ネット上で努力を見せる人・行為について思うこと

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この記事は「努力を隠す方が良い状況、環境について説明する」の続編である。

私は、努力を見せるか隠すかについてはTPOによりけりという考えの持ち主だが、ことネット上(SNSやyoutube)において努力を見せることについては、どちらかといえば懐疑的&慎重派な意見である。

今回はその理由について、個人的な見解を述べようと思う。

 

ネットで努力を公開すると馴れ合いが発生しやすい

SNSやyoutubeなどで勉強や趣味の練習風景などをコンテンツとして投稿している人は多い。実際に何か頑張っている人に影響を受ける人も多いために、比較的評価が良い傾向がある。おまけに、コメント数やPV・視聴回数も稼ぎやすい。

そうした目に見える数字などが得られた結果、モチベーションがアップして、次の努力にも身が入る…という好循環が期待できるために、ネットで努力を公開することは、努力を重ねて何者かになりたい人には有効な手法と言える。

 

しかし、一方では同じく努力している人達や、そういう人に憧れている人達が自分の発信しているコンテンツに集まり、馴れ合いの関係を構築してしまうこともある。

努力することよりも、慣れ合いの関係の中で行われる必要性の薄いコミュニケーションや相互評価、人間関係などに労力を注ぎ込むようになってしまい、中途半端な努力しかできなくなるケースもある。

なお、リアルの人間関係と比較してネット上の場合は検索機能があるために、「この人の実力は大体自分と同じぐらいだろう」と思える人と簡単に、そして気楽に出会いやすい。

これは、同等の実力の人と出会えた結果、孤独から解消される良い側面もあるが、同時にリアルの人間関係以上に「馴れ合い→堕落」へと発展しやすいという悪い側面があるとも言える。

 

評価やいいねが欲しいために簡単でインパクトの強い練習に傾倒する恐れがある

努力そのものをコンテンツとしてアップする中で、たくさんの評価や「いいね」がもらえるようになると、それらの数字を稼ぐことばかりに集中してしまい、今自分がすべき努力を放棄してしまうことがある。

要するに、他人からの評判ばかりを気にして、地味で短調ではあるが基礎的な練習で徹底的にこなすべき必要性がある努力も、とにかく派手で人の目を引き「自分はこんなに頑張ってますよ!」と印象付けることに特化してはいるが、基礎でもなんでもないただのパフォーマンスでしかないものにエネルギーを注ぐようになってしまう…という具合に、本末転倒な状態になる恐れがあるのだ。

もちろん、数字が稼げた結果として、例外的に有名になれることがあるとは思う。しかし、その道のプロの視点から見れば「この人基礎的な技術がまだまだ未熟だなぁ」と見透かされてしまう可能性は十分にあるのだ。

 

まぁ、ネット上ではその道のプロのような人よりも、ごく普通の人が圧倒的多数であるし、そういう人に向けて自分が何者かであるかのように演出をして売り出していく。これは、セルフブランディングやマーケティングの一種としてみれば正しいし、短期でバズらせることに成功する将来像も見込める。

しかし、いいねや視聴回数ではなく、自分の実力を高めていくことこそが本来の目的だと感じている人は、目先の数字の上下動に一喜一憂しないこと、地味で短調でインパクトがあるとは到底言えない努力を惜しまないことを個人的に推奨したい…と、一フリーのクリエイティブ職で地味ながらも堅実に生活できている私は強く思う。

 

 

「初心者ですが努力して成長します!」という姿勢そのものに、情弱とみなされるリスクがある

最後に「○○初心者ですが日々努力しています!」という姿勢を見せることは、場合によっては「自分は情報弱者ですよ」とアピールするのと同じというケースもある。

特に初心者に向けて自分の商品やサービス(オンラインサロンなど)を展開している人からすれば、初心者&努力してますよアピールをする人は、まさに理想のカモ…もとい、顧客である。

また、初心者であるからこそ、懇切丁寧に指導する人のことを「いい人」「優しい人」と思ってしまう…という心理を巧みに利用して、最初は無料or低額だが次第に高額な商品、サービスを売り込む。場合によっては金だけでなく、人脈も搾り取る…というような、たとえようのないド畜生みたいな人々が、ネット上には思いのほか多いものだ。

そういう情弱を刈り取るような悪質性の高い商売をしているド畜生な方々のターゲットにされたくなければ、努力してますよアピールをするのは控えたほうが身のためである。

特に、努力して何か新しい仕事ができるようになりたい、新たな収入源を確保したい…と思っている人であれば、より一層ネット上で迂闊に努力していることをアピールしないほうがいい。