自分の職場に入ってきた新人がどうも仕事の質や勤務態度に問題がある。そのくせ、プライドが高くて、表面的に反省する姿勢ばかりで、根本的な人格の部分はかわっていない。
いつの時代においても、この手のプライドだけが肥大化した新人の扱いに悩まされている人は多いと思う。
いわゆる「意識高い系(≠意識高い人)」と呼ばれる人も、この手のタイプと同じ人間。つまり、口先ばかりで威勢の良いことをいって、仕事の質は中途半端という針小棒大な人だと私は思う。
今回は、そんなプライドだけが高い新人への効果的な接し方について、個人的な見解を語ろうと思う。
(なお、この記事は社会人向けに書いているが、部活やサークルなど学生の人間関係でも有効である。是非参考にしていただきたい。)
ビッグマウスな言動に対して質問を問いかける
プライドだけ高い新人は、自分を大きく見せるためにビッグマウスになる傾向がある。もちろん、そのビッグマウスに対して「じゃあ、あなたに仕事を任せてみます」という判断を下すのは難しいものだ。とは言っても、放置するのも難しいだろう。
その時にすると良いのが、あえてビッグマウスに対してこっちが質問を投げかけてみて、新人がどこまで知っているか、どこまで語れるかをを調べてみることだ。つまり、質問責めだ。
大抵のプライドだけが高い新人は、知ったかの知識や誰かから借りてきた知識をそのまま語っているだけに過ぎず、質問を続けていくうちに次第に論理破綻したり、詰めの甘さが出てくる。そもそも、考えずに鵜呑みにしているので、質問を受けてもロクに答えられないこともあるだろう。
そうして、質問を続けることでプライドの高い新人に「実は自分はプライドだけしか取り柄がなく知識や経験が浅いのだ」と実感させることができる。
天狗状態の鼻をこちらがへし折るのではなく、自分のボロに気づいて自然と折れる…そして、謙虚さを取り戻させるため方法なのだ。
必ず期限を決めてやるべき仕事を割り振る
プライドの高い新人に簡単なものでも仕事を割り振る場合は、必ず期限を決めさせるようにするのも効果的だ。
プライドの高い新人は、ビッグマウスで自分はいろんな仕事ができると言いながらも、結局は最後まで仕事をやり遂げることができず、うやむやにしてごまかす傾向が強い。
そうならないためにも期限を設定させることで、自分の言動に責任を負わせる。期限に間に合えば成長したと評価し、間に合わなければ態度を改めたり改善策を自分で練るように指導する。
…こうして書くと、ごく当たり前のことにように思えるが、この当たり前ができていないのにビッグマウスになるから、組織内での風当たりが強くなるのがプライドの高い新人の宿命ともいえよう。
また、期限を決めるということは、言い換えれば新人が自分の今の実力と向き合う。「今の自分には何ができるor何ができない」ということ向き合わせて、肥大化したプライドを妥当なものに修正させていく狙いもある。
要は、自分で自分の身の程を理解させるために、期限を決めた仕事を割り振るのだ。
1度目のミスは軽く叱る。ただし繰り返したらきつく叱る
仕事を任せた後のミスは、1度目は不注意や計画の甘さなど、慣れないことをしたからこそ起きる避けられないミスの可能性もあるので、「次は同じことを繰り返さないようにしなさいね」と軽く叱るのでよい。
しかし、同じことを2度繰り返した場合は「さっきのミスと同じミスをしているのはどうして?」と厳しく叱るのを恐れてはいけない。
同じミスを繰り返している時点で、自分の身の丈を理解できていないと考えるのが妥当である。また、叱るときは後述するように理詰めで具体的に、説明するように叱るよう心がけたい。
批判・指摘は具体的にして身に染みさせる
ただ感情を爆発させるように叱れば「この人は感情的に叱って自分のプライドを傷つけた」という被害者意識を募らせてしまう。
そうならないように、叱るときは努めて冷静で、且つ理詰めで説明するように叱るのが効果的。
また、ここでも上でも触れた質問によるコミュニケーションが効果的である。
- ミスが起きた原因はなんだと考えているの?
- どう対処すればそのミスが未然に防げたと思うの?
- ミスを繰り返さなたいめに、今の自分には何ができると思う?
- 改善策は本当に実現出来そうな内容になっているの?
など、ミスを起こした張本人に答えとなる言葉を出させると同時に、その言葉に対して責任を持たせるように仕向けていくのだ。
なお、正直言ってこのコミュニケーションは非常に根気が要るものだと思うし、新人の方が開き直る可能性もないとは言えない。
その場合は、冷酷だが後述するように次第に新人に対して見返りを求めないように接していく事も検討に入れておこう。
それでもダメなら、見返りを期待しないで接する
いくら指導しても改善が見られない。反省する様子も見られない場合は、新人に対して期待しないように接していくのも効果的である。
ただし、誤解しないで欲しいのは「期待しない」よう接することであり、「放置する」「ミスをしても見て見ぬふりをする」ではないことだ。
ただでさえトラブルメーカーになりやすい人を放置するのは職場のためにはならない。あくまでも期待はせず、しかし何かをやらかさないように見張るようにしておくのが重要だ。新人を解雇したり、配置替えできない状態であるのなら、この方法が無難である。