意識高い系の職場・会社をおすすめできない理由

仕事・ビジネス
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退職して在宅フリーランスになる前、いわゆる意識高い系な社風の職場で働いたり、そのつながりで同じく意識高い系な取引先や経営者とよく関わることがあった。

もちろん、前の職場や関わった人を悪くいうつもりはないが、正直言って私にとっては意識高い系の職場は、およそ他人にはおすすめできないし、仮に入るのであれば相応の覚悟をしておくべきものだと感じた。

何故意識高い系の職場に、そこまでのコメントを出すに至ったのか…について、この記事では語ろうかと思う。

 

夢や理想を強く追い求めすぎて他人の人生を振り回す

ビジネスとして夢や理想を追い求めることそのものは、別に意識の高い低い関係なくどこでも見られるものだ。

しかし、意識高い系の場合はやたらビッグマウスで夢や理想を追い求めることばかりが重要視されてしまい、それに付いていくことで心身ともに疲弊したり、プライベートを必要以上に制限されたり、費やしたものに見合わない待遇で不満が湧き出ることが多々あった。(まぁ、入ったのがベンチャーであり、そういう自己犠牲がどうしても必要だった面もあるにはあるのだが…)

率直に言えば調子に乗った意識高い系の無茶ぶりの尻拭いをさせられるという、損な役回りを任されることがあるからこそ、おすすめできないのだ。

 

また、意識高い系の職場が厄介なのは、夢や理想を追い求める過程でぶつかった壁に対して、現実を直視せず勢いやノリで切り抜けようとする。まるでお粗末な学生イベントのノリしかない。つまり、頭脳プレーができず実質的に無策であることだ。

もちろん、無策では話にならないので、損な役回りを受けるに羽目になった人達がなんとか知恵を絞ったり、足で稼ぎ、ときに謝り、ときに同僚や部下に無理を言ったりして、なんとか尻拭いをする羽目になる。

様々な関係者がいるのに、ほぼ個人的な夢や理想の実現のために振り回される方の身になって欲しいものである…という、腑に落ちない感情が、意識高い系の職場や社会人と付き合う中でグツグツと湧き出て止まらなかった。

 

 

望んでもいないのにプライベートや思想信条に干渉してくる

自己投資という名の自己啓発的な勉強に余念がない彼らは、自分の思想信条を磨くに留まらず、他人の思想信条まで磨こうとすることにも熱心である。

おそらく意識高い系に関わったことがある人なら聞いたことがあるであろう「マインドセット(≒思考法)」を、他人に伝授したがることが、私にとっては困りものであった。

そして、マインドセットの伝授は仕事の時間だけでなく、趣味の内容やプライベートに対する口出しされて、本当に困りものであった。(プライベートへの干渉に関しては、今の基準であれば、パワハラ認定される可能性もあるが、正直怒る気力は失せていたし、諦めの念が強かった。)

 

そのほかにも、例えば将来のキャリア、お金、健康など、今考えたからといってどうこうならない問題をよく口にして、周囲の人の不安を煽ることも多かった。

もちろん、いつかはそういった不安に自分なりに対処すべき場面は来るのだろうけど、望んでもいないのに不安や焦燥だけを煽るような話題を口にして、こちらの労働意欲に水を差す行為には、たいへん苦労したものだ。

まぁ、仕事をするなかで不安がないといえば嘘ではないが、その不安をどうにかするためには、とりあえず目の前の仕事を地道に片付けていくしかない。

しかし、意識高い系の社会人たちは、目の前の仕事を片付けるのをサボるために、あえて意識高い話題を口にして時間を潰しているのでは…と疑いたくなる事が多かった。

果たして、意識が高いのか、それとも意識が低いのか…。そんな矛盾している言動が、意識高い系の職場や社会人に対して、私自身の「もやっとした感情」を募らせた要因と見ている。

 

 

意識高くない職場や他社に対してナチュラルに見下す

意識高い系の職場には、意識の高さだけでは負けていないという(別になくても困らないであろう)自負があると同時に、自分よりも意識の低い職場や団体に対して、自然と下に見ることが多いのも特徴的であった。

中には、「老害」「既得権益」「お役所仕事」など、穏やかではない言葉を度々口にした。自分よりも格下であると見た相手を汚く罵っている所に、他者に対する敬意の低さや道徳心の妙な偏り、選民思想のようなものを感じて恐ろしくなった。

おまけに、SNS上でそういった思想信条を垂れ流しにしてることもあり、そのことは私の中で「この人と関わると炎上案件に巻き込まれる率が高い」という貴重な学びを得るにいたった。

 

もちろん、相手を下に見る感情をもつこと自体は否定しないが、そういった感情のコントロールができず、つい調子に乗ってイキり散らすような真似は、どこか幼稚で、たいへんみっともなく見ていて悲しくなった。

ちょっと知恵が付いたからといって急にえばり出すような人と仕事をしようものなら、自分もそのような品のない人だと思われているのではないか…と他人から見られることが私には耐えられなかった。

意識の高さの前に、社会人としてのモラルや品格の方を身につけておいて欲しいし、そういう節度を守れるひとと仕事をする方が、私にとっては大変ありがたいことだと感じるし、他人に安心しておすすめができる。

 

…ということを述べて、今回はお開きにさせていただく。