絵師含むクリエイターが情報商材界隈と関わっている件について思うこと

クリエイター関連
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一クリエイティブ職の端くれとして、普段から同業者がどのような方と交流をしているかどうかについては、それなりに神経を尖らしている。悪趣味は承知だが、私は同業者の交友関係を密かにネットウォッチするという趣味を持っている。

そんなウォッチ生活をしている中でだいたい2019年頃から、情報商材を販売している界隈や、不安を煽るようなインフルエンサーなど、いわゆるビジネス系の胡散臭い界隈と交友関係を持つ同業クリエイターが多く見られるようになった。とくに、漫画やイラストなど、いわゆる「絵師or絵描き」と呼ばれる方々が目立っている。

このことについて個人的な見解を述べていこうと思う。

 

胡散臭い界隈の商売の片棒を担ぐ事のリスクを分かっているのだろうかという疑問

まずはじめに、私は情報商材やビジネス系セミナーについては良い印象を持ってない。

この手の商売で用いられる、優良誤認・誇大広告や不安を煽る商売手法、意図的に炎上を起こす、情報に疎い人を錯誤させるような商売は、いわばカタギの人間に喧嘩を売っているようなものであるという認識だ。

そんな商売に対して漫画やイラストなどを提供し金銭を得ている時点で、私はカタギの人間に喧嘩を売る商売に加担するような商売感覚の持ち主であると見ている。言い方は悪くなるが、裏社会に堕ちた、反社会的な活動をしている側に堕ちた…と見ている。

まっとうに生きている人であれば、関わるべきではないヤベーやつに関わっているどころか、その人たちに協力するような真似をすれば、自分の信用や人間性にどれだけ懐疑の目を向けられるかがわかるはず…なのだが、私がウォッチしている限りではどうもそういう素振りが見られない。

むしろ、いい実績になったとか、お金がたくさん手に入った…という具合に、どうも真剣味が足りないというか、事の重大性を理解していないというか、見ている自分のほうが時代錯誤な古臭い感性の持ち主かと思えてくるような気分になった。

 

クリエイターが情報商材界隈の仕事を受ける理由の考察

クリエイターがこういった胡散臭い連中に巻き込まれるのには以下の理由があると思う。

  • クラウドソーシングサイトなどで仕事を引き受けるよりもギャラが良い。とくに金に困っていて「仕事があるのならなんでもやります!」というぐらいに追い込まれているクリエイターにとっては、たとえ胡散臭い界隈からの案件であっても好案件だと感じるのも無理はない。
  • 発注元の情報商材屋が大量のフォロワー数orチャンネル登録者数を持っている場合、クリエイター自身が名を売るいい機会だと判断してしまう。とくに無名で実績と呼べるものが無いクリエイターほど、実績欲しさに胡散臭い界隈の仕事を受けてしまうのも無理はない。(ただし、その実績は自分を持ち上げるの実績ではなく、信用を疑われるの実績になる可能性が高い。)
  • クリエイターの中には幅広い交友関係や社会経験が乏しい人(ほぼ学生同然の若者、就職して働いた経験がない主婦など)が多く、コンプライアンス的に関わってはいけない人・集団について研修等で学んだ経験がないケースがある。結果、「ネット上で有名だから」とか「たくさん稼いでいる」「すごい数字を持っている」ように見せかけている胡散臭い界隈の人間を胡散臭いものと認識できず、仕事を受けてしまう状況が起こりやすい。

などがあると見ている。

とくに絵描きの主戦場たるtwitterは、その拡散力から胡散臭い情報商材界隈も多く利用しており、何らかのタイミングで両者が出会うことは珍しくないだろう。

加えてtwitterでは、イラストや漫画を含む投稿の拡散力は依然として強い。その強さに目を付けてクリエイターに営業する情報商材界隈の方々が出てくるのも、至って合理的な判断だと思う。

 

クリエイターとしてまっとうに活動していきたいのなら胡散臭い界隈と関わるべきではない

最後にクリエイターのなかには仕事を受けることの嬉しさのあまり、自分の作品がどのように使われ方や、自分に仕事を持ってくる人の素性や経歴を調べることについて疎い人が目立つ。

私の経験の話になるが、絵描きの人は自分に優しくしてくれる人であれば無条件にしっぽを振る犬のようにホイホイついていく…という具合に、たいへん危なっかしい部分がある人が多い。

これはそもそも絵で食っていこうとする人は、根本的に人間関係に積極的な人はいない(=内向的である)。そのため、人を見抜く目が養われておらず、胡散臭い人を事前にブロックできないのではないかと私は考えている。

コミュ力のない自分でも仕事が来たと喜ぶべき状況は、実は喜べるようなものでもなんでもなく、せっかくの自分の技術を、誰か泣かせて不幸にさせる事を前提にしている商売に使うような未来があるかもしれない…そういう「もしもの話」を頭に入れておくことが、クリエイターとしてまっとうに活動していくためには大事だと強く感じている。

 

最後にお節介だとは思うが、もしもこの記事を読んでいる人の中にクリエイターを目指しているor既にクリエイターとして活動しお金を得ていると人がいるのであれば、今後自分が長く、そして堂々とやましい気持ちをなく活動していくためにも、胡散臭い界隈と関係を持つようなことはすべきではないというのが私の持論であり結論である。