他人ばかり褒める親の心理についての考察

人間関係・コミュニケーション
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この記事では他人ばかり褒める親の心理について個人的な見解を説明していく。

なお、この記事はほかのSNSやメディアなどでよく見かける「他人からいい人だと思われたいがために、ほかの親やその子供を褒めている」という見え見えの見栄を張る説以外について述べていく。

 

他人ばかり褒める親は自分と自分の子供が評価されるのを嫌がっている

まずはじめに、他人ばかり褒める親は親である自分、そして自分の子供が周囲の人から評価を受けるのを嫌がる心理が強い。

しかし、親である以上子供を通じた親同士の関係や教職員との関係、そのほかにも親族間や塾の人との関係を避けて通ることは出来ないものである。

その時に自分たちに評価をさせないようにやるのが、他人を褒めることでその場の主導権を握るor話の流れを無理やりかえるというテクニックなのだ。いわば、相手を褒めるのは自分達に評価の言葉や態度をさせるスキを与えないための行動ともいえよう。

 

「子供の評価=親である自分の評価」の考えが強い

そして、この手の親は「子供の評価=親である自分の評価」という考えが根底にある。

子供が世間から評価されることをすれば、親も世間から立派な親として評価される。逆に子供が世間から顰蹙を買うようなことをすれば、親も世間からダメな親とみなされる。

…まぁ、この考え方は、日本では当たり前のように浸透している考えであることは簡単に想像できるだろう。

なお余談だが、たとえ子供が自立して自活できるような年齢になったとしても依然として「子供の評価=親である自分の評価」という考えは継続しているという点は特徴的だと思う。

引きこもり状態の人や社会から孤立している人が犯罪をしたという類のニュースをした時に、親の教育や家庭環境についての情報が毎度のこと出てくるのを見ていると、(視聴率稼ぎの目的もあるかもしれないが)犯人(子供)と親が結びついて評価されるのは自然なことである…というのは、ある種の共通認識であろう。

いい年して大人を見て親の教育どうこう言うのは大人気ないことだとは思うが、その一方で親の教育が人格形成に与える影響の大きく、親の手を離れたあとにもじみながら影響しているのだろう。

 

 

子供が良い評価を受けるのも悪い評価も受けるのも嫌がる理由

(やや本題からそれた気もするが)他人ばかり褒める親を見ていて感じるのは、良い評価を受けても悪い評価を受けてもどちらも拒絶する対応をとる人と似ているということだ。

一般的に考えて悪い評価を受けることを快く思う人はいないものである。(特殊な趣味嗜好がある人を除けば)誰だってけなされたり低い評価を受ければ気分は悪くなるし、場合によっては相手と物理的に距離を置くなどの方法によって自分で自分を守ろうとすることもある。

一方で、良い評価を受けて喜ぶどころかむしろ過剰なまでに謙遜したり、困ったような表情をしてしまう人は、露骨に嫌われることこそあまりないがかと言って「どうしてそんなに褒め言葉を嫌がるのか理由を知りたい」と思わることはまずない。

だが、私個人の意見としては良い評価を拒絶する人は悪い評価を拒絶する人と心理ある程度似ている部分がある思う。

つまり、良い悪い関係なく、他人から評価を受けることそのものが一種の自分への心理的な攻撃のように感じてしまう。だからこそ、あらゆる評価を拒むのだ。

 

まとめると

  • 「子供の評価=親である自分の評価」という考えがある。
  • 親そのものはあらゆる評価を受けることを心理的な攻撃と捉えてしまう思考の癖がある。
  • 親として誰かと関わる場面では自分が他人から評価という攻撃を受けないためにも、まるで話題の主導権を握るかのように他人ばかりを褒める。

という流れになっているのだ。

なお良い悪い関係なくあらゆる評価を受けることを拒むのは、私個人の意見としては自信のなさであったり、現実を突きつけられることへの恐怖や緊張が根底にはあるように思う。

あまりこういうチープな表現をするのは気に食わないが、いわゆる自己肯定感が低すぎてメンタルが不安定だからこそ、あらゆる評価を受ける耐性がないのだ。

 

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余談

最後にだが、他人ばかり褒めるような言葉を発する親は、その子供もまた同じように他人を褒めてばかりで自分に対する評価をさせないようにバリアを張る癖が身についていると思う。

ただ、当の子供はというと「どうして自分の親は他人のことばかり褒めるんだろうか」と疑問視していたりか「そんなに他人の評価を嫌がっている姿はなんか嫌だなぁ」と思ってはいるものの、実際に自分が評価を受けるかもしれない場面になると、あまりよく思っていない親そっくりなことをしてしまう傾向があるように思う。

 

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