怪しい心理カウンセラーの見抜き方について

メンタル・心理
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この記事は「自称HSP心理カウンセラーの怪しい点を説明する」の続編である

かくいう私は買って教育学部の学生時代に心理カウンセラーも進路のひとつとして講義や実習を受けてきた身であり、いわゆるまっとうな心理カウンセラーが持つべき倫理観や求められている役割に関する知識は普通の人よりはある…と自覚している。(なお、現在の私は心理職とは全く縁のない職業である)

そんな私から見て、コロナ以降に「苦しい生活から脱却するために心理カウンセラーになって副業収入を得よう」という品位と倫理の欠片もない広告がではじめてからか、怪しい心理カウンセラーについて疑問視する人の声が出てきたと感じる。

今回はそんな世の中の流れの乗じて、私なりに考えた怪しい心理カウンセラーの見抜き方について述べていこうと思う。

なお、この記事ではいわゆる知名度の低い民間の資格を保有しているカウンセラー以外も対象にしている。つまり、ネットなどの各種メデイアで安全とされている公認心理士や臨床心理士資格を持つ心理カウンセラーも対象としている。

多くのメディアでは「心理カウンセラーは公認心理士や臨床心理士なら問題ない」という風に書かれているとは思うが、あくまでも私一個人の意見としては公認心理士や臨床心理士でも怪しい人はいると感じている。

 

宣伝広告を派手にしている。広報活動に余念がない

注目すべきは心理カウンセラーなのに広告宣伝や広報活動を活発にしているカウンセラーである。

ネットでの広告出稿のみならずやメディアへの出演、本の執筆やセミナーの運営・開催な、SNSやyoutube動画投稿などのインフルエンサー業、メルマガ配信、オンラインサロン運営…など、「心理カウンセラー」(場合によっては「臨床心理士」「公認心理士」)という肩書きを利用して心理カウンセリング以外の業務やタレントみたいな仕事を主軸にしている人は要注意である。

また、これは一個人の素朴な意見として聞いて欲しいのだが、広告宣伝をすればするほどクライエント(心理カウンセラーを受けに来る人のこと)の数が多くなりすぎて、順番待ちになるor一人あたりに割り当てられる時間が少なくなりサービスの質が下がるのではないかと思う。

心理カウンセラーとして活動する以上、認知度をあげることは重要だとは思うが、認知度を上げ過ぎることは心理カウンセリング業務を疎かにしてしまう可能性があることは想像すれば簡単にわかることだと思う。

 

余談だが、今でこそ「過払い金なら…」といえばどこに相談すればいいかを瞬時に思い出せるほどに、弁護士関係の広告はいたるところで目にするようになっているだろう。しかし、そんな弁護士の世界は2000年までは広告が禁止されていたという歴史がある。

このように士業の多くは、商売をするにしても広告の規制を受けたり品位を守ることが決まっていたり(品位保持義務)することがあるのだが、心理カウンセラー業については(私が調べた範囲では)活動の広げ方に関する規制があまりない。

あっても職業倫理規定のようなものしかない。むしろ雨後の筍のように出てくる民間資格の乱立で「職業倫理?なにそれ?」状態な心理カウンセラーが跋扈しているように感じた。

参考:弁護士の広告規制を知って正しいマーケティング戦略を取ろう(外部サイト)

 

 

カウンセラー自身の個人情報を大量に公開している

私が教育学部の大学生だったころに、クライエントとある一定上の距離感を持って、あくまでも契約上の関係にとどめてカウンセリングをするためにも、必要以上にカウンセラーが自身のことをベラベラと喋るべきではない」という内容の指導をしていることを講義で学んだ。

そういう知識があるからこそ、ネット上で活動している「自分も昔は不登校で、うつ病で、友達もいなくて…でも、今は心理カウンセラーになって社会に貢献できる人になってます。」というふうに、自分のことを包み隠さず話すような心理カウンセラーを自称する人は「この人なんか違うなぁ」と感じてしまうのだ。

 

ネット上での情報発信を頻繁にしておりカウンセリングの関係を持っている。(=多重関係の可能性)

心理カウンセラーの中には、カウンセリング以外の場でクライエントと関わりを持つことを禁止するという決まりがある。(=「多重関係の禁止」)

禁止する理由は、私的な感情が入ってしまい適切なカウンセリングができなくなる事やプライベートへの介入によるトラブルの回避が大きな理由である。

しかし、SNSやyoutubeのようにネット上で活動している人は、普通にクライエントと思われる人、あるいは将来クライエントになりうるであろう人と(オンライン上ではあるが)コメントのやり取りと言った関係を持っていることがある。

そういう光景を見るたびに「これってカウンセリング以外の関係で関係を持ってはいけないという「多重関係の禁止」に触れるのでは?」と思ってしまうのだ。

まぁ、この言い方だとSNSやyoutubeで活動している心理カウンセラーは全員怪しい…という極論になりそうではあるが、一応「多重関係の禁止」を知識として知っている身としては、気になる点であることは説明しておきたい。

参考:臨床心理士倫理綱領(外部サイト:PDF注意)

 

 

その他怪しい点についてのまとめ

以下に箇条書きでその他怪しい点についてのまとめておく。

  • カウンセラーになりたい人向けのサービスを展開をしている。
  • カウンセリング料の設定が高すぎる(目安は1時間5,000~10,000円。保険適用だとそれ以下になることもある。だがひどいものだと30,000~100,000円あるいはそれ以上である。)
  • 今まで行ってきたカウンセリング人数を大々的に公開していて誇大広告みたいなことをしている。(ただし数字の算出方法は謎)
  • ネット上での情報発信の内容が、誰かの怒りや不満を代弁するようなものばかりになっている。
  • カウンセラーの本名が不明。