10年近く前の私が意識高い系大学生だったときに、いわゆるビジネスセミナーや異業種間交流会に何度か参加してい…というかリピーターだった。そこでは、社長や役員の方々と出会うことがあった。
ただし、ここでいう社長や役員は、決して有名企業の方々ではない。むしろ無名の会社、業績が振るわなくて一人社長をせざるを得ない状態の会社、家族経営なので便宜上の役員をしている方々…というような方々であることは補足しておく。
余談だが、現在その時に出会った社長や役員の方々の大半は、新型ウイルスの影響よりも前からまり芳しくない調子である。言い方は悪いが、あの手の人生に迷っている人が集まるよミナーに来てしまう程度の人だからこそ、現在も振るわなかったのだろうと思っている。
今回はそんな経験も踏まえて、自己啓発にハマる社長の特徴について語ろうと思う。
自己啓発にハマる社長の特徴
自分で物事決められない、責任回避傾向が強い
自己啓発にハマる社長は、社長であるのにもかかわらず自分で物事を決めるのがことごとく苦手であり、なにかと他人や環境などの自分以外のものに責任を見出す傾向が強い印象を感じた。
もちろん、あからさまに「政治が悪い」というような発言をする光景は見なかったが、なにかと「どうすれば儲かりますか?」「○○って商売・ビジネスはどうですか?」というような発言を見聞きした。
儲かるか儲からないか、やるかやらないかを自分で決めずに誰かに背中を押してもらえないと決められない。自分の会社なのに、あまりにも当事者意識や主体性が無く、普通に雇われで働いてたほうが失礼ながらいいのではないかと思うような他人任せの精神性の持ち主だからこそ、強い口調で話すセミナー講師(現在ならビジネス系youtuber)に惹かれるのも無理はない、過去を振り返って感じてならなかった。
教えてもらう姿勢が強く、自分で学ぼうとしない
上からの続きだが「○○教えてください」というような姿勢が強いのも目立った。
まぁ、お金を払ってセミナーに来ているので「教えてください」と言うのはもっともだとは思うが、教えてもらうよりも前に自分で学ぼうという姿勢がまるでないのが気になってならなかった。(もちろん、日頃多忙で勉強する時間がない可能性はあるが、もしそうであれば社長自身がセミナーに来る時間は無いという考え方もできるのだが…)
私が思うに、社長職の人に限らずこの手のセミナーに来る人は自学自習の習慣が無い。勉強と言えば教えてもらうものであり、進んでやるようなものではないという認識を持っているようであった。そんな調子だから、世間や商売の移り変わりに疎く、仕事があまりパッとしていないのではないかと感じてならない。
胡散臭いものに近づかないよう行動するだけの基礎的な能力に難がある
正直言って私がかつて参加していたセミナーは、胡散臭いものであると言わざるを得なかった。
こういった胡散臭いものに引っかかった過去を持つ私だからこそ思うのだが、胡散臭いものを胡散臭いものとして認識して近寄らないようにするだけの常識的な感覚、嗅覚、自制心、情報の取捨選択能力に難がある人が、当時セミナーに来ていた人達にはあったと感じている。
君子危うきに近寄らずという言葉にあるように、わざわざ見えている地雷を踏みに踏みに行くような真似は普通しない。
しかし、その普通すらできないような感覚や感性の持ち主人だからこそ、胡散臭い自己啓発セミナーに足を運んでしまうだけでなく、今ひとつパッとしない業績だったのだろうと(失礼ながら)分析している。
セミナーに参加するような人をメインの顧客にしているケース
最後に、ただなんとなく間抜けだとか、心が弱っているだとかという理由でセミナーに来ているのではなく、そういった人たちが自分の事業のメインターゲットであるために、セミナーにいている社長や個人事業主の方々も、少なからずおられた。
つまり、新規顧客開拓のために誰かが主催しているセミナーや異業種間交流会に参加していたのだ。
もちろん、異業種間交流会のような場面なら、その場でさりげなく営業を行って後日正式に話を進める…というやり方は、会によっては認められていることもあるだろうし、そこまで目くじらを立てるようなものではない。
しかし、失礼ながらこの手の誰かが開いたセミナーで自分の営業を行う人は、あまり客層がよろしくないことを自覚しているのか疑問である。
かつて書いた「ビジネスターゲットとしてのメンヘラ層についての考察・見解」を参考にして欲しいが、この手のセミナーに来ている人は、言い方は悪いが精神的に難が多い人であり、時間はあるけど金がない傾向がある。そんな人達をメインターゲットとみなすような商売は、仮に稼げたとしても不要な苦労をする可能性が高い。
つまり、今までどおりパッとしない生活のままになる可能性が高いからこそ、もう少し自分のやってる商売、および自分の精神性について考え直した方が良いのではないか…というのが私なりの見解である。