youtubeのサムネを見て「うざい」という率直な感想や、見てはいけないものを見てしまったときに感じる不快感、苦手意識を感じた人は、きっと多いと思う。
変顔、黄色・赤のデカデカとした文字の羅列、見る人の不安を恐怖、焦りを煽るキャッチーなコピー、サムネを二分割にした漫画動画でよく見るサムネなど、シンプルにいえば「うざいなこのサムネ」と思わせるようなサムネが多い。とくに急上昇一覧には、この手のサムネが並ぶことが多いものだ。
もちろん、このうざさを感じさせるサムネが広まっているのには理由がある。私自身もともとウェブ広告の仕事をしていたので、不快感を感じさせるサムネをあえて掲載する意図については想像ができる。
今回は、そんなうざいサムネについて、個人的な見解を語ろうと思う。
youtubeのサムネがうざいデザインにしている理由
単純にいえば、
- 「この動画なんか面白そう」「興味が出てきた」と感じた人、あるいはとくに何も抵抗を覚えない人にクリックさせる
- 「うわぁ…このサムネうざいなぁ」と思う人にクリックさせない
ために、あえてうざいデザインで作っているのだ。
つまり、一定数反応するであろう人に響くようなデザインである&興味のない人が間違って視聴しコメント欄や評価欄を荒らされないために、意図的にうざくしているのだ。
いわば、youtubeのサムネ画像は確実にこの動画を見て欲しいと想定しているターゲットだけをおびき寄せるために、見る人から見れば「気持ち悪いサムネだなぁ」と思わせるようなデザインにしているのだ。
動画を見てもらえるか否かの入口はサムネである。少しでもたくさんの視聴回数を稼ぎたければ、なるべく刺激的で目立つもの、視覚に訴えかけるようなデザインにするのが肝心だ。
しかし、視聴回数こそ増えたが低評価&アンチコメントの嵐になるのは、動画投稿者からすれば避けたいことである。また、もしもビジネスとしてyoutubeを利用していきたい場合は低評価の多さはイメージ悪化や収益化悪化のリスクもある。
そうならないためにも、ある一定層を呼び込めるデザインであり、且つお呼びでない視聴者が動画を見る前に丁寧にミュート設定していただけるよう促すために、あえてうざいサムネ画像を作っているのだ。
なお、サムネだけでなく動画のタイトルも同様であると補足しておく。タイトルの場合サムネと違って視覚には訴えかけづらいが「知らないと損」「99%の人が知らない」など、誇張していることが見え見えな表現・煽り文句で視聴者の選別をしていることがある。
サムネ別ターゲットにしている視聴者のイメージ
今度は、私が確認できた範囲でサムネ別の想定視聴者とお呼びでない視聴者のイメージを説明していこう
変顔系&ナルシストな芸風系
変顔、イキリ顔など、過剰な泣き顔や笑顔など顔でえ訴えかけてくるサムネのこと。見る人によっては人を小馬鹿にした表情をしているので反感を買ったり、幼稚さを覚えるサムネのデザインであろう。
このサムネのメインターゲットは幼稚さに訴えかけやすいキッズ層や、tiktokなど顔(表情)を使った芸が多いノリに染まっている層、変顔によるコミュニケーションに馴染みがある陽キャラ層である。
逆に、変顔によるコミュニケーションに馴染みがない陰キャラ層、精神年齢が高めの層は、サムネの時点で来させないようにデザインされている。
仕事・生活・恋愛・人間関係の不安を煽る系
- 仕事(就職、転職)やお金(貯金や収入)に関する不安を煽る情報
- モテない男or女がやっている事○○選…など、恋愛に関する不安を煽る情報
- 絶対に関わってはいけない人○○選…など、人間関係に関する不安を煽る情報
など、普段の生活の中に何かしらの不安や悩みを抱えている人をターゲットにしていることが伺えるサムネのこと。
「あ、この動画何か不安がある人を訴えっかけるために、キャッチーなサムネにしているな」と、なんとなく感じられる人や、そもそも悩みなどない人をサムネの時点で来させないようにしている。
病んでる雰囲気、メンヘラを匂わす系
ヤンデレ、メンヘラ、病んでる私が感じる○○…など精神的に病んでいることを匂わすサムネのこと。
メンヘラな人に興味がある男女や、自身もメンヘラに関わったことがある人、自身もまたメンヘラであると自覚している人がメインターゲットである。
動画そのものがデリケートな内容であるため、心身ともに健康な人や、メンヘラに対して偏見や苦手意識がある人は来させないように、サムネの時点でメンヘラを含むコンテンツであることを提示している。ある意味親切設計なサムネとも言える。
大文字散りばめ系、インパクト重視系
大食い、ドッキリ、実験&検証系、ロケ動画…など、何かしらインパクトがあるいい画が見られるであろう動画に多いサムネである。
しかし、インパクト重視のために過激な表現方法(赤&黄色の太文字)を使うために、非常にうるさく混沌としたサムネになる。
このうるささに抵抗がないぐらいに刺激や過激さ、バラエティ・エンタメ要素を求めている層がメインターゲットになる。(また、インパクトという点では変顔系のサムネに通ずるものもある)
逆に、静かで落ち着いた動画を好む層は、サムネの時点で大まかに内容を察せるので、こちらもまた親切設計なサムネである。
純粋に他の有名youtuberのサムネを真似ている可能性も十分にある
最後に、しっかり意図があってデザインをしているのではなく、単純に「有名なユーチューバーがやっているから…」という理由で、模倣して同じようなサムネを作っている可能性も十分にある。
youtubeの世界に動画や映像編集のプロが参入してきて久しいが、まだまだアマチュアのユーチューバーも多い。
そういう人たちはデザインどうこうよりも、憧れている人や流行に合わせて、あえてウザさを感じさせるようなサムネを作っていると考えられる。