若いうちからフリーランスを目指さない方が良いと思う理由を話す

フリーランス
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最近は「会社員として働くことだけが人生ではない、フリーランスで自由に働こう!」という流れがあるように感じている。

かくいう私はネットの発展によって副業が簡単になった時代にちょうど本業に関係がある副業を始めた。そして副業が軌道に乗って本業よりも稼げたから、副業を本業にしてアラサー間近でフリーランス(地味にいえば個人事業主・自営業)になった身ではあるが、正直言って若いうちからフリーランスを目指すことはおすすめできない。

むしろアラサーになった今でも「あの時職場を離れなければ良かったなぁ…」と後悔することが度々ある。

今回はそんな経験も踏まえて、若いうちからフリーランスを目指さない方が良いと思う理由を話そう。

 

若いうちからフリーランスを目指さない方が良いと思う理由

もちろん、自分にちゃんとした実力がある人ならフリーランスでも問題ないし、例外的に若いうちでもフリーランスで活躍できる人がいるのは事実だ。

しかし、私が思うに20代(大学生含む)、30代のうちから早々とフリーランスを目指すことはおすすめしない。その理由を以下にまとめる。

 

ある程度組織に勤めてキャリアを積んだほうが周囲からの信用を得やすい

若いフリーランスによく見られるのが、会社員としてのキャリアが浅いうちに退職&フリーランスになった結果、全然仕事が来なくて仕方がなくクラウドソーシングサイトで割の良くない仕事を受けているという例だ。

これは前の会社で会社に勤めている最中で磨かれたスキルや成果物という、客観的に自分の実績を示す材料がないからこそ仕事が得られないのだ。

また、あまりにも若すぎる場合は、仮に実力があるとしても「この人は若すぎるのでビジネスをする上での連絡や交渉などの事務的な作業がしっかりできるのだろうか?」という不安があるために、なかなか仕事を頼みづらいのだ。

更に誤解を恐れずにいえば、若いうちは舐められやすいし、舐めた態度を取られること覚悟しておくべきだ。その覚悟もなく、若さだけを売りに突発的にフリーランスになった場合はよっぽど相手を説得できる交渉術や実績がない限りは苦労するので、おとなしく職場に勤めて年齢とキャリアを積んだ方が無難である。

 

組織でお給料を貰いながらスキルを身につけたほうが無難

就職したのにすぐにフリーランスになる人は非常にもったいないと思う。

その理由は、お給料を毎月貰いながら手に職を付けることができるのに、その状況を自ら手放してしまっているからである。

また、実際に稼ぎに直結するスキルだけでなく、

  • ビジネスに置ける目上の人との付き合い方
  • ビジネスマナー、商習慣、法令遵守や守秘義務に関する知識など
  • 大きな仕事をする時の進め方や仕事の分担の仕方、リーダーシップ
  • 実際に働く中で身に付ける、仕事を効率的に回す方法、時短術など

といった、フリーランスになった時に役立つ術を安定した給料を貰いながら、落ち着いて身につけられる…という若いからこそ育ててくれる機会を自ら手放してしまうのは、仮に稼げるスキルを持っていたとしても、非常に勿体ない。

もちろん、手に職がつかないどころか若い労働力を使い捨てるやり方で働かせているブラック企業は例外だが、えてしてまっとうな企業であれば研修や普段の仕事の中で嫌というほど覚えるであろうことを身につけないままフリーランスになるのは危険である。

ましてや、新卒のフリーランスや試用期間で辞めてフリーランスになる場合はなおさらだ。

 

在職中に人脈を築いておけば、フリーランスになってからの収入も安定する

ある程度在職していれば、社内外でフリーランスになった後にも仕事につながりそうな人脈が築きやすい。ある程度働いているので、相手との信用関係も容易に築けるし、場合によってはその人伝に仕事をいただくこともあろう。

しかし、そういった人脈を築く準備もしないまま、退職してフリーランスになるのは非常に不安定であろう。

いきなり自分のことを知らない人ばかりの環境に飛び込んでいくことにためらいがないのなら別だが、えてして新しい環境に飛び込む時は多くの人は不安を抱きがちである。もちろん仕事の宛が無いので、収入面の不安も大きい。

これを避けるためにも、なるべく今の職場に長く勤めて、人脈を築いていおくのが大事である。なお、すぐ仕事になるような人脈でなくてもよい。

今の自分一人では知れないよう世界や経済の動きから、自分の業界や全く無関係な業界などのあらゆる情報を知れて共有ができるような人脈であれば、直接的な稼ぎにはならないにしても自分の働き方を客観的に見るのに役立つのだ。

 

若い人を狙ってフリーランスになることを急かす悪徳商法の声に騙されないように

また、私が若い人にあまりフリーランスを勧めたくないのは、近年20~30代の若くて会社員生活に不安や不満を感じている人を狙って「フリーランスになれば自由に働けるよ!だから社畜なんてすぐやめて私達といっしょにフリーランスで稼ごう!」と煽る人たちの存在がいるからである。

誤解を恐れずにいえば、フリーランスになることを煽る人は、フリーランスというかっこよさそうに見える生き方に憧れる人を食い物にして、あらゆるサービスやセミナー、教材や動画コンテンツなどを売る宣伝文句としてフリーランスになれば自由に働けるよ、と言っているだけなのである。

そんな人がフリーランスの危険性や社会的信用の乏しさに触れず、いい側面ばかりに絞って宣伝している光景にそそのかされることが無いように、フリーランスになることを安易に勧めたくないというのが私の主張だ。

 

最後に、フリーランスとはなりたくてなるものではなく、成り行きや、やむにやまれない状況の結果としてなるものだと私は考えている。

そして、そんな成り行きでフリーランスになってしまった身だからこそ、冒頭でも述べたように前職にいれば良かった…という後悔を感じているのだ。