意識高い系と呼ばれる人の中には、なにかと横文字や最先端の概念などを使って、他人に対して早口で対応することが多い。
そうした言動のせいか、意識高い系は無意識のうちに相手を論破しにかかるような穏やかではない人に見えやすく、人間関係から浮いてしまいがちである。
しかし、当の本人には「相手を論破してやろう」という自覚は乏しいが、結果として相手を論破するような会話が染み付いているのだ厄介である。
今回は、そんな意識高い系の人が無意識している論破癖の特徴を語ろうと思う。
意識高い系の論破癖の特徴
冒頭でも述べたように、意識高い系の人は自分が知らず知らずのうちに他人を論破するような話し方になっている自覚は乏しいし、某スカッとする番組のように「はい、論破!」なんてコミカルな真似はしない。
いかに自分の方が賢いか、知識があるか、これからの時代を予測できる力があるかを誇示して「自分が正しくあなたは間違っているんだ」という状況に持っていき、相手の反論を封じこめようとするのが意識高い系の論破癖の特徴だ。
では、実際にどのような方法で「自分が正しくあなたは間違っているんだ」という状況に持っていこうとするのかについて、以下で具体的に解説する。
小難しい言葉を並べて相手を圧倒する
意識高い系ならよく口にする横文字系の言葉に限らず、自分の専門分野で使われている用語やフレーズ、概念などを並べ立ててを一方的に話をする。聞き手を置き去りにすることで、相手の反論を封じ込めようとする小賢しい話し方だ。
特に意識高い系だと、ビジネスや投資に関する用語を一方的に並べてる傾向がある。しかし、そのどれもが立派そうに聞こえるが、当の本人は全然立派でもなんでもなく、とりあえず覚えた単語をなんとなく使っているだけにすぎない。そのため、話を聞いていても具体的に何を言っているのかがさっぱりである。
誤解を恐れずに言えば、薄っぺらい人生経験しかないのを余計に際立たせるような話し方でしかない。聞く人からすれば「この人とりあえず自分が有能ぽく聞こえる言葉を羅列しているだけの、見掛け倒しな人だな」と感じて、論破どうこう以前にまともに話し合うのがめんどくさくなるのだ。
「海外の論文では~」「研究では~」と学問的権威を利用する
自分の主張・意見の根拠として「海外の論文では~」「ある研究では~」と学問的権威の存在を利用することも多い。
とくに、話の内容が自己啓発系に偏りがちな意識高い系の人は、心理学に関する論文や研究があったという情報を利用する傾向が強い。
ただし、ここで注目すべきなのは、
- 当の本人はその論文を読んでいる可能性はまずない。
- 某メンタリストなど偏った&恣意的な解釈が含まれた情報を鵜呑みにしている、盲信している。
- 「学問的権威=絶対正しい」という、物事に対して疑問や疑念を持って触れるという学問的な姿勢がない。
という点である。
もちろん、学者でないのでそこまで注目するのは野暮かもしれないが、こうした姿勢から分かるのは自説を強調し相手に反論させないためん、学問的権威をちらつかせている。つまり、権威主義的な性格の持ち主であることだ。
著名なビジネスマン、有名人を盾にして自説の根拠を強調する
また、自説を権威付けるために著名なビジネスマン、有名人の言葉を利用することも多い。
「著名な人なのだから、この人の言うことは正しいし、その理屈に法っている自説もまた正しい」と相手に強く訴えかけて反論させないようにできる。
なお、ビジネスマンとして有名な人の本や記事だけでなく、SNSで投稿されている言葉を引用することも多い。
「本質的」「真理」「法則」「本能」などのパワーワードを使う
相手に反論させないために
- 本質的には…
- 人間の本能だから…
- これが世の中の真理or法則だから…
といった、決まり決まったもの、疑いようのないものを現す単語を頻繁に口にすることも多い。(ちなみに個人的には、2019~20年代は「本質」という言葉が多用されていると感じている)
疑いようのないものだからこそ相手は反論しづらい。そして、疑いようのないものを言ったからこそ、自分の意見の正しさや人や社会を見る目を持っているであろうことを相手に知らしめることも容易である。
なお、これらの言葉は意識高い系が嫌う「思考停止」を招くキーワードであるのが実に皮肉である。
「○○はオワコン!これからは△△の時代だ!」と流行を盾にする
「これからの時代はAIだ!リモートワークだ!個人の時代だ!フリーランスの時代だ!」など、○○はオワコン!これからは△△の時代だ!」という形式に則ったフレーズを多用するのも特徴的である。
意識高い系の人は「流行の最先端、新しいもの=正しい、時代に取り残されているもの、古いもの=間違い」という考えを持っている人が多いため、流行の最先端らしいモノ、情報、サービスを無批判に正しいもの、素晴らしいものとして主張する傾向がある。
しかし、これは言い換えればトレンドだけを追っかけては煽ることに邁進しているという刹那的な生き方であり、意識高い系が薄っぺらいと感じてしまう理由のひとつでああろう。
早口でまくしたてて相手に話す隙を与えない
意識高い系の人は妙に早口になって、相手に会話する余裕や考えさせる時間すら与えないことがある。これもまた相手に反論させないために無意識のうちにしてしまう話しかたである。
なお、まくしたてるように話しているため印象は非常に悪い…が、中には「トーク力が高くて話すのが上手い人」」途切れずに話せるだけの情熱を持っている人」だと勘違いしてしまう人もいる。
論破癖のある意識高い系は、本当は臆病で自分の無知が暴かれるのを恐れている
無意識のうちに論破させてしまう癖がある意識高い系の人は、実は自分が他人からツッコミや指摘、質問や疑問などのなんらかの返答を要求されることを強く恐れている。
もし、返答を要求されるようなことがあれば、自分の無知っぷりや知ったかぶりを暴かれて大恥をかいてしまう不安がある。
その不安が現実のものにならないためにも、まるで相手の反論を徹底的に封じ込めるかのような不自然で攻撃的、高圧的な話し方になってしまうのだと考えられる。
つまり、論破するかのような話し方は、言い換えれば理論武装の一種なのだ。
理論武装しないといけないほどに自分に自信のなさや劣等感を抱いている小心者だと考えると、意識高い系の人に対して、また違った見方ができるであろう。