真面目すぎて損してしまう人に欠けているコミュニケーション能力を語る

真面目
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「真面目な人は損をする」ということは、巷でよく言われているものだが、この言葉には省略されている部分があると私は考えている。

それは、「真面目な人は自分で主張することをしないから損をする」という部分である。

言い方は悪いが、相手に対して自分がして欲しいことを伝えていない、相手を説得して自分の権利を行使していない。だからこそ、損をしてしまうというのが、真面目な人が損をする要因だと考えている。

今回はこのことについて個人的な見解を述べていこう。

 

真面目で損する人は、嫌なことがあっても我慢する癖がある

真面目に生きているのに損をしてしまう、損な役回りになってしまう人には、自分にとって嫌なことがあっても、それを「やめてほしい」と訴えることができず「まぁ、自分が我慢すればいいことだし…」と我慢してしまう癖がある。

真面目であるがゆえに「我慢は美徳」という道徳を律儀に守っているのかもしれないが、見方を変えれば、これは自分で自分の待遇や環境を変えるだけの交渉を自ら放棄しているにほかならない。つまり、現状に甘んじているものぐさな性格の持ち主であるといえよう。

もちろん、本人は我慢することによって「耐え忍んでいる健気な自分」を維持でき、それにより真面目さに誇りを持つことも可能である。しかし、いつまで我慢できるという保証はないし、下手をすれば心身の不調を招く、経済的な損失が出てくる…などの実害を伴いかねない。決していいことづくめな生き方ではないのだ。

 

嫌なことを我慢で乗り切るのは、交渉を放棄したとみなされ評価を下げてしまう

嫌な事を我慢することは、子供の頃であれば高く評価されるだろう。

がわがままや自分勝手で他の子供や大人たちに迷惑をかけている中で、きっちりと自分の欲望をコントロールして「真面目で良い子」でいれば、他の子供達からも一目おかれるし、親や先生からも高く評価される。

しかし、大人になると話は別になる。他人の言うことを守るのは大事が、自分が主張すべき場面で主張せず「自分さえ我慢すればいいや」という方法で乗り切るのは、自分がなすべき交渉を自ら放棄しているとみなされて自分の評価を下げてしまう。

仕事であれば受けるべきでない不利な条件の仕事を受けてしまい、そのせいで他の人に迷惑をかけてしまう。もっと言えば「あいつは真面目だけど生産性の低い仕事ばかりで周囲の足を引っ張っている」とみなされて、職場での居場所を無くしてしまうことも起こりうる。

今まで我慢で乗り越える事こそ良い事だと思ってきた人は、社会人になって同じく我慢をしてきた時に、褒められるどころかむしろ怒られてしまう。そんなときに「どうして、周囲の人は自分を評価してくれないのだろう?」と、カルチャーショックを受けた経験は、きっと多いことだと思う。

 

「真面目すぎて損をしている」人に足りないのは交渉をする勇気

真面目すぎて損をしているに足りていないのは、相手と交渉をするコミュニケーションの技術。そして、交渉をする勇気だと思う。

不満を抱えても我慢するのは、言い換えれば他人と交渉するための労力を必要とせず、(後々面倒事になるのはわかってても)その場を楽に済ませられる。しかし、我慢ばかりしてばかりでは相手に自分の意見を主張して、妥協点や折衷案を探っていく…という、交渉術は身につかない。

だからこそ我慢癖がある人は、ただ「我慢をする」という楽な方法に流されず、しっかり自分の意見を口にすること。場合によっては不満を伝えると同時に自分の希望や代案を提示して、相手と交渉していく経験を重ねて勇気を身につけていくことが欠かせない。

もちろん、これは仕事に限った事ではない。恋愛や友人関係などあらゆる人間関係において、一方的に損をしないためにも…そして、しんどくならない人間関係を構築するためにも、多少衝突する事は見込んだ上で、我慢ではなく交渉をしていくことが欠かせない。

 

「我慢できてえらいね」と褒めてもらえるのは、せいぜい子供のうちまで

最後に、私自身我慢で乗り切るという悪い癖があったのだが、独立してフリーで仕事をする上では、それは自分の実利に結びつきづらいと実感したからこそ、しっかり言うべきことは言うようにした上で、人間関係を築くようになった。

そもそも我慢していても、誰かが自分の意見を代弁してくれ代わりに交渉したり、クレームを訴えてくれる…とうことは、まず起こりえない。

たとえ、相手と衝突して軋轢を抱えたり、下手をすれば不仲になって嫌われてしまう可能性もあるかもしれないが、自分が不満や不服を抱えており、それを改善したいのであれば、しっかりと自分自身で相手に伝えて交渉していくことが欠かせない。

「我慢できてえらいね」と褒めてもらえるのは、せいぜい子供のうちまでである。特に真面目な子として幼少期を過ごしてきた自覚がある人ほど、大人になっても我慢で面倒事を乗り切るという損な役回りでいてしまうことが目立つ。

「自分は真面目すぎて損をしている」と自覚している人ほど、しっかり自分で相手を説得したり、改善を求めるように交渉するスキルを身に付けることが大事である。それこそ、自分の人生で無駄な損をしないためには、なおのことだ。