自称HSP心理カウンセラーの怪しい点を説明する

メンタル・心理
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最近ますます話題になっている医学ではないが一応心理学上の概念である「HSP(繊細さん)」の影響や、新型ウイルスによる社会不安の増大の影響もあってか、心理カウンセラーであったり、それに準ずる肩書きを名乗る人が、ネット上で増えている。

一応私は学生時代に教育学部にて特別支援教育に関わる分野での学生であった経験も影響してか、どうもうこの手の自称心理カウンセラーについては「胡散臭いし、怪しいし、素人同然では?」と、常々思っている。

また、かつての仕事でネット上における広告業務(至ってまっとうな仕事)を行っていた時に、個人的な趣味として学んだ悪徳商法や景表法に関する知識・情報の面で見ても、どうもこの手の自称カウンセラーは消費者を意図的に誤解させるよう商売の仕方をしているように感じる部分がある。

今回は、そんな私の経験を踏まえて、自称心理カウンセラーの怪しいと思う部分を解説する。もちろん特定個人を攻撃する意図はこの記事にはない。あくまでも個人的な見解として「怪しいなぁ」と思う部分を述べるものであることをご理解いただきたい。

 

今まで行ってきたカウンセリング人数への疑問

心理カウンセラーの中には、自分が今までカウンセリングを行ってきた人数を強調している人が目立つ。

シンプルに考えれば「たくさんの人をカウンセリングしてきた=カウンセラーとして経験豊富で実力がある」となるのは自然であろう。

…しかし、気になるのはこの人数の算出方法である。

  • 対面ではないカウンセリングも人数に含まれているのか?(例:メール、電話、オンラインチャット上によるカウンセリングなど)
  • 仮に対面カウンセリングに絞った場合、それは1対1に絞ったものなのか?それとも1対多で行った場合もカウントしているのか?
  • 仮に1対1に絞ったとして、正式にカウントする最低基準の時間は決まっているのか?つまり、短時間で大量にさばくやり方でカウンセリングを継続した結果として作った数字で「私はこんなにたくさんの人をカウンセリングしてきましたよ」と表現している可能性はないか?
  • まさかとは思うが、延べ人数ではないか?
  • まさかとは思うが、お茶会やセミナー参加レベルで集まった人までも、カウンセリング人数にカウントしてなかろうな…?

など、どういう基準でカウンセリング人数を数えているのかを外部から確認しようがない。そのため、カウンセリング人数の多さはカウンセラーの質や力量を測る指標にはなりえない、と私は考えているのだ。

 

こういう数字の基準を操作するせこい技術は、利益を月商と偽って誇大広告を行う意識高い系の情報弱者向けの悪徳商法でよく見られる手法である。

数字はウソをつかないが、えてしてウソをつく人は数字を使う傾向がある以上、やたら数字を誇張するカウンセラーには「怪しい」という感情がどうしても湧いてくるのだ。

 

 

「心理学を勉強」という文言への疑問

至極当たり前だとは思うのだが、心理カウンセラーを名乗る以上は、心理学を勉強するものだろう。

しかし、ここで一応でも心理学の中でも主に発達障害の分野(発達心理学)や児童心理学を大学で実習含め学んできた身である私は「具体的には心理学のどれを勉強してきたのですか?」と感じている。

一口に心理学と言って、その分野は多岐に及ぶ。わかりやすいところで言えば犯罪心理学やスポーツ心理学、教育心理学や社会心理学などがある。また、各分野の中でもたとえば「少年犯罪に特化している心理学者」なり「思春期の若者を対象に調査している心理学者」など、更に専門の分野があるものだ。

(余談だが、私はHSPに関しては現時点では心理学というよりは、むしろオカルトやスピリチュアル、単なる自己啓発の性質が強く、学問とみなすのは難しいという立場である)

 

話は戻って、ネット上で心理学を勉強していると主張するカウンセラーの専門分野は何であるか…が具体的に見えてこない。

言い方は悪いが、ビジネス本や自己啓発本、あるいは本の要約チャンネルで登場しているような薄っぺらくて娯楽の色が強い心理読み物的なコンテンツをなぞった程度の印象である。つまり、素人に毛が生えた程度の知識しか持ち合わせていないと、私には感じるのだ。

まぁ、これは私の考えすぎな気かもしれないが、薄っぺらい程度に心理学を学んでいるからこそ、たくさんの人を短時間で大量にさばくスタイルのカウンセリングができるという…見方もできよう。

そういう人に限って、SNSでのプロフィールの書き方が、意識高い系の情報弱者をターゲット対象にした悪徳商法をしている人のものと瓜二つであることが目立つ(とくにHSPに関するカウンセラーはこの傾向が強い)。なるべく広く浅く、そして多くの人を取り込む思惑でもあるのだろうかと推察している。

 

 

名乗っている資格・肩書き・経歴についての疑問

自称心理カウンセラーの中には、何らかの資格や肩書き、場合によっては「アマゾン書籍○○ランキングで1位」というような経歴を名乗って、自分を権威づけているケースがある。

しかし、そうした資格、肩書き、経歴の信ぴょう性、妥当性について疑問がある。

ストレートに申し上げれば、金を出せば試験もなんにもないまま獲得できるような資格や肩書きを名乗っているとか、そもそもいくらでも盛れるしでっち上げられる経歴を名乗っているとか、「それカウンセリング業と何の関連性があるんですか?」と言いたくなるような経歴を名乗って権威付けをしている。

つまり、誇大広告や優良誤認のように消費者を錯誤させる表現をしているところに、胡散臭さを感じてならなのだ。