一部では「HSP(繊細さん)=無能の言い換え」という正しいけど救いがない言い換えで話題になり、年月を重ねるにつれてますます胡散臭い人たちが商売のネタとして扱うようになっているHSP。
今回はこのHSPと逃げ癖との相性、関連性、そしてHSP界隈を取り巻く現時点の状況についてまとめていこうと思う。
HSPであることは面倒事・負うべき責任逃げるためのもっともらしい言い訳として最適な部分がある
個人的な感想になるが、HSP(繊細さん)をセルフチェック(ただし科学的な根拠は危うい)で自己診断し、自分でHSPを名乗ることは、いわゆる社会からこぼれ落ちそうな立場にいる人、人生に希望が持てずいっそのことなんかそれらしい理由で社会からリタイアしたい人にとっては、言い訳として好都合な部分がある。
というのも「HSPは生まれつきのもの(気質)であること」という情報が検索すれば出てくる。これは社会の中で劣等感を抱えている人からすれば「あぁ、自分が抱いている劣等感の原因は自分が能力不足や勉強不足、精神面の成長不足と言った自分の努力不足が原因ではない。自分の力ではどうにもならない生まれつきの気質(それも心理学のお墨付き)が原因なんだ。」という、他責による一種の諦めと安心感を得られる。
自分の努力不足を素直受け入れるのと違って自尊心の傷つき(シンプルに言えば精神的なダメージ)が小さくなる。「自分は努力不足のクズではなく、生まれつき決まっているもののせいで生きづらいのだ」と自分で自分を責めずに済むという楽で安易な他責思考につながりやすい。
そして、HSPは世間では発達障害(ASD、ADHDなど)のような医学的、社会的に認められたハンデキャップと同等のものとしてみなされている側面がある。しかも、HSPはセルフチェックで簡単に名乗れるという手軽さもある。
この手軽さと社会的なハンデと同等の扱われ方が合わさると、「私HSPですから○○はしません」と主張したとき、もし相手がそのことを否定or懐疑的な反応をすれば「あなたは社会的ハンデのある人に容赦のない差別主義者ですか?」というような態度を取り、自分の要求を押し通す事が可能になる。
こうした強引だが効果もリスクもある交渉の進め方は、まさに今逃げたくて、そしてそのことを否定されたくないという願望を持つ人にとっては好都合である。
※ただし、厳密にはHSPは医学的は認められていない概念であり、あくまでも心理学の概念‥それも結構昔に出た概念。しかもスピリチュアル寄りで科学的とは言い難いという主張もある。要するに胡散臭さが脱ぎきれていない危うい概念である。
繊細な人を追い詰めることに普通の人は抵抗を感じるので逃げ癖は放置される
また一般論になるが、いわゆるHSPに代表されるように弱々しいタイプの人、あるいは社会的なハンデを背負っていると思われる人(=社会的弱者)に対して、常識的に生きている人であればその人に対して追い詰めるような行動はしないものである。
仮にそんな人を心身ともに追い込むような真似をすれば、自分が差別主義者だとか極悪人だと思われるリスクがある。ほかにも、良心が痛むので不快感を顕にすることそのものを嫌がることも十分に起こりうる。
私みたいにHSPについてまるで親の敵がごとく執念深く嗅ぎまわっており、繊細な人から見て非常に好感度が低い人間でなければ、大抵の人は弱々しい人に対して厳しく出ることはしないものである。
このことはHPSを錦の御旗のように使ってあらゆる責任から逃げたい人にとては好都合である。逃げてもそれを咎める人も否定する人も出てこないし傷つくこともない。
ただ、見方を帰ればそれは逃げ癖が放置され続け、洒落にならないぐらいに社会からドロップアウトし復帰できなくなるという未来を自ら招くことにもなる。
社会から逃げてきたHSPを商売目的で待ち望んでいる人の存在について
ただ、HSPを盾にして社会から逃げてきた人も、今やネット上でHSP関連の商売をしている人が用意した居場所で所属感を入手できる環境が整っている。これはある意味幸福であり、不幸でもあると思う。
ここでいう幸福は、HSPに対して理解のある人との出会い、奇妙なまでに優しく全肯定的な優しい人との出会う可能性があるということである。
そして、ここでいう不幸とはいわゆる情報弱者としてみなされ悪徳商法のカモになる、あるいは悪徳商法の片棒を担がされる危険性があるということである。
最後に
私がHSP界隈で強い憤りに近い物を覚えているのは、かつて意識高い系の学生だった頃に出会った人達がやっていたことと同じ行動・芸風がHSPに関する情報発信をしている方々が繰り返ししている事が影響していると自己分析している。
誤解を恐れずに言えば、社会から引き離し、洗脳をし、自分の商売のために他人を食い物にする。そういう動きをしている人が、今はHSPがホットだということで商売を展開しているのだろうと推察している。
そんな私が今思うのは「HSP界隈からだけは逃げろ。関わるな」である。