youtubeのマンガ動画が苦手だという話について語る

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youtube上には、マンガ形式で声が当てられている動画…すなわち、マンガ動画がたいへん人気のようで、急上昇ランキングに度々入ったり、ひとつの動画で100万回再生を記録するなど、まさにトレンドの最先端に存在しているコンテンツといえよう。

しかし、私にとってはそれらのマンガ動画の多くは、誤解を恐れずに言えば前回書いたビジネス系youtuberの記事同様、信ぴょう性に乏しいのにもかかわらず事実であるという体裁で投稿されており、実にタチが悪いと感じるものが目立つ。

また、サムネを見て真っ先に「寒い」と感じるものや、刺激や過激さのみを売りにしていることが見え見えで、あまりの品の無さにうんざりしてしまうものも目立つ。(まぁ、youtubeという動画投稿サイトに品格を求めるのも筋違いだとは思うが)

今回はそんなyoutubeに溢れるマンガ動画が苦手であるということについて、諸々と語らせて頂こう。

 

youtubeのマンガ動画=まとめサイトの焼き直し

単刀直入に言えば、マンガ動画のシナリオはかつて流行ったに2ちゃんねる掲示板のまとめサイトの内容を、そのまま焼き直ししていると感じるものが多い。

私自身、まとめサイトは(かつては)見ていたが、次第に内容の単調さに飽きを感じたり、過激さ、刺激を追い求めるまとめ方に虚しさを感じたりして、今では滅多に見なくなった。

いわゆる「嘘松」というネットスラングにもあるように、まとめサイトもマンガ動画も事実風に見せかけて、その内容にはフィクションが含まれているように思えてならないものが多く、娯楽としてまともに見るのも辛くなる。

 

もちろん、まとめサイト以外からもネタを仕入れている動画はあるにはあるが、そのどれもがどこかのキュレーションサイトやウィキペディアをコピペしてきたものであり、独自取材されたものは、まずないと言っていい。

それもコピペする最中に、情報に過度な脚色や誇張を加えたり、そのままコピペしたのではエンタメ要素に欠けるため、(茶番に近い)フィクションを混ぜ込んだ結果、劣化コピペと呼ばざるをえない状態になっていることが、マンガ動画に対する苦手意識を強めているのだと感じる。

 

 

マンガ動画が抱えるデマや誤情報の拡散の怖さ

とくに、歴史や医療など、勉強目的や教養を深める目的で作られているマンガ動画の中には、デマを含んだままの状態で投稿されると同時に、そのまま大量の視聴回数を稼いでることが目立つ。

 

最近の流行で言えば新型コロナウィルスに関する情報は、まさに格好のネタだ。

現に新型コロナウィルスに関する情報は多くの人が関心を持っている。これがどういうことかというと、コロナに関する情報は、視聴回数を容易に稼ぎやすいネタであるということだ。

おまけに「新型」とあるように、ウィルスに関する情報はまだまだわからない事が多い。そんな状況下で「これがコロナの事実ですよ!」という断定口調の色が強いマンガ動画を投稿すれば、拡散される可能性も高いだろう。しかし、それと同時にデマや不確実な情報を広げたとして、多くの人に不安や混乱を与えかねない。

 

また、マンガ動画の多くは再生回数に応じた広告収入を見込めるため、その仕組みを利用してとにかくデマや不確実な情報でもいいから、マンガ動画を投稿して多くの収益を短期間で稼ぐことも、やろうと思えばできてしまう。

しかし、これは自分たちの利益欲しさのために赤の他人に不要な不安や混乱を起こす、およそ商売としての品格やモラル(道徳)に反するやり方だ。この、品格なきビジネスモデルに強い苦手意識を感じているのだ。

 

 

強い刺激的な内容、過激なサムネで釣る方法に感じる怖さ

マンガ動画は視聴者の目に止める事を意識しているため、とかくサムネやタイトルを過激なもの、刺激の強いものにする傾向が目立つ。

例えるのなら、

  • いじめや不倫などの不道徳に反するもの
  • 過剰にモテや恋愛に関するネタを含むもの
  • 暴力的な表現、恐怖心に訴えかけてくるもの

など、およそ上品とは言えない。むしろ下世話な内容を含むサムネやタイトルで気を引こうとする。(個人的には、電車内の週刊誌の中釣り広告の見出しと、いい勝負をしていると私は思う)

しかも、そうした過激な内容のサムネやタイトルが、youtubeのメイン視聴者である若年層が見ていると思うと…うまく言葉にしづらい恐怖を感じてならない。

若い頃から、ただ刺激あるものや過激な表現ばかりに触れて、それらに慣れてしまう。

たいへんなお節介かもしれないが、そんなに刺激ばかりを若いころから追い求めていては、いずれはより刺激の強いもの…例えば、過剰なギャンブルや飲酒、危険な恋愛や人間関係に対しても恐怖を感じなくなるという、若年層のモラルの低下を招くのではないか、という不安がある。

 

もちろん、モラルの低下は少々行き過ぎきかもしれない。

しかし、わかりやすく刺激の強いものばかりに慣れ親しんだことで、例えば日常生活の中のちょっとした風景やその変化を楽しむといった、些細なことに対する感受性が損なわれるのではないかと、クリエイター職である私は不安に思う。

ということを述べて、今回はお開きにさせていただく。