真面目な人ほど自己啓発にハマる理由を語る

真面目
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自己啓発セミナーや自己啓発本・動画など、あらゆる自己啓発コンテンツにハマる人の中でも、とくに真面目な性格をしている人が、いわゆる意識高い系の人と関わる中で多く感じた。

とはいえ、自己啓発系サービスを展開している(妙に胡散臭い)セミナー講師やインフルエンサー、イケイケなフリーランス、経営者、ビジネスマンは、どれも真面目な人とは相容れない性格の持ち主であろう。

ネットスラングや若者言葉で言うなら、真面目な人は陰キャラ、自己啓発コンテンツを売る側は陽キャラであり、お互いに違うタイプの人である。

なのに、なぜ真面目な人ほど陽の方々が提供する自己啓発にはまってしまうのかについて、個人的な見解を述べさせていただく。

 

真面目な人が自己啓発の優良顧客にしやすい理由

「真面目なのに報われないのは辛いよね」と寄り添えば、すぐに信じるほどにチョロい

真面目な人ほど真面目な自分にコンプレックスを感じていたり、「真面目なのにどうして自分は報われないんだろう…」という類の嘆きを抱えていることが多い。

本当であれば、真面目な生活を続けた結果、多くの人から認められるような社会的地位なり、才能なり、収入や人望がある人になりたいのに、それが叶わず日々鬱々とした暮らしをせざるを得ないことに自己嫌悪している。

そんな心が疲弊している真面目な人こそ、自己啓発にのめり込む才能のある人と言っても過言ではない。

普段の生活で散々心が弱り果て、隙だらけな状態であるのがわかれば、自己啓発を売る側からすれば「あなたが頑張っているのはわかるよ、真面目なのに報われない乗って辛いよね…」と優しく寄り添えば、簡単に共感してくれてるし、自分を信じてくれる。

要は、優しくしてくれる人にチョロいからこそ、真面目な人は自己啓発という疑わしさが拭えない商品を展開する人にとっては格好のターゲットになるのだ。

 

人の言うことを鵜呑みにする素直さがある

真面目な人は他人を拒絶する事や「この人怪しいなぁ」と疑いの目を向ける事が苦手だ。

どんな人であっても「他人を疑うのは良くないし、疑おうものなら真面目に生きてきた自分自身を否定することになる」という恐怖がある。だからこそ、自分を犠牲にしてでも素直に、実直に信じ込んでしまうのだ。(そして、この思考こそ真面目なのに人間関係や金銭面で損をする原因になる)

 

その素直さこそ、自己啓発コンテンツを売る側からすれば、実にありがたい。

コンテンツの詰めが甘かったり、大げさな表現や誤解を招く表現があったり、そもそも内容が抽象的で中身に乏しかったり、ただ当たり前の事を当たり前に言っているだけであったり、最初っから嘘やデマが紛れ込んでいたり…と、つつけばいくらでもボロが出るような自己啓発コンテンツであっても、そこに指摘や批判を出すような真似はしてくる確率は低い。

真面目な人自身、優しく寄り添ってくれた相手である以上、その人が提供するコンテンツを疑うことは、自分を認めてくれた人を裏切ること同じである。そして真面目で素直な自分を自ら否定することにもなる。

その怖さがあるからこそ、一見すると売ってる人は優しいが、その人が売ってるものには違和感を感じても、その商品を買ってしまうのだ。

そうすることで自分が信頼している人を、そして自分自身を傷つけなくて済む…が、これこそ、自己啓発という名の泥沼に本格的にハマる入口なのだ。

 

「コツコツ努力すれば報われる」という思想に馴染みがある

真面目な人は「コツコツと努力をすれば報われる」という考えに馴染み深く、コツコツ頑張ることを良しとする人であれば、相手の素性をよく調べもせずにコロッと共感や同調してしまう傾向がある。

そして、馴染み深いからこそ自己啓発コンテンツを売る側からしても「(胡散臭さはあるけど)このコンテンツを買ってコツコツとインプット&アウトプットをすれば、人生を変えることができます!」と言えば、簡単に財布の紐を緩めてくれるので、真面目な人は優良顧客になるのだ。

もちろん、勉強も仕事もとりあえずコツコツ続けていけば何らかの成果が出ることは大抵ある。しかし、そこで手にした結果は、自己啓発コンテンツを売る人のものを買わなくてもコツコツ頑張れば出ていたかもしれない…という考えが出てこないのが、真面目すぎて自分を信頼した人しか見れなくなるがゆえに起きてしまう。

 

「結果が出ないのは自分の努力が足りない」という自責思考が強い

「コツコツ頑張れば成長できます、お金が稼げます、スキルが手に入ります」という言葉を鵜呑み…もとい、信じて努力するものの、なかなか結果が出ずくじけそうになってしまった。

この場面で真面目な人は「結果が出ないのは自分の努力が足りないからだ」…と、自分に原因があると結論づけてしまう。つまり、自責思考で物事を見てしまう癖がある。

他責思考のように、自分がうまくいかない原因を他人のせいにして被害者ぶる人と比べれば、トラブルは少ない。しかし、このトラブルが少ないことこそ、自己啓発コンテンツを売る側から見て好都合なのだ。

何度も言っているように、自己啓発コンテンツの大半は抽象的で、どうとでも解釈できてしまうぐらいに詰めが甘い。そもそも過度な誇張や脚色、わかりんくい嘘を混ぜ込んだものもあり、再現性も怪しい。

そんな、疑わしさが拭えない本なり情報商材なり、動画教材にある通りに進める前に、コンテンツの中身に対してクレームなり指摘をすればいいのに、真面目には人はそれができない。

言われたとおりに行動しても、そもそも再現性が乏しいのであれば効果は期待出来ないのも当然だ。にもかかわらず「うまくいかないのは自分が悪いんだ」と結論づけて、怒りの矛先がコンテンツを販売している人に向かないからこそ、自己啓発という名の疑わしさが拭えない泥沼にハマってしまうのだ。

…と、いうことを述べてこの記事はここでお開きにさせて頂く。