HSPは繊細ではなく「考えすぎる人」と表現するのが良いと思う理由を説明する

HSP
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最近ますます流行を見せている繊細すぎる気質を表すHSPだが、私はこのHSPを「繊細である」と表現することに違和感を覚えている。

もっといえば、繊細なんて優しい言葉を使わず最初から「考えすぎてしまう」と表現したほうが、周囲の人から理解されやすく、それなりに受け入れられやすくなるのではないかと感じる。

 

「私は繊細な人なんです」と言われると相手に余計なプレッシャーを与えてしまう

私が思うに「私、HSPっていう繊細な気質の人なんです」と言われても、正直言って「その繊細であることを自分で言っちゃうんですか?」という反応を示されて、理解が得られないのも無理はないと思う。

もちろん、表面的には受け入れたとしても

  • 「繊細だから関わり方に注意しないといけないんだなぁ…めんどくさい」
  • 「それとなく配慮するように求めているのではないだろうか?」

というような付き合いづらい人という印象を持った上で、関係をもつことになる可能性が高い。

また仮に繊細な人に配慮をすることになったとして、その人に配慮するだけのメリットがあるのならまだしも、ただの友達関係や部下・同僚に配慮するのであれば、その関係は対等なはずの関係から上下関係になってしまい、めんどくさいものになってしまう。

さらに、自分がリーダーの立場だとして、ある特定の繊細な一人に対して特別な配慮をしようものなら、ほかのメンバーが不公平感を覚えてしまう…という問題も出てくる。

HSPの人は「自分に配慮して欲しい」と訴えるもののそれがかなわないという事例がよくあるが、その理由は組織全体として見れば、ある特定の繊細な人に配慮するだけのメリットよりも、それによって被るデメリットの方が大きいからである。

 

「繊細=優しい」という印象を相手に植え付けてしまうことの弊害

「HSP=繊細」という語れら方もまた、HSPの理解されなささや「めんどくさい人だなぁ」と思われる事を増やしていように考えている。

というのも、「繊細=優しい」というポジティブな印象で語られやすい。しかし、実態は暴力や暴言こそしてこないが、地味にめんどくさくて扱いづらい人でありネガティブな印象がどうしても付きまとう。

また、繊細すぎる人というのは意図せず関わる人を加害者に仕立て上げてしまう。つまり、「私はあなたのなにげない言動のせいでひどく傷つきました」と無意識のうちに他人を悪者に仕立てあげてしまう問題点があるせいで、本人に悪気がなくとも疎まれやすいのだ。

このように、第一印象が比較的ポジティブなのに、実態は地味にネガティブで困った人だという印象である。この印象の移り変わりの激しさが、HSPの人が影で嫌がられていたり、強くめんどくさがられる理由だと思う。

恋愛で初対面ではいい人に見えたのに付き合ううちにクズな部分が出てきて、相手を急に嫌いになったり、生理的に無理になってしまうのと同じように、初対面で「繊細です」と言うのは悪手なのだ。

 

「考えすぎる人」だと最初に言っておけば「優しい人かと思っていたのに…」と失望させることを防げる

印象の激しい変動によるイメージ悪化を防ぐためにも、最初から「自分は考えすぎてしまう人です」と、あえて自分で自分をめんどくさい人だと認める発言をしておけば、関わる相手もある意味安心できると思う。

もちろん、最初から「考えすぎてしまう人です」と言ったことで初対面の相手に嫌われてしまう可能性は十分にある。

しかし、初対面のうちに考えすぎてしまう自分でも受け入れてくれる人に焦点を絞って、深い関係を持ちやすい。関わる相手も「このひとは考えすぎてしまうことをしっかりと言ってくれている。変に取り繕わない人だ」ということをわかった上で接している分、好感を持ちやすいのだ。

このように、あえて「考えすぎてしまう人です」と言えば、最初から「繊細」と言うのと違って「繊細だから優しい人かと思っていたのに…」と相手を失望させてしまう状況を未然に防げるのだ。

自分で自分をめんどくさい人だと素直に打ち明けてくれた相手のほうが、関わる方も心の準備がしやすいのだ。

 

「自分は繊細です」と言って多くの人に好かれようとしないのが理解を得るコツ

下手に多くの人から好かれようとして言う「自分は繊細なんです」という自己紹介は、多くの人に表面的にでも気に入ってもらえる可能性は高くなると思う。

しかし、上でも触れたように多くの人に気に入られた分、その多くの人から「優しそうに見えて実はめんどくさい人」と、ただめんどくさい人よりも余計にめんどくさくて厄介な人という印象を持たれてしまい、自分の居場所を失いやすくなってしまう。味方だと思ってた人に一気に手のひらを返されるのだ。

そうならないためにも、最初に自分の弱点を提示しておく方が、自分を理解してくれそうな人にのみ絞って理解を得やすくなるというのが私の持論である。

 

…とはいえ、初対面で自分をよく見せない人の方が珍しいものだし、下手に敵を作ったり、相手の反感を買うような自己紹介ではダメだなのは言うまでもない。

あくまでも「私は多少考えすぎるめんどくさい部分がある人です」と、さりげない形で自分の短所を述べておくことが、めんどくさい部分を隠さずにしっかり伝えてくれる誠実な人だと思われるためには大事だと思う。