勉強や仕事、芸術などのあらゆる分野において良い成績・評価を得るためには、(必ず報われないのを承知した上で)努力することが何よりも重要である。
しかし、その努力を人前で見せるべきか、あるいは隠しておくべきかについては人によって意見が分かれるものだろう。
かく言う私は、「見せる」か「隠す」かについては状況や環境次第である…という考えを持っている。つまりTPOに応じて考えるようにするというのが、私の持論である。
今回はその中でも、努力を隠すべき場面について個人的な見解を述べていこうと思う。
努力を隠したほうがいい状況・環境
周囲に依存体質の人やクレクレ気質が多い場合
自分の身の回りに、他人への依存心が強くタイミングを見計らってきては「○○してくれる?」「」○○をお願いしていい?」と、努力している自分に対してアプローチをかけてくる人が多い場合は、私は努力を隠すべきだと思う。
ネットスラングのクレクレ気質(=物乞い癖)な人が周囲にいる場合も同様である。
このタイプの人は努力している人に感謝する素振りを見せることはあるものの、基本的に自分の楽や得のために、頑張っている人を有効活用しようとする傾向が強い。また、努力家な人に面倒事を任せる割には、金銭的なものも含む報酬をケチる傾向もあるために、まともに要求に応じることは推奨できない。
なお、面倒事をほいほいと安請け合いするようになれば「あの人は無料で面倒事を引き受けてくれるチョロい人」と他の人からもみなされるようになり、結果として努力家ではあるが貧乏暇なし状態になる可能性が高い。
こういう言い方はちょっと誤解を招くかもしれないが「お高くとまる」こともまた、自分をまっとう且つ妥当な評価をしてくれる人と関わるためには必要な行動といえよう。
負けず嫌いをこじらせている人がいる場合
以前書いた上の記事でも触れたが、負けず嫌いをこじらせてしまい、他人の努力を妨害することで相対的に自分の敗北に近い状況をマシなものにしようとしている人が周囲にいる場合も、同様に努力は隠したほうが良い。
なお、負けず嫌いをこじらせた人は明らかな敵意を見せて邪魔をして来ることは稀である。
たいていは味方のフリをして優しく近づいていては、「頑張ってばかりでは体が持たないよ」と最もらしいことを言っては、サボり癖やダラけ癖を誘発するように仕向けて来ることが多い。(ちょっと昔に某個別指導塾がCMに登場していた、勉強からサボるためにあれこれ画策する真っ黒いキャラクターみたいなことをしてくる傾向がある)
わかりやすく言えば馴れ合いの関係を持ちかけてくることが多いために、意識的に努力している姿を見せないことが大事である。
また、自分の身近な場所(ネット上含む)で馴れ合いの関係がすでに出来上がっている場合は、深入りしない方が良い。努力するための時間と労力を、馴れ合いの関係に注ぎ込むことは推奨しない。
いわゆる底辺に近い人間が周囲にいる場合
学歴、所得、資産のみならず人間性や精神年齢、モラルなどの面を総合的に考慮して、いわゆる社会の底辺に近い人がいる場合も、同様に努力を見せるべきではないと私は考えている。
こういう人に努力している姿を見せることは、たとえ自分に悪気がなくとも結果として努力している姿そのものが、相手の劣等感を刺激してしまう。あるいは、努力しないで生きていることへの罪悪感を刺激してしまうことがある。
そうして溜まったストレスを、なんの悪気もなく努力している自分に向けて来るようなことが内容に、いたずらに努力を見せびらかさない方が賢明なのだ。
(言い方は悪いが)クズな人がクズらしく、クズとして堂々と胸を張って社会の中で生きていく中では、努力家な人は目障りであり自分を否定する存在そのものである。
そのように感じてしまう人もまた、多様な人が暮らすこの社会の中では少なからずいるからこそ、努力している姿を隠すことの必要性を、努力家な人は知識として持っておいても損はないと思う。
何よりも結果を出すことを求められている状況
自分が置かれている環境の方針や目標のようなものが「とにかく結果を出しなさい」というものである場合も、努力を隠しておいた方がいいと言える。
下手に努力をアピールしてしまうと「で、結果は出せるんだよな?」とか「頑張っているフリしてるぐらいなら少しでも結果を出せ」という類の厳しい反応が返ってくる可能性がある。そのため、粛々とすべき努力をして、確かな結果を出して相手を唸らせるよう動いたほうが良い。多くの人がどこかで一度は見聞きしたであろう「口よりも手を動かす」ことが求められている場面が、まさにこれである
なお、これについては、今まで触れたものよりは隠さなければいけない度合いは低いので、そこまで神経質になるものではないという考えもできる。
しかし、関わる人によって「過程より結果」という姿勢で強く結果を求めてくる場合もある。冒頭でも触れたが、TPOに応じて臨機応変に対応することが望ましいと言える。