絵描きのメンタルがなぜ弱いのかについての考察

クリエイター関連
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私は仕事柄、いわゆる「絵師」と呼ばれる方々と関わることが多い。ネット上ではよく「絵師をはじめとしたクリエイターの人は、繊細で豆腐メンタルな人が多い」と言われるが、この言葉は事実であると実体験を通して私は強く感じている。

私が思うに、絵師の方々のメンタルの弱さは、

  • 流行の激しい業界であることの影響
  • SNSでの評価や比較にさらされやすい事
  • 実力・実績の差が激しい、競争から逃れられない事
  • 華やかな職業ではあるが収入・人気・継続した仕事の獲得などの面で不安定な職業でもある事

…などの、よく言われていること以外にもあると見ている。嫌な言い方になるが、絵師という進路を選ぶような人生そのものの中に「まぁ、そんな半生だとメンタルが弱くなるのもある意味当然だよなぁ」と思うものがあると私は個人的に見ている。

※なお、記事には豆腐メンタルな方には非常にお辛い内容が含まれているので、それを理解した上で読むか否かを決めて頂きたい。

 

娯楽の延長線上にあるものを仕事にするような人の中に、まっとうな人生を歩んで来ている人は少数という仮説

結論から述べるが、そもそも娯楽の延長線上にあるようなものを仕事にしようとする人のなかに、まっとうな人生を送っている人は少ないと思う。

ここでいうまっとうとは、学生時代からちゃんと勉強して偏差値の高い学校を受験し合格するとか、就職活動を頑張って大企業or公務員就職すると、そのほかにも体育会系に所属する、アルバイト・ボランティア・郊外活動・お稽古事など打ち込むとか、コミュ力を鍛えて交友関係を広く持つ…というような生き方である。

こういったまっとうな人生は、ネット上では「誰かに敷かれたレールを歩んでいる人生」と揶揄や冷笑の対象になる。しかし、実際にこの手のレールを歩んでいる人と関わった経験がある私からすれば、揶揄している方々よりもよっぽど精神的に強く、それでいて前向きな性格の持ち主であると感じることが多々あった。

 

また、たいへん失礼なのは承知だが、いわゆるちゃんと勉強ができて将来の進路を考えることができる人は、そもそもクリエイティブ職のような娯楽の先にあるような進路を第1進路として選ぶような真似は普通しないものである。

もちろん憧れる事はあるかもしれないが、かと言って憧れに流されるのではなく、例えば本業を持ちつつ副業や趣味程度にしておく…というように、現実的且つ無難なところでとどめておく程度である。

そのためクリエイターになるような人は、学生時代の頃からまっとうな人生を送ってこれなかった。そのことが大人になってもなお、メンタル面に影響を及ぼしているのではないかと実際に関わって話を聞いている中でうっすらと感じている。(まぁ、実際は思うだけで口にはしていない。)

 

 

「絵ぐらいしかできるものがなかった」半生をたどってきたため、メンタル面に難がある

重ねて本当に失礼なのは承知だが、私が実際に関わって来た人の中には「勉強も運動も人間関係も苦手で、かろうじて絵ぐらいしか仕事にできるものがなかった」というタイプの人が割と多かった。

ただし、本当に苦手と思えるぐらい勉強・運動・人間関係に真剣に打ち込んだ上で苦手だと自覚したのではなく、むしろちょっと触っただけ「あ、もうこれ自分には苦手だ!無理だ!」と感じて逃げてきており我慢強さが到底あるとは言えない…という印象が強かった。

 

芸大や美大がそもそも進路の選択肢に無く、普通に国立大の教育学部(美術教育過程ではない)を出た私からすれば、「そんなハードな人生だと、ある意味メンタル面に問題があるのもある意味納得だなぁ…」と感じてならなかった。

多くの人が経験するであろう、学業、運動、人間関係での成功体験がないまま大人になってしまったことにコンプレックスを抱えている人は、たとえクリエイターとしてある程度成功と呼べる地位にいる人でも割と多く見かけた。

 

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「メンタルが弱い事=クリエイターの素質がある」という物語に沿おうとしてるのでは

最後に「クリエイターは繊細で豆腐メンタルあればあるほど、良いものが創作できるようになる」という類の物語を信じている人が多々いる。

かつて小説家であれば結核にかかってこの世を去るのが、小説家としてのあるべき姿だと美化された時代の雰囲気のように、クリエイターであれば繊細で傷つきやすいメンタルを持ちながら生きていくことこそが美しい…というような物語に自らハマリに行っているかのような人がいるようにも感じた。

病弱設定だとか、佳人薄命などの、そういう不幸なものへの憧憬があるのだろうかと見ている。

 

ただし、繊細だからといってそのクリエイターに実力が必ず備わっているかどうかは別である、というのが私の率直な感想である。

実態としてはクリエイターの中に割と繊細な人が多いだけで、「繊細であればクリエターになれる」と感じるのは、あまりにも繊細さとは程遠い短絡的な思考回路をしていると感じてならない。

そしてそんな短絡的な思考回路が残っているのは、勉強が出来なかった、対人能力や社会経験が十分に詰めなかった事が影響しているのではないかと見ている。

クリエイティブの世界に学力や対人能力といった概念を持ち込むこと自体、非常に野暮で大人げない事だとは思うが、以外にもこういった一見すると無関係に思えるものが、長い目で見ればいいクリエイターとしてしぶとく長く、そして強く活動し続けるメンタルのためには重要なものだと感じている。