気質の強さが影響して起きる問題は、ほんとうに些細な事でも過度に傷つくと同時に、その傷つく原因を作った相手や集団に対して、まるで脅迫のように訴訟をチラつかせることだ。
いわゆる繊細チンピラ、繊細ヤクザというネットスラングに当てはまる人の行動・思考に近い。まっとうに生きている人からすれば、繊細ヤクザな人は付き合うだけでめんどくさいことになるのが容易に想像できる。だからこそ、仕事でもプライベートでもそっと距離を置きたくなるのである。
考えても見よう…自分の些細な言動に対して「私はあなたの些細な言葉で傷つきました!」と言ってきて被害者ぶる人は面倒である。そこに「これは立派なハラスメント行為です、訴えますよ!」と畳み掛けてくるような人に取り合うのは非常にめんどくさいものだ。
もし仮に「あなたは被害者意識が強いので、そこを直さないと苦労するよ」というたぐいの言葉を優しく語りかけ諭したとしても、「あなたのその言葉で深く傷つきました。これはハラスメントです!」と、忠告ですらも自分を傷つける行為であり、法的手段に訴えるための判断材料と捉えてしまうことが容易に想像できてしまう。
そんなクレーマー気質を通り越した独裁者気質の強い人に対してできる賢い関わり方は、そっと距離を置く…ぐらいしかない。
腫れものに触れるかのような取り扱い注意な人と関わってハラハラする思いをするぐらいなら、なるべく波風立てずそっと距離をおくほうが無難だし、消耗することもない。
近頃の訴訟ブーム(という名のスラップ訴訟ブームだと私は見ている)を見て、そのブームに乗っかかろうとしている人がこの記事を見ることはないと思うが、自分の周りをイエスマンばかりで固めて訴訟をチラつかせる炎上系エンターテイナーにならないように、多少は自分を省みる機会を設けるのがよいと思う。