プライドを捨てた人が騙されやすくなる理由を語る

メンタル・心理
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この記事は「「プライドは捨てるべき」論について思うことを語る」の続編である。

私の持論だが、プライド…とくに、虚栄心や見栄といった人生を狂わせやすいものではなく自尊心や矜持、自分の過去、自分の人生に責任を追う覚悟といった、ある程度はないと困るし人望も得られないものまで「プライドの一種だから捨てるべき」と極端な考えで動いてしまう人は、騙されやすい人になる。つまり”カモ”になるのだ。

それを理解しているのかいないかは定かではないが、情報商材やセミナー業、オンラインサロンを運営している悪質なインフルエンサーは、「プライドは捨てるべきだ」と定期的にセールストークみたいに主張する光景をよく目にする。

…話を戻して、今回はどうしてプライドを捨てた人が騙されやすくなるのかについて個人的な見解を述べていこうと思う。

 

精神的な拠り所が自分には無いので代わりに誰かに依存することで精神的な安定を手にしようとする

自尊心や矜持、自分の過去、自分の人生に責任を追う覚悟のようなその人の人格を構成する部分まで捨ててしまうと、一瞬は気楽になれる…が、所詮は一瞬でしかない。

そのうち自分の精神的な拠り所を捨ててしまっており、且つ捨ててしまったものに再び囚われるのはプライドを捨てきれていないことになるので、精神的に不安定な状態が持続する。

この時に「プライドを捨てるなんてやってられっか」とある意味開き直れたらいいのが、この開き直りができずに他人や集団を精神的な拠り所にすることでメンタルの安定を図ろうとすることがある。

この心の動きを悪用すると、

  1. 「成功するためにはプライドを捨てるべきだ」と主張する。
  2. その主張を鵜呑みにして精神的に不安定な状態に自ら陥る人が出てくる。
  3. プライドを捨てるべきと主張していた人が「私も同じく不安な時期がありましたが○○さん(=師匠的な存在)に出会ったことで人生がうまくいきました、続き…」と言って、精神的に不安定な人にアプローチを仕掛ける。場合によってはここで怪しいカウンセリング、コーチング、個サルティングのようなサービスの購入も仕掛けることもある。

というやり口で悪質な金儲けが可能になる。

なお、昨今では「社会的な成功のため」といった意識の高い芸風ではなく、「人生をゆるく楽に生きるため」といった意識の低い芸風でプライドを捨てさせてアプローチを仕掛けることもある。

芸風は時代や世相によって変わるが、根本的なプライドを捨てさせて不安定になった人に商売を仕掛けるという点は健在である。

 

捨ててはいけないプライドまで捨てた空っぽな自分への虚しさを埋めるために衝動的に動く

また、捨てるべきプライドを捨ててしまい不安定な状態になった人は、そのままでは自分の空虚さに押しつぶされる不安を嫌でも自覚することになる。

そんな不安に耐えることはたいへん厳しいし、長時間さらされると正気を保てなくなるので、どうにかして不安を解消すべく、衝動的な行動に出てしまう。

 

その衝動性は人を騙すことで収益を得ようとしている人には好都合である。

たとえば冷静な判断力があればまず購入も検討も…いや、それ以前の見向きすらしないであろう人に対する効果の怪しい高額な情報商材やセミナーへの成約の成功率が高まるのは容易に想像できよう。

また高額であればあるほど、「高い買い物をしたのだからそれ相応の価値がある、決して無駄遣いでもなければ衝動買いでもない」と考えやすくなるので、被害を訴える声も出にくい。

こういう追い込まれた人の心の動きを熟知している人は、あえてプライドを捨てさせるような芸風をし、自分の商品やサービスへの見込み客を集めをしているのだ。

 

 

そもそも「プライドは捨てるべき」という言葉を鵜呑みにする時点で騙されやすい部分がある

身も蓋もないが、そもそも「プライドは捨てるべき」という言葉を鵜呑みにしてしまう時点で、言い方は悪いが生来のカモ気質の持ち主とも言えよう。

シンプルに他人を疑う癖がないから騙されやすい…という説明で終わると言われればそのとおりだが、ある程度心が疲弊している人は、自分に取って都合のいい言葉、耳に心地よい言葉であれば無批判に受け入れてしまうという特徴もあるため、他人を疑う癖というのは持ち続ける方が難しい部分もあるのが悩ましいものである。

今やネット上でいつでも耳に心地の良い言葉を見聞きすることがあるだろうし、私もブログで記事を書いている以上、心地の良い言葉を発する側の人間である。

私が書くのも変な話だが、今この記事を読んでいる方にはたとえこの記事であっても「ほんとうかな?」と疑うなり考えるなり、心の中でツッコミを入れる習慣をつけて行くことが、騙されないためには重要だろう。

 

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