絵を仕事にすることと学歴について思うことを語る

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絵に関する仕事…例えば、イラストレーターや漫画家、同人作家、アニメーターなどの仕事は、オタク趣味にハマっている人であったり、何か表現したい欲求が高い人、場合によっては人間関係が苦手でなるべく一人で済むような働き方を求めている人の間では人気の職業であろう(なれるかどうかはさておきだが…)

そして、SNSやyoutubeなどで絵で仕事をしていると主張するインフルエンサーの多くは(再生数稼ぎの目的もあるとは思うが)「絵の仕事をするのに学歴は関係ありません!」と強く主張するものだ。

しかし、同じく絵の仕事をしている私としては「確かに学歴は関係ない…が、だからといって高卒や中卒でもOKというものではないし、普段の勉強を疎かにしてはいけない」と思うのが正直なところである。まぁ、あえて逆張りするのなら「可能な限りFランではない大卒資格ぐらいあったほうがいい」というのが私の主張である。

今回はそんな私なりに絵を仕事にすることと学歴について、個人的な見解を述べていこうと思う。

なお、この記事はあくまでも普通に絵とは無縁の国立大学卒で零細ベンチャーにて働き、副業としてやっていた絵の仕事が軌道に乗ってきてから独立。その後、絵の仕事で貯金も出来て生活もできている私一個人の意見であることを踏まえた上で、読んで頂ければ幸いである。

 

 

絵の仕事をするだけなら大卒資格はいらないが、もしダメだった時にのことも考えて大卒の資格を取っておく意味はある

上でも触れたが、私は大学卒業後は絵とは関係ない仕事をしていたが、その一方で高校・大学時代から絵は嗜んでいたし、ぼんやりと絵を仕事にしたいという思いもあった。

ただ、私が高校・大学生の頃は当時は今のように絵の仕事が溢れていたわけではないし、実力も素人よりはうまい程度。そしてリーマンショックや東日本大震災と言った不景気を後押しするような状況でもあった。

そんな時代の影響もあってか「仮に絵で仕事ができたとしても、不景気のあおりを受けてしまってダメになる可能性もあるのでは?」という疑念があったので、大卒後はおとなしくベンチャーで働き、副業として絵の仕事をしていた。

 

これは私の考え方の癖だとは思うが、私はうまくいかなかった時の保険を用意した上で夢や目標を追うほうが向いていると自覚している。

絵のように不安定であり競争も激しく、また流行り廃りに影響されたり、場合によっては国や自治体の規制(表現規制とか)や熱心な社会活動家に目をつけられやすい分野でもある以上、仮にそういった要因で絵の仕事を中断せざるを得なくなった時の保険(大卒資格)を用意したほうが安心できる。

そういう慎重論でやって来たことが、今現在絵の仕事で生活できていることにつながっているのだと考えている。

まぁ、そうはいいつつ大卒後ベンチャーで6年近く働いて「実務経験あり」という保険に保険をかけまくっている状態なのだが、こうした実務経験があることも後述するように、普通の企業ならお祈りされてしまう人が集まりやすいイラスト業界ではメリットがあると見ている。

 

 

普通の企業ならお祈りされてしまう人が集まりやすい職種において、学歴があることのメリットについて

同業者の方にはたいへん失礼を承知で言うが、絵の仕事は「自分はイラストレーターです」と肩書きさえ名乗ってしまえばその時点で仕事を受注できてしまう性質がある。

そのためか、どうしても基礎学力に難がある人…もっと言えば、まともな基礎学力を身に付けるための生活習慣や常識的な知識が欠如している、コツコツ頑張ることすら出来ない、他人との約束や締切を守るという社会人として当たり前のことすら出来ない人でも参入できてしまう側面がある職種だ。

いわゆる一般企業の採用においてエントリーシートや面接の時点でお祈りを食らうような、うだつの上がらない人材が集まりやすい闇鍋のような職種ともいえよう。(なお、同じ特徴を持つ職業としてはブロガーやyoutuberもいい例でる。どれも社会不適合者が集まりやすい)

 

そういう業界の特色がある中で、まともな学歴があり、まともな基礎学力があり、社会人として当たり前のことが当たり前にできておまけに相応の実務経験もある人は、うだつの上がらない人材が多いイラスト業界においては飛び抜けた実力がなくても重宝されやすい存在になりやすいのだ。

そうして掃き溜めのツル的なポジションとして活動して信用を高めつつ、自分の技術を高めていけば、今度は自分の方から仕事を選べるポジションになれる。つまり、より良い条件を提示してくれる相手を選んで働けるようになるのだ。

 

 

最後に

私も「絵を仕事にするためには学歴が必要ないですよね」という類の質問を受けたことがあるが、そのたびに「なくてもできなくはないが、少なくとも自分の引き出しを増やしておくためにも勉強はしっかりしておこうね」と返している。

こう返すと十中八九苦虫を潰したような顔をするし、現実逃避の延長線上として絵の仕事を目指していることが見え見えな人に厳しいことを言う自分も大人げないとは思っている。

ただ、私一個人の意見としては目の前の勉強から逃げるための口実を探している人は、どういった仕事であれ人から信用を得るのは難しいと思うし、責任を追うことから逃げる確率が高いと思う。

 

 

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