HSPがネットワークビジネスの客寄せワードとして使われている疑念

HSP
この記事は約5分で読めます。

(これは私の憶測も含むが)最近流行りの繊細な気質を持つ人を指す「HSP」という概念が、どうも怪しいビジネスの客寄せワードとして利用されている気がする。

つまり、ネットワークビジネスや悪徳商法をしている人が「HSPは稼げる」と考えているのではないか…という疑念が日増しに強くなっている。

とくに、SNSやブログyoutubeやオンラインサロンなど、ネット上で集客&収益化をする人の間では、HSPは一種の金の生る木として見られているように感じることが多い。

今回はそのことについて語ろうと思う。

 

HSPはネットワークビジネスの集客ワードとされている疑念

冒頭でも触れたが、HSPはネットワークビジネスをはじめとした怪しい商売をしている人が「これから稼げる可能性が高いキーワード」として見ていると感じる事が多い。

もちろんHSP自体では、収益化するのは難しいので、HSPに関連するサービスや商品、コンテンツ展開やタレント業のような展開で儲けようとしている人が増えていると感じている。

というのも、HSPは一説では5人に1人が該当するという。(ただし、この数値の信ぴょう性は謎である)。

つまり、5人に1人を潜在的な顧客として見れる。とても大きな市場になりうるという予測が立てられる。薄利多売な商売であっても、軽く見積もって日本で2000万人以上が顧客になりうるので、そこにビジネスとしての旨味を見出す人がいるのも納得できる。

怪しい商売をしている人からすれば、HSPは簡単に稼げるワードに見える。そのため、宣伝や広報を積極的に行っているのだろうと推察している。

 

関連記事

HSPを自己啓発・スピリチュアルビジネスの観点で分析してみた
私自身「いくら心理学の概念とはいえ、HSPは正直バーナム効果ではないか?」と強く思うが、それに反して今やHSPはブームになっている。 かつて発達障害がブームになった時とは比較にならないぐらいのブームである。それも「HSP」を何か金の成...

 

HSPの人は心が弱っている人が多いのでカモにしやすい

また、ネット上でHSPを名乗っている人。あるいはHSPに対して興味や関心がある人は、えてして現実世界で落ちこぼれてしまったり、社会にうまく馴染めず生きづらさを抱えている傾向がある。(場合によってはうつ病などの精神疾患を抱えている人もいる)

つまり、心が弱っている人が多いために、怪しい商売をしている人からすれば騙しやすい人(カモ)だと判断できるのだ。

実際に、マルチ商法や自己啓発セミナーなどの怪しい商売は、

  • 精神的に追い詰められて冷静な判断力が一時的に落ちている人
  • 生きづらさを抱ええいるが故に何か強大な組織やカリスマ性のある人物に依存したい人
  • なんでもいいので精神的な拠り所を欲している人

が顧客になる傾向がある。

心が弱っているからこそ、自分の精神的な拠り所や居場所を見つければそれに強く依存する。そして、拠り所を失なわないために、(たとえ怪しい商売や人・組織であっても)懸命に働いてくれるし金と労力を惜しみなく差し出してくれる。

場合によっては自分と同じような人を救済したいという使命感に駆られて、広告宣伝費を出さずとも無料で宣伝活動までしようとしてくれる…そんな優良なカモを集めることができる。

こうしたグレーな方法で儲けたい人たちが、今流行りのHSPという概念に興味を持ち出すと同時に、積極的にSNSやyoutubeなどの各種メディアを使って集客をしているのではないかと私は見ている。

 

心が弱っているので「私みたいなHSPの成功者になれますよ」というフレーズが刺さりやすい

また、社会に上手く馴染めていないからこそ、同じくHSPなのに社会から高い評価を受けている人や、高い収入を得ている人に対する憧れの気持ちも強まりやすい。

そこに漬け込んでHSPで一儲けしたい人は「私みたいなHSPの成功者になれますよ!」と宣伝する傾向がある。

生きづらさを抱えているとはいえ、生きていくために働かなくてはいけない。しかし、働く事そのものに苦手意識を抱えやすいHSPの人は、同じHSPでも普通に働いている人以上の富や名声を得ている人に対して「自分もこうなりたい」という憧れを持ちやすい。

そのことを察知して、その憧れに沿うようなキャラを意図的に作り、ネット上で演出して稼ぐ…というのが、おそらくHSPを利用したビジネスの世界で今後増えていくと私は見ている。

 

なお、ここでいう「HSPの成功者」は、必ずしも社会に馴染むのを目的としているばかりのものではない。

中には独立・開業する側に回る…つまり、誰かに雇われずに自分の力で自由で快適な生活を送れているという挫折からの復活を謳うストーリーで、HSPの人を怪しい商売に引き込もうとすることもある。

しかし、その商売の実態は自称HSPの成功者が、同じく自称HSPの人や、HSPに興味のある人を食物にするピラミッド構造のビジネスに近い。

つまり、マルチ商法のような上の者が下の者の金と労力を吸い上げる図式で成り立つ、お世辞にも褒められたビジネスとは呼べないものである。

 

妙な怪しさがあるHSPに”目覚めた”人には要注意

私が思うに、最近HSPを名乗る人は、もともとHSPだったというよりは、なんとなくHSPに目覚めたという印象が強い。

まるで、ある日突然エスパー(超能力,PSI)だとか、霊能力だとか、凡人には見えない何かが見えるようになったとか…というような中二病臭い感じて、HSPを名乗る人が増えているように感じる。

当然、そんな調子なので胡散臭さや怪しさが目立つ。しかし、その露骨な怪しさはビジネスとして見れば実は賢い戦略だと私は思う。

というのも、まっとうな人であれば「うわ!この人怪しいから近づかないでおこう」と感じるので、怪しい商売をしている人に対して言及することは無くなる(=アンチコメントを未然に防げる)。

一方でこの怪しさは、露骨な怪しさに対して拒絶反応を示さないぐらいに心が弱っている人(場合によっては頭も弱い人)は「なんかこの人怪しいけど優しい事を言ってくれるので、実はいい人なんだ!」と響いてしまう。

つまり、露骨な怪しさは胡散臭いビジネスをする側にとって、来て欲しい客と来なくていい客とを初期段階で選別するための戦略なのである。