心理学や自己啓発を学んでも人間関係で成功するとは限らないことについて語る

人間関係・コミュニケーション
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これは私の持論だが、世に溢れる人間関係を良好にする方法論であったり、コミュニケーション強者になるための心理学の情報は、実際の人間関係に役立つものばかりではないと思う。

むしろそんな知識ばかりの頭でっかちな人間になってしまう方が、余計に人間関係こじらせる原因になるのでは…と思えてならない。

今回はこのことについて語ろうと思う。

 

頭でっかちで臨機応変な対応ができずにコミュニケーションで失敗する

人間関係をよくする心理テクニックを身につけてコミュ力を高めようとする人に多いのが、頭でっかちになってしまい臨機応変な対応ができず、化けの皮がはがれてしまうことである。

この手の人は「話しやすい時」と「話しにくい時」の落差が激しい、あるいは「話しやすい時」と「話しにくい時」が急に入れ替わってやってきて、どうも不自然な印象が拭えない…という特徴がある。

上手く言葉にするのが難しいが、事前にどういう話をすればいいか、どういう話題なら相手は喜ぶかということについてよく考えている話題であればすんなりと話ができる。

逆に事前にイメージしていない話題になったときや、なんとなく変な空気感になった時は、今まですんなり話が出来ていたのがまるで嘘のように沈黙したり、緊張や焦りの色が出て挙動不審になってしまう。

 

もちろん、誰だって話題に対して得意・不得意があるし、不得意な場面で上手く話ができないなんてことは珍しいことではない

しかし、不得意になった場面でまるで最適な選択肢を探しているかのような落ち着きの無さが見えたり、逆に急に黙って何も言わなくなるor相手に話題の主導権を渡して聞き役になる…というような急激な変化が特徴的である。

この変化が一言で言えばわざとらしく不自然。人馴れしていないが、なんとかコミュニケーションの指南本を学んでその通りに実践しているだけで、予想外の展開にめっぽう弱い人…という悪印象を生むのだ。

 

 

実際の人間関係でコミュ力を磨くよりも、本を読むことで鍛えようとすることがそもそもの間違い

重ねて私個人の意見で恐縮だが、実際の人間関係でコミュ力を磨こうとするよりも、本やネットのように自己完結するようなものでコミュ力を磨こうとする姿勢が、人間関係でも噛み合わなさを生む要因になっていると思うことがある。

自己完結でコミュ力を身につけようとする人は、どうも恥をかくことを恐れていたり、相手が自分を気に入る事、好きになってもらうことに対して強い執着がある。

これは憶測になるが、承認や高い評価を求める一方で、もし万が一承認されない事や低い評価をくだされようものなら簡単に自尊心が砕けてしまう…という、一種の自己愛・自己中心性の強さが裏にはあり、それが人間関係で妙な壁を作る原因になっているのではないかと見ている。

 

人間関係を攻略の対象として見る姿勢が相手に違和感を抱かせる要因になる

まぁ、実際に相手のことを深く知ろうとせず、本やネットの情報で武装した状態で相手と関わるのは、誠実な姿勢とは言い難いだろう。

目の前の相手に前にして、いちいち「この場面ではこういう話題をすればいいって本に書いてあった」と脳内で本を読みながら話しているようなものである。相手の顔を見るのではなく、相手が書いたものでも何でもない本を見て話しているような人に好印象を持つのは難しいものである。

私がゲームを嗜んでいることも影響しているが、この手の相手と関わろうとしているようでなんとなく相手のことを見ていない素振りがある。まるで人間関係を恋愛シミュレーションゲームの攻略対象としてみなしているようにすら思える。

ただ、現実問題として目の前の相手はあらかじめ用意されたシナリオ通りのことしか喋らないわけではないし、ましてや「攻略」のように自分の願望や欲望を一方的にぶつけるような相手でもない。

目の前の相手は人形でもNPCでもない、心を持った一人の人間である。そのことを忘れているかのような関わり方をしようものなら人間関係に馴染めなくなるのも無理はない。

人間関係は本やネットに書いてない事の連続であり、その中で苦労し、恥をかく中でぼんやりとだが「この人にはこういう対応をすればいいのだな」と自分なりの結論と呼べるものがぼんやりと見えてくるようになる。そしてこのぼんやりと見えてくる結論は相手の数だけ無数にあることは覚えておいいて損はないだろう。

 

 

余談:心理学・自己啓発・ビジネス本の受け皿は現実世界でうだつの上がらない人

最後にだが、心理学(なるべくカジュアルなもの。ジャンル的には「心理読み物」)・自己啓発・ビジネス本など、人間関係に役立ちそうな情報が入手できそうな媒体は、現実世界でうだつの上がらない人たちの受け皿的なポジションになる傾向がある。

本屋に行けば「あ、この本は今の人間関係や社会的な立ち位置、自分の置かれた境遇や能力の無さに不満や不安を抱えている人をターゲットにした言葉のチョイス、話の運び方、表紙の魅せ方をしているなぁ」ということは、容易に推察出来ることだろう。

まぁ、そもそもで言えば人間関係に悩むことのなさそうな人は、(暇つぶし、趣味や娯楽、学問の追求という目的を除けば)そもそも心理学を学ぶことも、自己啓発セミナーや動画を嗜むことも、ビジネス本を読みあさることもないし、その必要性もないのだが…。