あまり仕事では関わりたくない人ランキングがあるとすれば「何かと論破したがる人」は、おそらく上位3位ぐらいに入るのではないかと思う。
プライベートでさえ論破する人はめんどくさいのにそれが仕事ともなれば、交渉事はうまくいかないし、仕事は進まない。社内外関係なくあまり関わりたくない性格の持ち主であろうし、仕事ができるようには見えない人…という認識を持つ人は多いと思う。
そんな論破癖のある人がどうして仕事ができないのか、任せられないのかについて、個人的な見解を述べさせていただく。
意見の取りまとめができない。交渉事ができない
論破したがる人は、会議のように多くの意見や思惑が出てくる場面において、自分の意見の正しさ&相手の意見の不完全さを主張することばかりに徹する。
会議の場でまるでディベートの勝負を仕掛けるかのように振舞うので、その場にいる人の意見を取りまとめたり、とりあえず納得が得られるように話をまとめることが難しくなる。
つまり、交渉事には向かない性格の持ち主であるために、仕事ができない人だと思われるのだ。
また、論破したがる人に相応の根拠のある持論や自説があるのなら良いが、大抵は相手の意見のアラをつついて、揚げ足を取るという話を横に逸らすようなことが多い。
自分では話し合いの場に積極的に参加して、会議に貢献している気持ちになっているのかもしれない。しかし、実態は仕事の妨害しており、相手のメンツを潰していると捉えられても何ら不思議ではない。
お客様意識が強く、自分の仕事なのにどこか他人事な姿勢である
他人にツッコミをいれるよう論破したがる人に多いのが、自分にも責任がある仕事なのに、どこか他人事のような姿勢である。つまり、当事者意識がなくお客様感覚で、話し合いに口出しをしていることだ。
「色々と口をだすけど、自分は責任は取りませんし、その役目は誰かにやってもらいます」という姿勢では、付いて行く方も不安が絶えないだろう。
また、新人であってもお客様感覚でいられると厄介なのは同じである。もちろん、新人だからこそ職場の事情も知らずに正論や理想論を口にしたくなるかもしれないが、自分で言った発言の責任が取れないのであれば、うかつな事を喋らないのが賢明だ。
言いたいことがあってもぐっと堪えて、逆に相手の話を聞いてまとめる姿勢を身につけていくが、仕事において…とくに、他人と交渉する場面で役に立つものだ。
とりあえず納得できる案を出せる人の方が論破する人よ成果を出せる
論破したがる人に足りないのが、とりあえず納得できる案が出せないこと。つまり、完璧を求めすぎるあまりに自分で不完全だが、合格水準は超えている案を出せず、仕事がストップしてしまうことだ。
私自身クリエイティブ職であるためか、何事も完璧や理想を追い求めることに熱意を持っている人とよく関わるが、彼らの中には完璧を追い求めるあまりに仕事が遅れたり、締切を破ることが状態化している人が多い。
一方で、完璧というわけではないが、ある程度のクオリティを出して期限内に仕事を完了させられる人は評価も高く、安心して仕事を任せられる人として同業者の間で重宝される傾向が強い。
もちろんビジネス視点で関わることを考えれば、完璧を追い求めた結果手を動かせなくなる人よりも、一定の質は確保してとりあえず仕事はこなしてくれる人の方が安心できるのは明白だ。
そういう他者の視点に立って物事を考えられる人が、論破癖がついている人には少ない。
他責思考が強く仕事を自分から学ぼうとしない。成長を期待できない
論破癖がある人には、話し合いの中で問題が起きた時に「自分ではなく相手の方に責任や改善点がある」という、他責思考に陥っている人が目立つ。
話し合いの中でも「自分たちではなく相手の方が自分の要求を受け入れるべき、意見に対して納得すべきだ」と、相手に強要したがる。
折り合いを付ける、妥協点を探るという、ごく当たり前の話し合いができないので、仕事ができない人認定されるのだ。
また他責思考は、仕事で思い通りにならない時に
- 「自分に責任は無い。職場や人間関係の方に問題がある」
- 「自分が評価されないのは、周囲の人が自分を見る目がないからだ」
- 「親の育て方や学校、社会、政治情勢、景気が悪い」
と、自分のいたらなさを反省できずに、自分以外の誰かに責任を擦り付けようとする。こんな人に、仕事における成長が見込めようか?人としての成長が期待できようか?
他責思考が染み付いてしまった結果、目の前にある仕事を自分ごとと考えられない。だから、話し合いではお客様気分、新人なら育ててもらって当たり前だと居直る。その姿勢を指摘されたら「自分は悪くない」と開き直るし、場合によってはハラスメントを受けたと主張する。
そういうリスクの大きい人は、おそらくどこの職場でも歓迎はされないだろうし、就職面接やグループディスカッションの時点ではじかれるのもやむを得ないと感じる。
…と、いうことを述べて、ここでお開きにさせて頂く。