自己啓発セミナーに洗脳された友人を助けてはいけない理由

自己啓発・意識高い系
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かつて私は意識高い系な友人と関係があった。その友人は自己啓発本に飽き足らず、学生にしてはそれなり大きい金額を叩いてセミナーに参加するという、まさに自己啓発マニアな人間であった…が、今は関係を切っている。というか自然に切れたといったほうがいいかもしれない。

そんな経験を経て感じるのは、自己啓発セミナーに参加するほどまでに強く洗脳され、催眠状態になってしまった友人を安易に助けてはならないということ、である。

今回は、そう結論づけた理由について語ろうと思う。

 

いい友達、面白い友達ほど自己啓発にハマりやすい

まず友達(Bさんとする)のことを一応フォローしておく。Bさんは同年代の友達の中でも向学心があり熱心に打ち込む、いわゆる利口で真面目な性格の持ち主であり、いい意味で魅力があった。

一方で、効率よく成長したい欲が強く、そのためなら耳障りのいいことをいう大人の意見を鵜呑みにしてしまう危うい真面目さも持ち合わせていた。そういう危うさは他の平凡な人には見られない悪い魅力である。

いずれにせよ、私にとっては良くも悪くも魅力のあるBさんであったが、今にして思えば強く断定的な言葉で今後起こりうる混沌と不安を語ると同時に、そんな先行きの見えない世の中を生き残る術を説く自己啓発にのめり込むのは無理はなかったと思う。

 

自己啓発セミナーにはまった友人を助けない方がいい理由

自分も勧誘されてしまい時間と労力を奪われる

そんな魅力のあるBさんであったが、自己啓発にはまって変わり果てた姿は見ていられなかった。

言い方は悪いが、人として捨ててはいけない矜持を捨ててしまった。超えてはならない一線を超えてしまったように感じて、なんとか助けたいと思った…が、同時に助けることで今度は自分が一線を超えた側に引きずられそうな気がして、関わりが自然消滅するように距離を置くようにした。

仮に引き止めたり、元の世界・社会に戻そうとするのは、自分の時間と労力をただいたずらに消費すしてしまう懸念があった。また、言いくるめられてなんやかんやで勧誘されて、時間と労力、そして金と交友関係を失う恐れがあるからこそ、私は距離を置いた。

 

自分も洗脳されて友達を誘う側になってしまう

あの時もしも引き止めようと奮闘するも、結果として自分も自己啓発セミナーに参加してしまっていたら、おそらく私も一緒にセミナー主催者の催眠にかかってしまい、勧誘する側に回っていたと思う。

こうなれば、私は胡散臭い商売の片棒を担いでしまった人間。つまりある意味で罪人であり共犯者であり、その過去を背負って生きていかなければならない。また、かつて自己啓発セミナーに関わっていたことを指摘され続けて、肩身の狭い人生を送ることになっていただろう。

友達という名の人間関係をはした金に変える…そんな、卑しく品性の欠片もない商売の片棒を担いでいたという人生の汚点を作らないためにも、自己啓発セミナーにはまった友人を助けることはしないほうがいい。

なお、こういうことを書くと「失敗を恐れていては何も始まらない!」と自己啓発マニアな方々からツッコミが入りそうだ。しかし、あえて言わせていただくのなら、見え見えの地雷を踏み抜くような真似はしないのが賢明である。君子危うきに近寄らず…だ

 

友達と関わりがある以上、あなたも「カモ」と見なされる

洗脳された友人と関わりがある以上、自己啓発セミナーの主催者・運営者の視点から見れば、私は潜在的な顧客候補。つまり「カモ」なのである。

友達との関係を断ち切れていない以上、断りづらい性格の持ち主であることや、自己啓発に対してそこまで強い抵抗感がない人であるとみなされやすい。つまり、優良な「カモ」なのである。

そのように「カモ」とみなされてしまうことに、私は純粋に怒りを覚えた。もちろん、その怒りは友達のBさんには向けなかったが、これ以上関わって「カモ」扱いされて面倒事に巻き込まれるリスクがあるので、次第に距離を置いた。

 

自己啓発の主催者はプロ、人を言いくるめる方法を熟知している

最後に、無理に洗脳から助けようとしても、ある程度洗脳されているとこっちを言いくるめてくる可能性がある点について触れておこう。

自己啓発の主催者は、えてして人を説得する技術…つまり、カモ気質な人を狙ってうまく言いくるめるだけのトークスキルは磨かれているものだ。

自分のセミナーが権威があるもの、効果があるものとして説得することだけは上手だからこそ、社会経験のない学生や主婦を言いくるめるのが上手である。(なお、そのトークスキルどこかの胡散臭い起業塾かブランディングセミナーで学んだ知識の応用であると推察される)

加えて、そのトークスキルを真似するようにセミナーの参加者に教育することがある。ここで、セールスライティングやブランディングという名の、人を言いくるめるプロからトークスキルを学んだ友人との会話に、なんの知識もない普通の人が太刀打ちできるか…については疑問が残る。

下手に素直で真面目な人ほど、自分が人を言いくるめて不幸にさせるトークスキルを学んでいるとは疑わず、無邪気に友達をセミナーに誘おうとする。

私自身、当時はあまりトークスキルとか人を言いくるめる知識など持っていなかった。下手に助けようとしたら、なんとなく言い負かされるような雰囲気がする。下手にセミナーに参加しようものなら、それこそプロである主催者に洗脳されてしまいそうな気がする。

そんな嫌な糞に気を感じ取ったからこそ、Bさんを救わないという選択をしたのだ。