真面目で優しい性格の持ち主であれば、人間関係で嫌われるだとか、煙たがられるだとか、拒否・拒絶の対象になることは起きないと考えるのが一般的であろう。
しかし、世の中には確かに真面目で優しい人なのだが、なんとなく付き合いにくさを醸し出しているせいで敬遠されたり、一緒にいてもなんとなく気持ちが落ち着かない要素があるなどの理由で、人間関係の悩みを持ってしまうこともある。
今回はこのことについて私なりに説明していこうと思う。
コミュニケーションコストが大きく、普段から周囲に余計な圧をかけてしまっている
真面目な人のなかでもとくに真面目ぐらいしか取り柄がないというタイプの人に多いのが、真面目であるがゆえにコミュニケーションに掛かるコスト…つまり、心理的な労力が大きいことが災いして、人間関係から煙たがられてしまうというパターンである。
具体例としては
- 基本的に無害な存在だが表情が固い、感情が読めず会話をするにしても何をどう話せばいいのかについて一々神経をとがらせる必要がある。
- 話す時の態度や体の動き・姿勢に緊張感や焦燥感が出てしまっている。
- 話す時の抑揚の付け方が下手。あるいは、抑揚がなく平坦な話し方になっている。
などの理由で「この人話しにくいなぁ」と思われてしまっているのだ。
また、コミュニケーションコストの低い人は、多少行動や性格に難があっても、表情が豊か、感情をよく表現している、話すときに変な強張りや緊張がなくリラックスしている人と比較すると、優しくて真面目で無害であっても「なんとなく話しにくい人」認定されてしまいやすい特徴の持ち主なのだ。
加えてこのタイプの人は自分が周囲の人に対して余計な気遣いをさせていることや、自分が周囲から見て話しにくいタイプの人間であるということへの自覚が薄いこともよくある。
要するに自分には改善するポイントがあるという考えに至りにくいタイプの人間であるために、時間が経つに連れて交友関係が減る。そして「どうして自分は人間関係で嫌われてしまうのだろうか」という悩みを抱えてしまうタイプでもある。
他人と話すことに慣れていないことが影響して不快感を招いてしまう
真面目で優しいけど、そのせいで自分から積極的に他人と交友を持つことをまるで自分が他人を害することのように感じてしまっているタイプの人にあるのが、そもそもの対人経験の少なさゆえに基本的なコミュ力が鍛えられておらず、人馴れしていないことが会話のなかでバレてしまう。
結果「この人真面目なんだけどなんか話しにくくて疲れてしまうなぁ」と思われて周囲から人がいなくなってしまうのだ。
なお、対人経験が不足していることがわかる行動の例としては
- 何が言いたいのかわからない。まとまっていない話をしてしまう。
- 話すときの内容、表情、声の出し方などが、どれも噛み合ってない。
- ボソボソ話す、相手の目を見ない、緊張して睨むような顔つきになってしまっている、など相手を信用していないと思われるような話し方をする。
- その場に応じた言葉のチョイスができていない。
- 手遊び、貧乏ゆすり、話しているときの舌打ちが多い…など、他人をモヤっとさせる行動をしたまま話す。
などがある。
こうした行動は対人経験はおろか話し方に関する指摘を誰かから受けてこなかったであろうことまでもなんとなく推察できてしまうために、気づいたときに直していくことが望ましい。
真面目で優しいというよりは自己保身が強い。自分を守ることばかりに終始する姿勢のせいで嫌われてしまうことも
真面目で優しいというよりは、自分が傷つくことを過剰に恐れている、言葉や行動の節々に予防線を張っていたりだとか、不必要な謙遜をしていたりだとか、良い悪い関係なくあらゆる評価を拒絶するような喋り方をしているだとか…というような、自己保身の強さがにじみ出てしまっている。その結果、人が離れて言ってしまうというケースである。
なお、このタイプは本人がそもそも良い悪い関係なくあらゆる評価を受けることを嫌がっているため、指摘しても効果が見込めず集団のなかで放置の対象になりやすい存在でもある。
なお仕事においてはこのタイプの人は基本的に真面目でよく働くのだが、決断力や判断力がないのでリーダーの立場であったり、主体的且つ臨機応変に動くことができず単純な作業ぐらいしか任せられないような人材と評価されることもある。
要するに人の上に立てるような器の持ち主でないと見られるため、バリバリ働く人が多く且つ自己判断で決定することが求められるような職場では嫌われやすい人物でもあるのだ。
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