一般的に真面目な性格は良いものとされているが、これが友達関係になるとそうでもなくなる。
いわゆる友達がいない人(ぼっち)をよく見ていくと、精神的に不安定だとか、粗暴な言動が目立つなど、ぼっちになっても仕方がない明確な特徴を持っているわけではなく、いたって真面目な人なのに周囲から孤立している姿を見かけることは、きっと多いと思う。
では、どうして真面目な人ほど友達がいなくなるのか、うざいと思われてしまうのかについて、個人的な見解を述べさせていただこう。
何事も深刻に捉えすぎるので楽しめる話題が減る
まずはじめに、真面目な人とフレンドリーな世間話をするのは難しい。
世間話一つするにしても、内容を深堀りしようとしたり、さらっと受け流して欲しい話題を間に受けたり、深刻に捉えてしまう傾向があるので、フレンドリーな会話ができず、逆に疲れてしまうのだ。あまりの真面目さに、正直うざったく感じてしまうの無理はないと私は思う。
ただ、真面目な人の中にも、自分が何事も深刻に捉えてしまう不器用な部分があることを自覚して、適度に受け流したり、続けようとコミュニケーション能力を磨く努力をする人もいるものだ。
しかし、会話を続けようとした結果、どこか就職面接のように相手に質問をぶつけるような緊張感を与える会話になったり、気まずい沈黙が流れてしまうことも多い。ただ、力を抜いて何気ないトークを楽しめないし、楽しもうとしても結局中途半端になってしまう。
要は、場を白けさせてしまう話し方をしてしまうために、真面目な人ほどフレンドリーな場ではふさわしくない人扱いされてしまう。無理にそんな場に関わろうものなら、空気が読めない困り者扱いされ、ウザがられてしまうのだ。
なお、一応補足しておくが、真面目な人が悪意をもって場の空気を白けさせようとしているのでなはない。本人なりに努力して、なんとか和やかな雰囲気作りをしようと努力しているが、その多くが空回りに回ってしまい、結果として気まずい雰囲気を作ってしまっているのだ。
友達なのに仕事の人間関係みたいで気持ちが落ち着かない
真面目な性格の友達は、一言で言えば堅苦しい人なのだ。仕事の人間関係ならともかく、プライベートで付き合うとなれば、心身ともにリラックスどころか逆に疲れてしてしまうのも無理はない。
友達関係なのに、なんとなく上司や同僚と業務連絡をしているように感じて、ライフワークバランスも働き方改革も無視した人間関係になるから、ウザさを感じるのだ。
また、これは友達関係だけでなく、恋愛関係でも同様のことが言える。
恋人に誠実さであることを求めるのは良いが、誠実すぎると堅苦しくなって微妙な雰囲気になってしまい落ち着かない。恋人ではなく、まるで役所の窓口にて事務的な会話をしている人のように感じてしまい、相手に対して人間味を感じることはまずできない。(下手すりゃNPC、ロボットかAIにすら見えてくることもあるかもしれない)
そんな状況を楽しめるような懐の深い人ならまだしも、感情のやり取りを主目的とする友達・恋愛関係においては真面目過ぎるとウザがられるのも無理はない。
ただし、真面目な人であっても仕事に心血を注いでいる人や、経営者や振りラーンスなど働くことそのものが生きがいになっている人の場合は、むしろ友達として歓迎される場合があることは、フリーランスの経験の中で度々あったので、補足しておきたい。
真面目な生き方がどこかしんどそうに見えてきて気持ちが落ち着かない
真面目な人の中には、どこかしんどさを感じながら真面目に生きている、真面目な自分を必要以上に追い込んでいるように見えてしまい、友達として見ていられない気持ちに駆られてしまうこともある。
大げさかもしれないが、まるで何かに追われるように真面目さに凝り固まっている。強迫的になっている。前世かの呪いでもかけられているかのように、自分のルールや社会常識にこだわり、誠実であることにこだわり、冗談やゆとりを楽しむことを嫌がる。
そんなストイックな友達というのは、逆にこっちがお節介を焼きたくなるが、それは真面目な友達の生き方に介入しているように思えて気が引ける。かと言って、そっとしておくのもまた、友達に対して冷たい扱いをしているように感じて罪悪感を覚える。
結局のところ、この手の友達関係は関わるほうが律儀に支える義理や事情がない限りは、自然消滅してしまうの理由は友達として関わるにしてはあまりにも「重い」からである。
もちろん、この手の真面目な人は、真面目であることを振りかざして誰かを攻撃してくるような人ではなく、とても優しく親切心に溢れている。
しかし、そうした親切心を受け取ることに重さを感じたり、付き合い続けることに苦痛を感じやすく、また友達としての縁を切ることにも苦痛をかんじやすい。付き合っても苦しく、別れても心の残りがあって悩む…という、常人であればどっちに転んでも苦痛を味わうしんどい関係になりやすい。あぁ、実に悩ましい。
…と、いうことを語って今回はお開きにさせて頂く。
