「ポジティブに生きたければ愚痴るのはやめましょう。愚痴の言葉は自分を傷つけるだけですし、周囲にいる人も不快にさせてしまう。だから、仕事やプライベートの愚痴は言わないようにしましょう」…という類の言葉が、私は大嫌いである。
もちろん、愚痴が他人から煙たがられる話題ではあるのは理解できる。しかし、自分一人でうまく処理する技術も伝えず、綺麗事に〆る文章は随分と不親切ではないかと常々思っている。
今回は、そんな愚痴りたいけど相手がいないとき参考になるような、私なりの前向きな乗り越え方を語ろうと思う。
怒りと不満を原動力に副業や趣味に勤しむ
私の愚痴の根源の多くは、仕事の内容と人間関係であった。とくに、独立する前は愚痴りたい気持ちに駆られることが多かった。
そんな愚痴りたい欲を乗り込えるために行ったのは、不満と怒りを原動力に副業と趣味に勤しむことであった。
もちろん、この方法は普通に誰かに愚痴るのよりも難しい。むしろ更なるストレスを抱えてしまうリスクもある。
…が、それでも副業で新規の収入源を確保できたり、極めた趣味から新規の仕事を獲得できるようになるなど、その時働いていた仕事以外で稼ぐこと、そして自分の仕事人としての別の世界での価値を手にできたことで「愚痴りたい欲」が収まっていった。
有り体に言えば、当時のメインの仕事以外でもまとまったお金を稼げる状況になったことで、精神的・経済的な余裕が身につき、神経をすり減らすようなことが無くなった。
その結果、多少メインの仕事で納得のいかないことがあっても「まぁ、事情が事情だし仕方ないよね」と、軽く受け流せるようになったので、愚痴りたい欲も収まったのだと分析している。
なお、ここで注意しておきたいのは、お金を使うことではなく、まっとうな副業でお金を稼ぐことでストレスを解消することに留めておくことだ。
よく、ストレス解消のために、自分へのご褒美と称して何か高額な物を買う人が多いが、その場合はお金を使うことがストレス解消になり、稼ぐ術は身につかない。当然、副業で稼げたとしてもその分浪費していれば、経済的な余裕は変わらないままである。
そうではなくて、稼ぐ力を身に付け「今の仕事がダメでも、自分は別の稼ぎ方で満足感が得られる」という状況にとどめておく。あくまでも金を使うことではなく、金を稼げる能力を身に付けることで、愚痴りたい欲を抑えるのだ。
ネットの愚痴垢に愚痴を呟くのはおすすめできない
痴る先としてSNSでの愚痴アカウントを利用しするう人もいるかもしれないが、私はおすすめしない。
愚痴アカウントで身元を秘匿しているとは言え、仕事で起きたことを不特定多数の人が見られる場で語ると、うっかり口が過ぎてしまい自分の個人情報が特定されるような愚痴まで書いてしまう恐れがある。
また、「仕事に対して愚痴ってるアカウント → 今の職業に不満を抱えている可能性が高い → 転職や独立を勧めてくる情報商材屋に狙われる」という可能性がある。
人の弱みにつけこむ商売をしている人からすれば、仕事の愚痴を呟く人は潜在的な顧客である。胡散臭い人から胡散臭いセールスを受けて不要なストレスを貯めないためには、愚痴アカウントは利用しない方が無難だ。
電話占いなど秘密が守られる場所でも愚痴る事の是非
私個人的な意見だが、電話占いやカウンセリングなど、有料だが秘密が守られることが保証されるサービスを使って愚痴ることは、うまく使えばストレス解消になると思う。
一方で、そのサービスにハマってしまい多額のお金を浪費することで、また別のストレスを抱えてしまうのではないか、という不安がある。
また、私自身面識のある人に愚痴のならまだしも、どこの誰だかわからない人に対して、愚痴ることは非常に抵抗がある。
とくにSNS上では、個人アカウントで「秘密厳守でお悩み聞きますよ」というサービスを展開されている人もいる。しかし、そういう人が
- もしも出来心で私が相談してきたときに教えたアカウントや電話番号をどこかに売り渡したら…
- 自分の更なるサービス展開のために、私が愚痴ってきたことを宣伝材料や実績、利用者の声として利用してきたら…
と考えると、どうしても利用することに抵抗を感じてしまう。
一応でも、愚痴るような状態というのは、言い換えれば自分の身も心も弱っている状態だ。そんな、吹けば飛ぶような状態の自分を、何処の馬の骨かわからない人の前にノコノコ出てって「愚痴らせてください」と助けを請うような真似はしたくない。
公的機関の人でもないのに、下手に他人に弱点を見せるような真似はしないのが賢明であろう。
愚痴らなくても済むように貯金と稼ぐ力を身につけたほうが精神衛生上良い選択である
最初に戻るが、愚痴りたい欲を乗り越えるためには、多少今の生活よりも負担はかかるが、別の仕事で稼いで精神的・経済的余裕が持てる状況になるよう、自分を高めていくことが効果的だ。
私の場合はデザインやウェブ関係の仕事で、比較的個人で小さな仕事を受けやすい業種であった&趣味としても仕事としてもできる業種であったことも影響して、個人で新規の仕事をネット上で獲得したり、趣味つながりで人づてに仕事をいただくこともあった。
また、いつもの職場以外の人との交流を持てるようになったことも、愚痴らなくても済む要因になったと感じている。
月並みな意見になるが「自分には今の職場しかない」と考えてしまうと、どうしても人間は視野が狭くなり不満を抱えやすくなる。
そうならないためにも、なるべく今の自分の技術を使って、新しい人と出会うこと、それも人前に出て胸を張れないような仕事をしている人ではなく、堂々と胸を張れるような仕事をしている人に出会うのが良い。
最後に余談だが、まっとうな仕事をしている人ほど愚痴ることは少なく、胸を張れない仕事をしている人ほど愚痴が多い。こうなる理由は、まっとうに認められない仕事だからこそ、不満を抱えやすく愚痴りたくなるのだと推察している。